家康の養女 満天姫の戦い (潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784267023644

作品紹介・あらすじ

「おなごはいくさの役には立たぬかもしれぬ。
だが、もっと大きな働きで陰の役割を担うこともできるのじゃ」(徳川家康)

関ケ原後、いまだ不穏な動きを見せる奥州。
家康の画策で津軽藩主・信枚に嫁いだ満天姫。

慣れない最果ての地での正室としての暮らし。
前夫である福島家の息子の存在。
襲い来る飢饉。
信枚への想い――
そして大切な人たちの死。

すべては江戸と津軽のために。
これは――女の関ヶ原!
「争うよりも、相手の真心を引き出し、いかようにして味方につけていくか。そこに思いをいたさねばならぬ。相手ではない。自らの生き方にかかわることじゃ」(満天姫)

波乱に満ちた家康の養女の生涯!
巻末には、直木賞候補でいま大注目の作家・永井紗耶子氏による特別解説を掲載!

感想・レビュー・書評

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  • 波乱万丈な人生でありながら、最期まで立派な生涯を過ごした津軽二代目藩主の正室の話
    普通の人らしさもありながら、とてもかっこよかった人だと思う。

  • 家康の養女の一人・満天(まて)姫が、津軽に再嫁してからの半生を描いた歴史小説だ。

    旧作だが、来年の大河が家康ものであることから復刊となった。歴史小説に“賞味期限”はなく、こうした形で蘇ることもあるのが羨ましい。

    満天姫を主人公にした歴史小説はこれが嚆矢である。本作が出てから、高橋銀次郎の『満天姫伝』や葉室麟の『津軽双花』が出たのだ。

    つまり、小説のヒロインになり得る存在としての満天姫を“発見”したのは、著者の古川智映子さんの手柄といってよい。

    古川さんは、実質的デビュー作であり代表作でもある『土佐堀川 広岡浅子の生涯』によって、広岡浅子を主人公にした小説を初めて書いた人でもある。

    歴史の中からヒロインになり得る女性を探し当てる、独自の優れた嗅覚の持ち主なのだ。

    満天姫についても、本作を読めばものすごく波乱万丈な生涯を送った人であることかわかるが、それ以前にはあまり光の当たらない存在だったのである。

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著者プロフィール

東京女子短期大学大学部卒。著書に「赤き心を」「風花の城」「一輪咲いても花は花」「性転換」「炎の河」など。日本文芸家協会会員。ヴィクトル・ユゴー文化賞受賞。潮出版社文化賞受賞。著書「小説土佐堀川」がNHK朝ドラ「あさが来た」の原案となる。

「2017年 『きっと幸せの朝がくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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