SEALDs 民主主義ってこれだ!

制作 : SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動) 
  • 大月書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272330867

作品紹介・あらすじ

・写真:メンバー自身の撮影によるデモや抗議行動、日常風景など
・アートワーク:SEALDsの特徴である洗練されたデザインのフライヤーや映像
・スピーチ:一人ひとりの言葉で語られたスピーチを厳選して収録
・メンバー証言:それぞれの来歴や参加のきっかけ、SEALDsへの思いなど
・メンバー座談会:初期メンバーが前身であるSASPLの誕生から現在までを振り返る
・対談:高橋源一郎(作家)と中心メンバー奥田愛基が語る「民主主義とは?」
・著名人・識者からの応援メッセージ:茂木健一郎、高畑勲、後藤正文、小林節 ほか

高橋源一郎さん、津田大介さん、古賀茂明さんなど著名人も応援する「SEALDs」。若者たちはどんな思いで運動に参加し、日本をどのように変えたいのか。いまもっとも注目されるムーブメントの最前線にいる若者たちの素顔に迫るドキュメント。

感想・レビュー・書評

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  • 本をめくる。タイトルの次に、「目次」の代わりに「introduction」と銘打たれて、まるでアイドル写真集のように、2人の男女が廃墟のプール(?)で向き合っているカラー写真が載っている。隅にハンググライダーが飛んでいる。目次内容も右から左じゃない、左上から右下、英語半分だ。つまり、こういう「本の編集の仕方」(編集スタッフもおそらくSEALDs)からSEALDsなのだ、とこの本は隅々まで訴えている。

    つまり、ここには古臭い言い方で云えば「新しさ」がある。

    一方で、彼らのスピーチやオピニオン(綱領?)は、古臭い私でも至極真っ当なモノなものと思えるのだ。だから、若者だけでなくいわゆる老人たちも「支持」「支援」したのだろう。12万人国会前集会が実現したのも、そういう訳なのだろう。

    三章「Where we are from」の中心メンバー3人による対談で、やっと私はこの3年間の彼らの活動概略を知る。始まりは2012年原発再稼働反対で官邸前に集まっていた若者が結成したサークルみたいなものTAZ(一時的自律空間)だったらしい。2013年12月に特定秘密保護法が可決。そのあと本格的な運動体SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)が結成される。それら最初の時から、彼らは「カッコいい」ことを求めている。「VOTE(投票に行こう)」Tシャツ着て写真を撮ってSNS上で拡散しまくる。やがて「カッコいい」デモのやり方も工夫する。フライヤー(チラシ)やスピーチのクオリティも上がってゆく。そして、SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が今年の5月に立ち上がる。なるほど、ホントに充実した大学生活だったのだ。

    しかし、彼らは流行として運動をしていたわけでも、カッコ良さだけを求めてこういう行動を起こしていたわけではないことは、この本に収められているメンバーのスピーチを読んだり、対談の中の「展望」を語っているところからも伺われる。

    SEALDsメンバーには「知性」と「覚悟」がある。それらは、次の人たちとは極めて対照的である。ネットで使い古された言葉しか発さず、匿名でしか街頭に立つことが出来ない戦争法を支持する人たち。SEALDsはすべて「自分の言葉」で、必ず名前を明らかにしてスピーチしている。

    この本には、この間のほぼ全員分のスピーチが収められている。モノローグも含めて、ほぼ全てのメンバーたちの想いを知ることが出来る。その意味で、SEALDsの全貌を知るためには、これは決定本である。しかし、SEALDsを紹介するためだけにこの本が作られたわけではないだろう。秘密保護法から安保関連法に至る、この国の向かっている未来の危険性に対して、未来を引き受ける若者たちの正面からの彼らなりの「答え」なのだ。スピーチを聴いて欲しい。出来ることならばYouTubeで検索すると見ることの出来るのでそれで聴いて欲しい。文書で読むとただ感心するだけだったスピーチを、生で聴くと泣いてしまったことのある私なのである。

