資本主義の先を予言した 史上最高の経済学者 シュンペーター

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296000760

作品紹介・あらすじ

新しいことができない、世代交代が起きない、無能な人が出世する……
閉塞感を感じているすべての人は、最高の経済学者「シュンペーター」を知ろう!

スティーブ・ジョブズは「iPhoneを作ったことがすごい」と言われがちです。でもそれは間違いです。本当にすごいのは「iPhoneを世界に広めたこと」です。
iPhoneに似たものは当時かなりありました。ジョブズの真骨頂は、「すでにある似たようなものを組み合わせ、それにより人々の生活を変えたこと」です。ただ製品を思いつくだけではなく、その先にいる人々――しかも世界中の人々――に「思わず使わせたくなる製品を作り、きちんと届ける販路を作り、もちろん原料の調達も可能にしたこと」ことがすごいのです。これは、シュンペーターのいう「イノベーション」理論を体現しています。

シュンペーターは「イノベーションの父」と呼ばれています。
今から約100年前、シュンペーターが29歳の時に、「イノベーション」という概念を初めて世に問うたことは知っていましたか。
シュンペーターの理論は、現代に働くみなさんが知っておいた方がいいことばかりです。
たとえば、シュンペーターは「アイディアなんてただのゴミ」だといいます。そんなものより、ジョブズのiPhoneのように「すでにあるものを組み合わせること」の方が大切だとしています。これは、松下幸之助の得意技でもあります。その方が大きなものが生み出せます。
ほかにも、「変革は外から起こるのはなく、内からしか起こらない」「景気の波は繰り返し起こる」「受け身な人間はただの快楽的な人間」「資本主義は終焉を迎える」など、さまざまな理論を残しています。

シュンペーターの理論は、常に前を向き、停滞している現状を破壊できる力があります。「優れた理論は、何にでも応用ができる」といいますが、まさにシュンペーターの理論はそれです。
 シュンペーターが特に経営者に人気があり、現代も生き生きしているのは、現代で、まさに「使える」理論だからです。ぜひ、経済学の基本とも言えるシュンペーター理論を知りましょう!

感想・レビュー・書評

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  • イノベーションという言葉の生みの親とも言えそうな
    シュンペーターについて知りたくてこの本を読んでみました。
    本家本元のシュンペーターの本はちょっと難しそう…と日和ったので、
    まずは読みやすそうなこっちの本から。

    シュンペーターの難しそうな理論に対して、
    著者が分かりやすく解説してくれている点では、
    この本に一定の価値があると言えます。
    一方、著者の思いや主観がふんだんに盛り込まれていて、
    それがこの本を面白くもしていることは認めますが、
    個人的には必要なかったかな、という印象。
    若干、両利きの経営に対して、
    誤解をしているようにも見えましたし(自分の歪曲理解?)。

    もし、シュンペーターの理論に付け加えることがあるとすれば、
    著者の華々しいキャリアの中で、シュンペーターの理論に基づいて、
    イノベーションを起こした事例をたくさん載せればよかったのに。
    ベストプラクティスが得意なマッキンゼーで
    イノベーションが起こる気配を感じませんでしたが(これも一種の歪曲理解?)、
    著者の解説からはあまり著者自身が
    イノベーションを起こした匂いは感じなかったです。。

    でも、シュンペーターについて理解するエントリーの書籍としては、
    とてもよい一冊だと思います。

  • 世界の経済界を代表する4人のうちの一人と言う。(あとはアダム・スミス、カール・マルクス、ジョン・メナード・ケインズ)これは知らなかった。
    29歳の時に「イノベーション」と言う概念を初めて世に問い、「イノベーションの父」と呼ばれる。

    彼は、アイデアはただのゴミで、それより既にあるものを組み合わせることこそ大切で、イノベーションこそが資本主義の本質だと言う。
    0→1ではなく、1→10そして100へとスケールすることが重要だと。

