日本の呪術 (MdN新書)

著者 :
  • エムディエヌコーポレーション
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784295202134

感想・レビュー・書評

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  • 題名に“呪術”と在るからでもないが、何かに憑かれたかのように少し夢中で読み継ぎ、素早く読了に至った。
    他者を恨む、妬む、何かを成し遂げる上で邪魔な存在と見做すというようなことは何時の時代にも在って、そこから「呪う」という想いが生じていると考えられる。
    「呪い」というようなことを想ったにしても、それで実際に如何こうなるでもないということになっているのが現代だ。これに対して、「呪う」というようなことをしたとなると、重大な罪に問われてしまうような時代も在った。
    本書は、その「呪い」というようなモノが重大視されていたような時代、主に平安時代の様子を論じている。それが、なかなかに興味深いのだ。
    平安時代には陰陽師が在り、密教系の僧侶が在り、その他の人達も在ったようだが、「呪詛」や「修法」というような、敢えて総称するなら「祈祷」が広く行われていた。そしてそういう情況が人々の中に伝わっていて、説話文学や、誰かの綴った記録にも登場するのだ。
    その登場の様子は実に様々で、本書に非常に詳しい。が、驚くのはこういう「呪詛」が重大犯罪事件というような扱いになって伝わっている事例が在ることだ。そればかりではない。かの平将門の乱というような局面では、「呪詛」や「修法」が朝廷の命令で大規模に行われたとも観られ、討たれた平将門はそれらの効果で倒されたと広く信じられたようにも見受けられる。
    「呪い」というようなことを想ったにしても、それで実際に如何こうなるでもないということになっているのが現代の目線で「訳が解らない?」という様子かもしれない。が、平安時代の頃の人々の感覚、想いの中でその種のモノが重きを為したらしいことは、文字記録でも伝えられる「歴史」だ。その「歴史」として「呪術」というモノを知ってみるのも興味深い。
    こういうような「知られているような、知られていないような…」という知識を取上げるというような内容と出くわせたのは非常に善かった。御薦めしたい内容であった。

  • 妖怪とか幽霊とかUFOとかと同じように、式神もいたらいいな、っちゅーのは激しく同意
    いた方がおもろいもんね
    かわいいし
    希望的オカルト否定否定派に一票

    くしゃみが不吉とかいって花粉症の人どーしてたん

    菩薩(観音、地蔵)っちゅーのはまだ修行中の身で未完成の仏
    如来(釈迦、薬師、阿弥陀)っちゅーのは完成した仏

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著者プロフィール

1997年東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。2003年神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了、博士(歴史民俗資料学)。神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、同大学外国語学部非常勤講師。著書に『陰陽師』(中央公論社)、『平安貴族と陰陽師』『呪いの都 平安京』(以上、吉川弘文館)、『殴り合う貴族たち』『王朝貴族の悪だくみ』(以上、柏書房)、『天皇たちの孤独』(角川書店)などがある。

「2008年 『王朝貴族のおまじない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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