冒険の書 AI時代のアンラーニング

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296000777

作品紹介・あらすじ

「私たちはなぜ勉強しなきゃいけないの?」
「好きなことだけしてちゃダメですか?」
「自分らしく生きるにはどうすればいいの?」
「世界を少しでも良くする方法は?」

数々の問いを胸に「冒険の書」を手にした「僕」は、時空を超えて偉人たちと出会う旅に出ます。
そこでわかった驚きの事実とは――

起業家・孫泰蔵が最先端AIにふれて抱いた80の問いから生まれる「そうか!なるほど」の連続。
読み終えたあと、いつしか迷いが晴れ、新しい自分と世界がはじまります。

「混迷する世界をつくった本当の課題とはなにか?」
「AIの未来に何をすればいいのか?どう生きるか? 」
「リスキリングってほんとうに必要なのか?」

誰もが迷う「問い」を胸のすく「発見」につなぐ本書は、どう生きるか悩むあなたに勇気と指針をくれるでしょう。

混迷する世界、AIの未来に必要な、新しい気づきが満載!
・無理やり詰めこむ知識も、仕方なくやる仕事も、AIに負ける
・才能や能力は迷信。AI時代にはまったく意味がなくなる
・学びにも仕事にも「遊び」を取り戻すことが大切
・イノベーションは論理的思考では生まれない
・大事なのは、学んだ知識や成功体験を捨てること
・自立とは、頼れる人を増やすこと

感想・レビュー・書評

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  • ソフトバンク孫さんの弟である孫泰蔵さんの教育本。
    過去の思想家の思想や考えを紐解きながら、
    これからのあるべき教育について考えています。

    そもそも何で今の教育システムになってんのか?という
    根本からスタートしているので、
    読み応えがありますし、
    歴史上の人物の考えについて素人でも理解できるように
    噛み砕いて話が進んでいくので、意外に読みやすいです。
    AIに人はその内、置き換わられるなどのホラーストーリーが
    色々なところで出ていますが、
    今一度、教育の本質に立ち戻って、
    あるべきを考えるのは有効なように思いました。

    受験受験といって頭がヒート―アップしている親御さんは、
    この本でも読んで少し頭を冷やした方が良いかもしれません。

  • ▼感想
    ・自分と子供たちの2つの側面において、これからの冒険と捉えて本書を読み進めました。

    ・<①自分>:現状において一定の満足感はあるが100%満たされていない気持ちがある。やらなければいけないという思い、義務的に「勉強」「仕事」をしている点がまだまだ振り幅があると思い満たされない理由か。やりたいと思う「学び」「働き」の範囲を拡大していきたいと感じました。「遊び」を大事にする!

    ・<②子どもたち>:やりなさいと、世間の良いとされているものを義務的に親から強制していないか。子どもたちの興味・好奇心を大切にして、自然と学べる習慣を身につける事を私たちがやりたいと感じました。親の眼鏡は世間のフィルタではなく子どもたちを良く見るために使う。


    ▼メモ
    ・子どもたちを今の社会に合わせられるようにするのではなくて、むしろ子どもたちが現状を変えていけるように、現状から解放されるような教育を行うべきだよ。

    ・大事なことは、失敗を「避けるべきマズいもの」と考えることをやめ、「成功するためにとても大事な学びのプロセス」と捉えること。それをさらに進めて、「失敗を楽しみ、愛でる」という境地まで行くことができれば人生はとても豊かなものなる。

    ・「学び」から「遊び」がなくなりつまらない「勉強」になった
    ・「働き」も「遊び」と分けられて、つまらない「仕事」になった

    ・子どもたちに学習させる前に身につけさせるべきものはなにか。それは習慣です。興味や好奇心を刺激することで、学習へと向かう姿勢や良い習慣を身につけさせることが大事なのです。学習する習慣こそが教育。

    ・良い習慣のもと、良い経験をつむことで健全な精神が育まれる。健全な体があってこそ、良い習慣が身につくのだ。

  • 最初は、教育学で出てきそうな(パノプティコンとか)内容を平易に焼き直したものか?とか、だから今の教育はダメなんだよーと言いたいだけなのか?とか、思いながら読んでいたけど。

    中盤以降、要所要所で、これからの学び方を考えていく上で、取り入れてみると面白いんじゃないかなーとイメージが湧いたりもした。
    終わってみたら、付箋が割と貼れて、良かった。

    「思考停止はかならず『手段の目的化』を生み出します。大学に行く理由は本来、自分が探究したい学問を研究するためであり、大学に入ることは単なる『手段』にすぎないにもかかわらず、今では『いい大学に入ること』そのものが勉強の目的になっています」

