こころを診る技術 精神科面接と初診時対応の基本

著者 :
  • 医学書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784260020206

作品紹介・あらすじ

「精神科における標準的な面接および初診時対応はどうあるべきか?」についてまとめた実践書。よい患者-医師関係を築く第一歩となる初回面接を中心に、精神科面接の基本的な心構えから具体的な話の聞き方・伝え方、特に注意して聞くべきポイントまでを幅広く、具体的に解説。診断基準・ガイドラインの用い方や薬物療法に関する考え方など、長年臨床家として活躍してきた著者ならではの技術や心得なども豊富に盛り込まれている。

感想・レビュー・書評

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  • 専門書としてはとても分かりやすく書いてあるので、読みやすい。患者さんに対する基本的な態度として、患者さんが抵抗少なく治療に入っていけるように、心を割いている筆者の様子が伺えて、好感を持った。

  • 最近の精神科領域に置ける診断基準がDSM-5などの操作的診断基準が加わった。チェックリストのように項目があるかないかを判断して、その合計点数で診断するという方法が主流であるが、診断する若手精神科医たちはその項目に左右され真の疾患像を捉えられていないことに著者は疑問を呈している。
    様々な精神療法があるが、それらはっきりとしたエビデンスがないものも多い。また薬と同じように効果だけでなく何気ない精神面談が思わぬ副作用を招き得ることも理解しながらきっちりとした適応を考え、治療に臨むべきだと警鐘をならしていた。

    医師が一方的に話をするのではなくしっかりと患者の話を聞く姿勢が重要だとする著者の考え方は賛同できた。

  • 心惹かれる部分があり、手に取りました。

    適切な面接には精神医学、心の問題に関する知識が不可欠である、というくだりに、自分たちも同じだと思いました。

    最近、面接技法にばかり気持ちが向いていたので、その「前提」である専門知識の重要性を改めて指摘され、身が引き締まる思いでした。

    連携においても、つなぐ先にいる人が、どのような専門性を持つ人で、どのような情報を、どのように活用していくのかを理解しておけば、適切な情報を提供することができ、スムーズにつながっていくと思うので、その意味においても、自分の専門分野だけでなく、つながっていく領域の方々の専門性についても理解を一層深めたいと思いました。

  • 北里大学医学図書館OPACへ
    http://saosrv.kitasato-u.ac.jp/webopac/newexe.do?pkey=BB10116015

  • どんな技術でも基礎は大事である。精神科医にとって面接というのは外科医にとっての手術と同じである。ただ外科医の手術はある程度公開されることで透明性が担保されるが、面接にはそれが薄く、透明性を保たない限り、その発展はない。これまでも面接のバイブルは何冊かあったが、激変している現代精神医療のバイブルとなる本の一冊と思われる。初心者向きの本であるが、ベテラン医師が基本を学び直すことで、現在の自分自身の技術の見直しになるものと思う。

  • そんなものあるんだろうか?と思うかもしれないけれど、しっかりとした問診をとり、きちんとした対応をする、ということが伝達可能で評価しうる「技術」だということが分かります。
    精神科の研修医のために書かれたような本ですが、プライマリケア医にとってもとても勉強になりました。

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著者プロフィール

北里大学医学部精神科学教授

「2020年 『こころの科学215』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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