    彼は異端の学者だったが、彼の価値を再発見したのは、かのピーター・ドラッカー。

    シュンペーターの思想の最大の特徴は、時間軸を10~50年スパンでとることで経済を波動として捉えた。
    真のイノベーターは、外部で何の変化が無くても自らを変え外部に働きかけ、志を高く掲げ、あらゆる可能性を視野に入れ、実際に行動に移す。そして自らの思いを顧客にしっかりと伝えることが大切だ とした。

    この書を読んでも、私のような凡人にはイノベーションが生まれるとは全く思えないが、これから起業家(アントレプレナー)を目指す人にとっては、参考になるかもしれない。

  • 均衡・脱成長主義は現実から目を背けた快楽主義でリスクでしかない。今こそ立ち上がり、行動する人になろう。

    以下メモ


    ・資本主義の本質はイノベーションであり、イノベーションによって生産性・創造性を飛躍的に高め、利潤の再投資を促す。

    ・イノベーションとは内発的な活動であり、アントレプレナーは既存のものを組み合わせて筋の良い事業を創ることで創造的破壊を起こす。ただし0→1には価値がなく、真に重要なのはスケールと社内実装である。

    ・創造的破壊とは既存の秩序を破壊し、自社が保有する資産を取り出して組み換えること。(=新結合)
    新結合は、異と異の融合でしか生まれない。

    ・目指すべきはマーケットアウト。需要・市場を創り出す力。

  • 会社で信頼のおける上司からシュンペーターの紹介があったため購読を決意。ページ数は多いが分かりやすく内容展開しており、非常に読みやすかった。
    経済発展するためにはイノベーションが必須となり、そのためには既存の高いレベルの事業を組み合わせる新結合が重要となることが良く理解出来た。日本企業が縋りがちな両利きの経営に警鐘を鳴らすなど興味深い内容であった。

  • 本は厚く,内容は薄い。経営系の書籍はそれほど読んだことはないが,この本はほぼ精神論。シュンペーターをテーマとしているはずが,めっちゃ薄い理論のように見えてしまう。きっとシュンペーターはもっと理論的に論じているのではないか?

  • 2023年36冊目。満足度★★★☆☆

    著名な経済学者シュンペーターについて、大学教授が解説した本

    わかりやすく説明しようという意欲は伝わるが、著者の考えがあまりにも多く入り込んでいるため、読んでいて逆にスッキリしなかった。

  • イノベーションは0→1で終わることではなく1→10→100まで育ててこそ。

    イノベーションの考え方そしてこれから日本はどうしていかないといけないか、そして私はどう生きていくか改めて考えました。変にカッコをつけることのない素直なロジックと思いました。やはり「志」そして「新結合」「スケール」

  • シュンペーターって初めて知ったけど、著書を読んでみよえと思った。

  • シュンペーターのイノベーションについて分かりやすく丁寧に解説。重視すべきは新技術や新発明ではなく、既存の異なるものを組み合わせる新結合、それから新結合によるイノベーションをスケール、拡大させること。簡単なようで異なるものを組み合わせる従来にない視野や殻に閉じ籠らない探究心、実行力、さらにはスケールさせる訴求力や営業力等、高次元で実践し続けていくことが求められる。それがアントレプレナー。

  • 東2法経図・6F開架:331.72A/N59s//K

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著者プロフィール

一橋大学ビジネス・スクール(国際企業戦略科)客員教授
東京大学法学部卒、ハーバード・ビジネス・スクール修士(ベーカースカラー授与)。三菱商事の機械(東京、ニューヨーク)に約10年間勤務。マッキンゼーのディレクターとして、約20年間、コンサルティングに従事。自動車・製造業分野におけるアジア地域ヘッド、ハイテク・通信分野における日本支社ヘッドを歴任。2010年一橋大学ビジネス・スクール(国際企業戦略科)教授、20年より現職。

「2021年 『稲盛と永守 京都発カリスマ経営の本質』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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