アフリカ音楽の正体

著者 :
  • 音楽之友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784276135703

作品紹介・あらすじ

坂本龍一氏推薦!「20世紀以降のジャズやロックを含む全てのポピュラー音楽は、アフリカ音楽の影響を受けている、あるいはそれ以上に基底にはアフリカ音楽があると言っても過言ではない。(中略)あの広大でたくさんの部族が暮らしているアフリカに、ある共通するリズムパターンがある不思議。西洋とは異なるハーモニー感覚がなぜ生じるのか、人類がもつ言葉と音楽の関係の根源に対する考えを促すような音楽と言葉との関係など、アフリカ音楽には尽きない魅力が満載である。ぜひこの本を手にとってその魅力に触れてほしい。」「理論編」では、アフリカ伝統音楽の構造を、リズム、ハーモニー、旋律、太鼓、子供の遊びなどを取り上げて解き明かす。「実践編」のアフリカの太鼓合奏実技は、音楽の授業教材としても最適。アフリカ音楽に興味を持つすべての人に贈る入門書。『教育音楽―中学・高校版』(1996~97)連載を大幅に加筆修正。

感想・レビュー・書評

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  • 西アフリカを中心に文化人類学的視点を踏まえてアフリカ音楽を紐解く。

    アフリカはサハラ以北はアラブ音楽の影響(ユニゾン、平行進行)を受けていて、サハラ以南は太鼓を中心とした典型的なアフリカ音楽が受け継がれている。

    アフリカ音楽の特徴
    ・ヘミオラ(3拍子から2拍子への切り替え)が曲全体において行われる。
    ・バッハに見られるような耳の錯覚を利用して、単純なリズムの重ね合わせが複雑に聞こえる。
    ・大陸に同一のリズムが偏在している
    ・ポリリズムは、分割リズムか付加リズムとしてか採譜するか論議があった。
    ・レオポール・サンゴールによればリズムは音楽のみならず建築、舞踊、詩歌、彫刻にも影響する
    ・西洋は時間の感覚が直線的だが、アフリカは未来という観念がなく、環状・螺旋状。(再生の観念がある)
    ・アフリカでは日の出と日の入りに歌を歌う。
    ・参考図書
     ウィリアム・バチャール「南部アフリカ内陸の旅」

     一人が皆を先導し、そのあと残りの子供達が様々な音程で歌に加わる。そして耳だけを頼りに音を合わせ、正確なハーモニーを作り上げた。踊りと歌が自然に演じられる様子は大変に美しかった。

    ・トーキングドラムはのろしの役割。決まった文言で通信を行う電報に近い。
    ・ままごとにハイエナ役がある。

    *音源は音楽之友社にある
    http://www.ongakunotomo.co.jp/useful/africa/index.html

  • <閲覧スタッフより>
    現代のポピュラー音楽の根源といわれるアフリカ音楽。そんなアフリカ音楽特有の”リズム”や”ハーモニー”などに着目し、追究しています。音を重視する西洋音楽に対し、”音を身体運動の副産物と考える(pp.29)”というアフリカ音楽は、興味を掻き立てられること間違いなしです。音楽之友社のWebサイトにて著者が録音した数々の貴重な音源を視聴・ダウンロードすることができます。
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    所在番号:762.4||ツカ
    資料番号:10233712
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  • 合唱で二つのリズムが重ね合わせられると、3D画像のように、背後からあるリズムが浮かび上がるように意図されて曲が作られている!驚いた。
    そして思ったとおり、スティーヴライヒのミニマルミュージックはこのアフリカのリズムを模しているらしい。ナゴヤマリンバやピアノフェイズなど、まさにそれ。

  •  アフリカの音楽と聞いて思い浮かぶのは、「ズンドコズンドコ」と太鼓をたたいている姿ぐらいだ。後は、アフリカやブラジルの音楽をジャズの世界に取り入れて現在もなお活躍し続けているアルトサックス奏者の渡辺貞夫が浮かんでくる。


     あまりなじみのないアフリカ音楽に焦点を当てたのが今回の本だ。アフリカの音楽の魅力に取りつかれた著者によるアフリカ音楽の世界。


     ジャズの即興演奏とアフリカ音楽との関係、太鼓が話をするとはどういうことか、アフリカ音楽と西洋の音楽の原理とは、など様々な点からアフリカ音楽を紐解いている。


     先に取り上げたイチロー選手同様、エイジレスのレジェンドの渡辺貞夫に関して、丸の内にあるCOTTON CLUBで、今年「GROOVIN' TIME 2016 GRAND SEIKO PRESENTS SADAO & BONA 渡辺貞夫 & リチャード・ボナ」が10月8日から10日まで開催される。アフリカのサウンドを取り入れた演奏が聴ける。


    http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/sadao-watanabe/

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著者プロフィール

東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程修了。ベルファスト・クイーンズ大学大学院社会人類学科博士課程修了。Ph.D. 現在、広島市立大学名誉教授。著書:『アフリカの音の世界』(新書館)、『Kenichi Tsukada & Ryuichi Sakamoto Selections: Traditional music in Africa』(共著、エイベックス)、『アフリカ音楽学の挑戦』(世界思想社)、他。


「2016年 『アフリカ音楽の正体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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