クマが出た! 助けてベアドッグ クマ対策犬のすごい能力

著者 :
  • 岩崎書店
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本棚登録 : 58
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265840281

作品紹介・あらすじ

「ベアドッグ」とは、クマのにおいや気配を感じ取り、ハンドラーに知らせるため、特別な訓練を受けたクマ対策をする職業犬。人家などに近づく「迷えるクマ」を、人もクマも傷つけることなく森の奥へと追い返す、ベアドッグとハンドラーの取り組みを追う。

ツキノワグマ保護管理を行う、軽井沢のNPO法人ピッキオを長期にわたり取材。
人も、クマも助けたい!人とクマ共存のための職業犬「ベアドッグ」の活躍を描くノンフィクション。
ベアドッグを通して、クマとともに生きる方法をいっしょに考えてみませんか?

感想・レビュー・書評

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  • 軽井沢で人とクマの共存に重要な役割を果たす団体とそこで働く犬、ベアドッグの活躍を紹介しています。

    犬種は、以前ヒグマ狩りにも使われていたロシアとフィンランドの境のカレリア地方という所の原産のカレリア犬。アメリカでグリズリーなどの対策として訓練・繁殖している動物行動学者のキャリーさんという方のところから指導を受けて日本へ連れて来た、ハスキー犬くらいの大きさの犬達です。

    人間は過去、日本オオカミを絶滅させてしまっていますから、ツキノワグマもそうなりかねない。という考えもあり、まずは人間の住む近くにクマがやってこないように。ゴミや食べ物の管理を徹底する事。その次に、人里まで降りて来てしまったクマを教育すること。つまり、人の近くに来ると良くない事があるという経験をさせる為に、人間とコミュニケーションが取れ、クマを追い立て、必ず戻って来る犬達が活躍します。
    犬の適性も慎重に見つつ、成功体験を繰り返し、仕事好きのベアドッグを育てています。

    素晴らしい取り組みですが、自然が相手ですから、苦労も多く、どこでも誰でもできる訳ではないようです。
    まだ、軽井沢でしかできないようですが、見守っていきたい活動だと思いますし、野生動物と人との共存を考える上で貴重な取り組みですから、子ども達にも知って欲しいと思いました。

    同じ著者で2006年にも「がんばれ!ベアドッグ」という本が草炎社から出版されており、そちらも読んでみたいです。

  • 児童書

  • この本に出てくるピッキオのような活動が日本各地に広まれば、クマの犠牲になる人も、駆除されるクマも減るのでは? クマと人の棲み分け、餌となるものを外に出さない、クマのテリトリーに入る際はクマ鈴などを身につけ、自分の存在をクマに知らせるなどの人間側の工夫も大切だと思った。ベアドッグは素晴らしいけれど、犬を育てること、クマに対しても愛情を持つこと、それらの活動を近隣住民に理解してもらうことは、一朝一夕にはできない地道なものだと感じる。人間と野生動物との共生について考えさせられる一冊。

  • ベアドック。
    大変素晴らしい活動をしているワンコです。
    日本には軽井沢のこの4頭しかいないのでしょうか?
    もっともっと増えて欲しいです。

    北海道のヒグマも、人里での出没が多く、また、知床などでは人を恐れないヒグマもおり、駆除されたというニュースを見ると心が痛みます。
    ヒグマらは、決して人を襲うために出てきたわけじゃないのに。
    食糧を求め、人里に出てくるようになったのは、我々人間のせいなのに、危ないから駆除する?
    そんなの勝手すぎるじゃないか。
    いつもそう思っていました。

    ベアドック、本当にもっともっと増えて欲しいです。
    ハンターを否定はしないけど、殺していい命なんてないって思います。

  • ツキノワグマ保護管理を行う軽井沢のNPO法人ピッキオの活動を紹介したものです。

    クマを駆除するのではなく森へ追い返す活動のためベアドックを使っているということのようですが、この本で初めて知りましたので、なぜカトリア犬だけなのかとかいろいろ疑問はあります。
    また、残念なクマと判断されれば薬殺されたり、死ぬのがわかっていても子グマを自然に放したりと、理解しがたいない話もあります。一方で、「成長期のクマに成獣用の太い首輪で苦しめることは倫理上も許されないのではずれる細い首輪をする」とありますが、この本では前述のほかに多くのクマの死が紹介されています。それは倫理上許されるのでしょうか。疑問です。

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