なぜ、日本人は? 答えに詰まる外国人の質問178 EJ BOOKS2 (EJ対訳ブックス 2)
- ランダムハウス講談社 (2007年5月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784270002155
感想・レビュー・書評
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日本にいると当たり前でしかないことを、外国人から質問されて、返答に詰まるということが時々あります。
違う視点からの発想に驚いてしまい、相手が納得する説明ができないことがもどかしいため、うまく答えられるヒントを求めて読んでみました。
自分にとって馴染み深いものでも、説明できないのは、それを客観的に把握できていないから。
外から眺める目が必要となります。
まず、日本は地震国といわれており、確かに地震が多いのは事実ですが、世界の地震のうち約10%が日本で発生しているというのは驚きでした。
10回に1回が日本で起こった地震だということ。
4枚のプレートが日本の周囲にあるのは知っていますが、プレートは世界中で13枚しかないそうです。
また、世界の活火山も約10%が日本にあるとのこと。火山国です。
温泉の数は約2万で、温泉地は3千以上。自然の恩恵と恐怖に近い国だというわけです。
技術面では、世界の工業用ロボットの約7割が日本で生産されているのだとか。ロボット大国です。
乾電池を発明したのは日本人、電卓を初めて商品化したのはシャープ。技術国の名はまだ健在でしょうか。
日本人といえば勤勉な国民というイメージが世界的にありますが、昔からそうだったわけではないとのこと。
江戸時代以前の日本人は、夏には涼しい午前中しか働かなかったそうです。
まるでシエスタですね。
勤勉になったターニングポイントは、明治時代の富国強兵政策と、戦後の行動経済成長期。
個よりも集団を重んじる風潮が、周りと一緒に努力しようとする勤勉性を引き出したそうです。
日本で、日の丸を国旗とし、君が代を国家とする法律が定められたのが1999年に公布された国旗国歌法ことだということに、驚きました。
自分が生まれた頃からそう決められていたものとだと思っていましたが、その段階では定められていなかったとは。
欧米では下敷きを使う習慣がないそうです。
確かに見たことはありません。
日本人が下敷きを使うのは、画数の多い漢字を書く際には、アルファベットを書くときよりも指先に力が込めやすいとも考えられるからだとか。
日本語の「カワイイ」は、今では世界に広がる言葉になっていますが、それは英語のprettyやcuteが人を指す言葉なのに対し、「カワイイ」は愛らしいもの全般に使うことができる言葉なので、広まりやすかったとのこと。
英語と日本語で直訳してはいけない表現のようです。
ほかにも、「神道」という言葉は「仏教」と区別するために生まれた言葉だとか、元寇二度目の「文永の役」で神風が来た記録はないことや、マドンナが日本人シェフを雇って、子どものアレルギーを治したことなど、知っているようで知らないことがいろいろと紹介されており、おもしろく読みました。
見開きで英語と日本語が対訳になっているのも、実際に外国人に説明する際に使いやすそうです。詳細をみるコメント0件をすべて表示