コロナ後の日本経済 (MdN新書)

著者 :
  • エムディエヌコーポレーション
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784295200154

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  • コロナによる日本経済の今後をリーマンショックとも比較しながら分析した著書。飲食店といった直接的な影響を受けている現場から金融業界の動き、米中新冷戦の影響といった多角的な側面からの分析があり、新書ながら深く説得力のある本。

  • 令和2年第二波がやってくる前の9月頃に読み終わった本ですが、年末の部屋の大掃除で見つけた本です。コロナが終息するのは来年ではなく再来年という話もありますが、その時には経済状態がかなり酷くなっていると予測されます。

    日本国内で多くの方が免疫をもち、また有効なワクチンが開発されて接種して健康上において一安心した頃に、本当の意味でやってくる金融恐慌について書かれています。

    以下は気になったポイントです。

    ・倒産の数字だけ見ていれば事足りるわけではない、廃業という静かなる経営破綻がどの程度出てくるか注目点になる。廃業は統計上には全く出てこない(p44)

    ・ソフトバンクグループの資金調達規模はあまりにも巨大である、資金繰りにこまったとしてももはやメガバンクは支えられない状態にある(p67)

    ・金利とは「お金の値段=お金を一定期間使える権利の価格」である、ゼロ金利が続くということは、お金を使う権利がゼロ円という経済の原理原則から行くと異常現象である(p53)

    ・原油価格がマイナスになる仕組みとは、生産過剰、消費急減により在庫が積み上がることで貯蔵能力がなくなり、ついにはお金を払ってでも売りたいとして2020年5月モノが「マイナス価格」を記録したことである。六月モノは、20.43ドルであり現物の原油価格がマイナスになったわけではないお(p126)

    ・サウジアラビアは原油価格が1バレル86ドルで同国の財政収支が均衡する、シェールオイルの採算ラインは60ドルと言われる(p129)

    ・2019年の日本の原油入国として、1位サウジアラビア(35%)、2位アラブ首長国連邦(30%)、3位カタール、4位クェート、米国:2%、ロシア:5%(p130)

    ・ハイリスク・ハイリターンの企業の「レバレッジドローン」でも束ねることでリスクが分散、低い信用力でも投資家に買ってもらえるように利回りを高く設定すればいいという発想で生まれたのが、CLO(ローン担保証券)である(p134)第二のサブプライムローンといっても過言ではない(p145)

    ・2020年4月1日には、中堅シェール企業の「ホワイティング・ペトロリアム」が経営破綻、6月28日には草分け的存在の「チェサピーク・エネジー」が経営破綻した(p145)

    2020年12月28日作成

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著者プロフィール

須田慎一郎(すだ・しんいちろう)
経済ジャーナリスト。1961年東京都生まれ。日本大学経済学部卒。経済紙の記者を経てフリー・ジャーナリストに。
「夕刊フジ」「週刊ポスト」「週刊新潮」などで執筆活動を続けるかたわら、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)、「そこまで言って委員会NP」(ytv)、など、テレビ、ラジオの報道番組で活躍中。 また、2007年から2012年まで内閣府の多重債務者対策本部有識者会議の委員を務める。政界、官界、財界での豊富な人脈をもとに、数々のスクープを連発している。
著書に『ブラックマネー』(新潮文庫)、『山口組マネー』(宝島社)、『投信バブルは崩壊する! 』(ベスト新書)、『下流喰い 消費者金融の実態』(ちくま新書)、『「階級格差」時代の資産防衛術』(イースト新書)などがある。

「2019年 『なぜカリスマ経営者は「犯罪者」にされたのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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