    2015年11月7日読了

  • 「民主主義ってなんだ?」に対するアンサー本的な本書。
    2015年春、SEALDsとして活動し始めた、わりと早い時期から情報の拡散などで応援し理解していたつもりだったが、前作を読んだ時に「応援され、勇気をもらったのはむしろ私の方だった」と感じたことを思い出す。
    結局「安保法制」自体は異例尽くしのかたちで可決されたが、「民主主義」が終わった訳じゃないんだ!という事が再確認できる本。
    当時の写真やメンバーひとりひとりのスピーチ、twitterで飛び交ったことば、中央公聴会での奥田さんの発言、メンバー同士の座談会、高橋源一郎さんとの対談。2015年を忘れないための良本。

  • 戦争法案を阻止するために立ち上がった若者たち=SEALDs。歴史を塗り替えたムーブメントの渦中で、メンバー自身がその歩みを振り返り、来るべき民主主義への思いを託す。高橋源一郎×奥田愛基の対談も収録。

    私がこの年代の頃,こんなに真剣に政治について考えていただろうか.青かろうが未熟だろうが声を上げることがまず大事だと思う。

  • 私の個人的なSEALDsに対する思いは、「民主主義ってなんだ」の感想に書いた。
    この本を読みながら感じたのは、文章で書かれているのもいいのだが、実際にスピーチを聞いた方が、より心に響くなあということだ。

    寺田ともかさんのスピーチをヨドバシ前で聞いたとき、不覚にも涙が出た。寺田さんがどうだったか忘れたが、初めて街宣に行き、「今の子ってスマホ読みながらスピーチするんだ。紙じゃないんだ」とそのスタイルに驚いていた。他の子のスピーチも自分の普段の言葉で語っていて、すごいなあと感心していた。で、何人目かに寺田さんのスピーチを聞いた。「私は、戦争で奪った命を戻せない。」あたりから、もう全員が聞き惚れる、空気が変わった感じ、屋外なのに空間が一つになって言葉と一緒に揺れる感じがした。

    千葉泰真さんのスピーチも砂防会館で生で聞いた。朝日新聞の投書を私も読んでいたので、それを取り上げたスピーチを聞けて良かったと思った。

    奥田愛基さんの参議院特別委員会公聴会の意見陳述はテレビで見た。そこで聞いている議員たちとは格が違うと思った。二十歳そこらの青年に全く負けている。人として負けている。あの若さでどうしてここまでのスピーチができるのか、どれほど勉強し、思考しているのか、もう驚くしかなかった。

    また、本の感想になっていないのだが、結局、この本やそれ以外の本を読み、勉強し、自分で考え、そして実際に行動を起こそう、生身の身体で行動しよう、目や耳や足を使おう、現場に行こうと自分自身に言っている。

  • アレの暴走が、生み出したとすれば皮肉なものですね。
    そしてアレを放逐出来れば本物と言えるかも。。。

    大月書店
    http://www.otsukishoten.co.jp/book/b208821.html

  • 「民主主義ってなんだ」に続いてコレもまた自分の勉強不足を痛感…。
    デモに対する考え方や気持ちが固まった気がした。
    とてもよい本だ。
    みんなに紹介したい♪

  • 自分達の思っている「正義」以外は「正義」と認めないという雰囲気を醸し出していました。

    最もウケたセリフ ↓
    安倍元総理とは「知性で裏付けられた想像力」によって決定的に異なるらしいです。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/484928067.html

  • いつから若者は弱者になったのだろうか
    参考人での発言がすっと響きました 政治を考えるきっかけになった人は多いと思うので、これからも若い人が声を上げてほしい

  • デザインすごいなって感じだ!おしゃれ。大学生っぽさ。
    デザインでちょっと気になったのは、ツイッターのスクショ画像で、スクショした人がその人をフォローしているかしていないかでフォローボタンの色が違うところ。笑
    内容は、等身大の大学生たちのことば。実際に聞いたことのあることばも、こうやって本に納められているとちがってみえる。
    愛基くんの国会でのスピーチ原稿が載っていてよかった。#ありがとうオークダーキ のハッシュタグを思い出して、もう1年半前か、とびっくりした。

  • 十年若ければ、活動に参加していたんじゃないかなとも思った。

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