登山と自然の科学Q&A

著者 :
制作 : 日本勤労者山岳連盟 
  • 大月書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272610488

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  • 日本の山々を科学する。
    少々古い情報もあるかもしれない。

    なぜ、日本の山は独特なのか。
    それは日本には四季があり、多様な植生があり、様々な地質に富んでいるから。

    では、それは一体なぜなのか。
    もう一歩踏み込んで見てみよう、というのが本書の中身である。前半は、植生、地質について書かれ、山脈が出来る原理、時代を説明される。

    『けずられてこそ、山になる』
    この見出しが付いた項は、未熟な知識しかない私にも、スッと入ってくる言葉が多かった。
    隆起し高くなった原面。チベット高原などに見られる、比較的に高い位置にあるがなだらかで平坦な土地は、山とは言われない。富士山を超える高さであっても、あくまで高地なのだ。
    山とは、川、風雨、かつて氷河に削られた歴史があるからこそ山と呼ばれる。
    今の山地、あの山頂も、削られながらも残った部分が、人に見出され、踏まれて山と認知されたのだ。
    なんだ、山ってある意味で人の美的感覚がそう呼ばせているんじゃないか。科学とか何とか言いながら少しホッとした。
    今はなだらかな山頂も、何万年も経てば、険しく荒々しい山地になるのかもしれない。

    ただし、それも果てしない時間の流れの中で、削られて平坦なものへと向かうことになる。山岳の歴史はまた新たな大陸の隆起を繰り返すのだ。

    後半は、天気について、高山病、怪我への対処。水分の大切さ、凍傷対策などなど、色んなテーマに沿って語られる。
    いまいち統一感の無い本になっており、面白みには欠けるが、勉強になるのでありがたい。

    読了。

  • Q&A形式で、山の不思議を解説しています日本の山はなぜ美しいのかとか、救急対応のしかたとか、水の飲み方とか、いろいろ参考になりました。

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著者プロフィール

1948年、長野県生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。理学博士。
専門は自然地理学、地生態学。現在、東京学芸大学名誉教授。著書に、『日本の山ができるまで』(A&F出版)、『地生態学から見た日本の植生』(文一総合出版)、『山の自然学』(岩波新書)、『日本の山と高山植物』(平凡社新種)など。

「2022年 『日本の自然風景ワンダーランド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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