ベートーヴェン (作曲家・人と作品シリーズ)

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  • 音楽之友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784276221758

作品紹介・あらすじ

貴族社会が最後の栄華を極めた19世紀初頭、ウィーンの音楽界に登場した男。皮肉屋で意外と純情…。現代へと通じる「芸術音楽」の幹を作り上げた56年、その生涯と作品の全貌が凝縮された1冊。

感想・レビュー・書評

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  • ベートーヴェンの伝記で、生涯編と作品編に分けられている。ベートーヴェンの大まかな生涯は知った気でいたが、例えばなぜ甥っ子の後見権を巡ってあれだけ激しく争ったのかとかはこの本を読んで理解した。
    作品編も、ジャンルごとに年代を追って解説していてわかりやすい。

  • 本書は、偉大な作曲家ベートーヴェン(題名の通り)を残されたノートや手紙から出来るだけ忠実に浮き彫りにしたところに大いなる特長がある。音楽室の後ろの壁に難しい顔とモジャモジャの乱れ髮で描かれたベートーヴェンが人格を持って描かれている。多くの人がこのベートーヴェンの人格や生活について、彼が後世に遺した華麗とも峻烈とも言える楽想から想いを馳せることであろう。例えば、天才が持つ気難しさやハイリゲンシュタットの遺書や英雄交響曲の献呈な際しての逸話から想起する激情家の側面は、先の肖像画と相まって近寄り難い印象を与えている。モーツァルトが社交的だったのとは大いに隔たりがある印象を持たれがちである。しかし本書では、ベートーヴェンとて金の心配や甥っ子の親権を争う一介の市民としての生きようが数々の遺物によって示され、氏が全くのヒト嫌いな偏屈漢では無かったことが明らかになっている。あれだけの名曲も天才の閃きと職人の勤勉さでコツコツと織り成されたものであることが伝わってくる発見の書である。

  • 学術的な視点で客観的かつ精緻にベートーヴェンの人生について詳述されている。

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著者プロフィール

武蔵野音楽大学大学院修了。西洋音楽史および音楽美学領域。18~19世紀ドイツ語圏器楽曲の様式変遷を研究。特にハイドン、モーツァルトからベートーヴェン、シューベルトに至る交響曲、弦楽四重奏曲、ピアノ・ソナタを中心にソナタ諸形式の時代および個人的特徴を研究。沖縄県立芸術大学、静岡文化芸術大学、慶應義塾大学教授を歴任。音楽評論分野でも月刊誌、日刊紙と放送出演で活躍。

「2020年 『ベートーヴェンとピアノ 限りなき創造の高みへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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