生命の倫理学 (大学生の学びをつくる)

  • 大月書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272431076

作品紹介・あらすじ

女性のlife(人生)と胎児life(生命)の狭間で葛藤や対立が生じる妊娠中絶、他者の命の救済が人の死の判定にかかわる臓器移植の現在…。生と死、人の命と尊厳をめぐるさまざまな問題を具体的な事例から自分事として考える。

[目次]

第?部 知る・つかむ
第1章 妊娠中絶と出生前・着床前診断
1.妊娠中絶
 コラム 米国における妊娠中絶問題
 コラム 中絶における女性の自己決定権
 コラム 「青い芝の会」と日本の障害者運動
2.旧優生保護法と強制不妊手術
 コラム 障害とは何か
3.出生前診断
 コラム 「トリソミー」とダウン症
4.着床前診断
 コラム 「しょうがい」の表記について
 コラム 共生社会を理解するためのキーワード
第2章 生殖医療
1.不妊治療
2.卵子提供
3.代理出産
4.AIDで生まれるということ

第3章 脳死と臓器移植
1.救世主きょうだいと臓器移植
2.臓器移植の歴史
3.日本の「臓器移植法」と臓器移植の現状
 コラム 和田心臓移植事件
4.脳死をめぐる問題
5.「脳死臓器移植」の問題点

第4章 自己決定と終末期医療
1.生を〈まっとう〉すること
2. 患者の〈自己決定〉をめぐる諸問題――インフォームド・コンセント
3.終末期医療
4.安楽死
5.自己決定と死ぬ権利――エリザベス・ボービアの事例

第?部 深め・広げる
第5章 「人間の尊厳」と「パーソン論」
1.人間の尊厳
2.パーソン論
第6章 優生思想を超えて
1.相模原事件から考える
2. 人類は生物学的に〈改良〉できるのか――優生学の始まり
3.優生政策の各国での展開
 コラム 人種は存在しない
 コラム 悪の凡庸さ
 コラム 人体実験を許すのは……
4.日本の優生政策
5.これからの倫理のために
第7章 死生学
1.死生学とその背景
2.人間に固有の死とは
3. 死と向き合い,死を受けとめる――代表的な死生学者による考察
 コラム キューブラー=ロス
4. 死にゆくものへのケア――ターミナルケア,ホスピス
5. グリーフケア――故人との絆(強い結びつき)とは
6.悲嘆の経験は共有可能か
7.歴史のなかにおける死の捉え方の変容
8.医療化社会における死
9.死の文化のために

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    ★★★✬☆

    ■■概要■■
    ○現代社会が直面している、一元的に答えを出すことが難しい問題である、『中絶・生殖医療・脳死・終末医療』と言った問題を述べた後、人間の尊厳・優生思想・死生学と言った思想を取り扱った本。
    ○各章ごと異なる著者が執筆しているオムニバス形式の本であり、大学生で生物や医学に携わる人に考え方のエッセンスを詰め込んだという本である。
    ○章の終わりごとに問いかけがあり、答えのない問であるから、自分の軸や倫理観にそって考えていかなければならず、立ち止まって考えることを要求される。時間があればその答えを他の人と共有して意見をもらうことなどがいいのかと思う。

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著者プロフィール

東京慈恵会医科大学 医学部 教授。専攻:哲学。主な著書:『西洋哲学の軌跡──デカルトからネグリまで』(共編、晃洋書房)など。主な訳書:トーマス・セドラチェクほか『改革か革命か──人間・経済・システムをめぐる対話』( 共訳、以文社)、マーヤ・ゲーペル『希望の未来への招待状──持続可能で公正な経済へ』(共訳、大月書店)、『社会主義の理念――現代化の試み』(共訳、法政大学出版局)など。

「2023年 『反資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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