- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784265083091
作品紹介・あらすじ
実験動物のお世話をしているひとりの女性の物語。私たちの毎日の生活に「実験動物」たちが深くかかわっていることをぜひ知ってほしい。動物実験施設で働くテルの姿を追う。
感想・レビュー・書評
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知りたいけれど、知るのが怖い。
動物実験について長年そう思っていました。
なんとなく凄惨なイメージがあったけれど、動物福祉の意識が芽生え確固とした倫理観をもった現代では、生育から安楽死までの”一生”についてどれだけ苦痛がないようにするかが考えられていることを知り、安堵に似た気持ちを抱きました。
そのうえで「それでも動物実験が必要な理由」もきちんと説明されています。
人間がよりよく生きていくには動物実験を闇雲には反対できない。
だからこそ「貴方達の尊い命を絶対無駄にはしない」という使命感をもって全ての動物実験が行われているのだと思うし、そうであると信じたいです。
テルさんの動物への接し方は、普通に考えれば仕事の範疇を超えているのかもしれないけれど、ここまで「どうすれば楽しいか、つらくないか」を考えられて工夫を重ねた環境下で生育した数多の実験動物たちは、語弊があるかもしれないけれど「何のために生まれてきたか」を思えば幸せな一生を送れたのではないかと思いました。
図書館でフラッと児童書コーナーを通った際にたまたま目にした本でしたが、児童向けに言葉がわかりやすい(そしてレイアウト的にも読みやすい)というだけで大人でも十分に読みごたえがあり、そして色々と考えさせらる本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
愛護団体への疑問
考えの多様性
日常使用薬の裏側 -
今まで実験動物について深く考えたことがなかったことに気付きました。このような犠牲の上にも今の生活があることを忘れてはいけないと思いました。
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これはすごい。子どもも大人も読むべき一冊。
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児童書ながらこれだけ真正面から動物実験を描いた本は珍しい。
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他に小学生にも読めるこのジャンルの本が少ない。
命、仕事、福祉の面から読める。
実験動物を世話する仕事をする人を通じて現状を伝え、命に向き合う姿や葛藤を真っ直ぐに描いている。
専門用語は多いが、解説を文中に交え、補われている。付録は詳しいが、大人向け。
目次あり、はじめに、おわりに、付録「なぜ、動物で実験するの?」あり。
参考資料一覧あり。 -
実験動物のことは知っていなければならないことです。
食や医療の安心・安全は、動物たちに支えられている部分が大きい。
僕らは、動物の命から利を得ている。そのことから目をそらしてしまいがちになるけれど、忘れてはいけないことと思っています。
良い本でした。