- Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
- / ISBN・EAN: 9784276226210
作品紹介・あらすじ
ロシアの偉大なピアニスト・作曲家、セルゲイ・ラフマニノフの革命に翻弄されたその生涯をたどる、世界でもっとも定評あるニコライ・バジャーノフの伝記。
感想・レビュー・書評
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読み通すのに根気が要った。ロシア人の名前が同一人物なのに次の瞬間で別の言い方ででてくるので、ある程度慣れて、さらに最後に人名便覧と家系図があることに気付くまでは大変だった。ラフマニノフの協奏曲への愛着が無かったら放り出していただいただろう。
伝記とタイトルにあるのは、恐らく著者がラフマニノフの師タネーエフについての前作があり詳細に資料を当たっているためと思われるが、情景描写や心情の描き方は小説で、著者の思い入れたっぷり。
作曲家の繊細な感受性やどういう感じで曲がうみだされるのかが伺われて楽しめた。革命や戦争で世の中が荒れる中、ドイツ、スイス、アメリカと渡り歩き、心には故郷愛を抱いていたこと、師や音楽仲間を愛する人だったことも伝わった。前奏曲や交響曲もぜひゆっくり聴いてみようと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ラフマニノフ好き。学校をサボり、スケートに行く君が好き。彼はトルストイに会ってる。レーピンはトルストイの絵を描いてる。ラフマニノフはチャイコフスキーに会ってる。チャイコフスキーの肖像画はニコライ・クズネツォーフ(painter)が描いてる。19世紀ロシアハイソサエティつながり半端ない。
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長かった…。
ロシアの風景に関する描写が多く、私のような日本人でもなんとなくラフマニノフがいた地へ思いを馳せることができた。今ひとつ私には亡命が直感的に理解できないし、祖国へ帰りたくとも帰れないという状況がピンとこない。たった100年程度前のことなのにね。現代日本がいかに平和かっていうことだよね…。