    「ここで僕が言いたいのは、結果論で物事や人を評価する社会は、自分たちの首をしめることになるということです。なぜなら、結果論で失敗をこきおろす社会では、人々はリスクをとって大胆な決断や行動をすることをためらうようになるからです」

    「アメリカで子どもたちによくかけられるフレーズに『Good try!』というものがあります。『残念ながら良い結果は出なかったけれど、思いきってトライしたこと自体に意味がある』とたたえ、そのプロセスをねぎらう言葉です」

    「Give honest,sincere appreciation.(誠実に、心をこめて、相手の良さを認める。)ーデール•カーネギー
    彼はこの『アプリシエーション』というキーワードを繰り返しつかっています。これは『ある人や物をきちんと理解する』という意味ですが、そこには相手の良いところを理解してほめるというあたたかいまなざしがあります」

    「人に伝えたいことがあるのだけれど、言葉ではうまく伝えられない。だから、その人にわかってもらおうと思ってなにか形のあるものをつくる。しかし、つくることによっていちばんわかるのは実は自分であり、そうして以前よりうまく相手に伝えられるようにする。また、つくってみると、たくさんの『わからない』が生まれる。わからないから、わかるためにつくる。このように、『つくる』ことと『わかる』は輪っかのようにつながっているのです」

    「どんな人だって、誰にも頼らずに生きていくことなんかできない。親だけに頼っている状態から、徐々に社会の中に頼れる相手を増やしていくこと。それこそが自立だと彼(熊谷晋一郎)は言うのです」

    「人間は『なにかをふんだんに持つと、自ら積極的に他人に分け与えたくなる』という本性を持っています。そのことは、子どもを見ているとわかります。」

  • なぜ勉強しなければいけないのか?
    いつの時代でも聞かれる問いだと思う。
    大人になってみると、学びはすごく楽しいものだと思うし、自分のやりたいことや興味のあることをとことんやればいいじやないかとも思う。
    でも、やらされる勉強はやりたくない。好きなことだけしていたいと子どもが本当に言い出したら、やっぱり止めてしまうかも。
    教育の場がそれぞれの興味を広げ、深めていくように変化していってくれたらいいなと思う。

  • たぶん、読者によってかなり異なった視点での発見や気付きがある本…な気がします。

    わたしは先生や教授など純粋な教育者の立場では無いですが、次世代育成などの視点でも得られるものはたくさんあったと感じています。

  • 不確かで誰にも予想ができない未来を見据えた、新しい教育に関する考え方について書かれた本。

    AI時代のライフハック的な本かと思ったけど全然違った。
    なぜ勉強しないといけないの?という古典的な問いに対して、学びや教育を書いた古典的な名著の考えを頼りに、社会的な背景による教育の違いや学ぶことの意味を掘り下げていくような内容だった。

    ChatGPTを始めとした自然言語処理による精巧なAIの出現により世の中の学びに対する見方が大きく変化しつつある。最終的にはほとんどの仕事が人工知能に取って代わられ、これまで信奉されてきた才能や能力という言葉すら意味がなくなってしまうかもしれないという未来が一気に近づいたように思う。

    役にたつ、役に立たないなどという区別は人間が恣意的に作り上げたもので、何が役に立つかや物事の意味が変わりつつある世の中では人間は好きなことだけをして生きていくべきであるが、それができない理由は現代社会が能力信仰やメリトクラシーといった価値観に染まっているからだと著者は指摘する。

    本書で指摘する、資本主義における能力主義的な常識や考え方からは逃れるのは難しいが、お金にはならないが自分が本当に好きだというものや行動を見つめ直して日常生活に習慣として取り込み、少しずつ満足がいくまで探求を続けることをライフワークとする生き方をしたいと感じた。

  • 【成功するかどうかわからないことに労力を使いたく無い】

    この本を読んでいてこんなエピソードを思い出した。

    アイスクリームを作ろうと声をかけたらほとんどの子が「見とく」と。
    生クリームと砂糖を入れたカンカンを氷水の中でカラカラ回すとなんだか感触が変わってきた。
    蓋を開けるとアイスクリームが出来上がっていた。
    「出来てる!」
    その言葉を聞いて子どもたちがこういった。
    「自分も作りたい」と。
    なぜこのタイミングでやりたいと言うのか不思議に思った私は聞いてみた。 
    「いいけどなんで初めからやらなかったん?」
    その答えがこれ。

    「成功するかどうかわからないことに労力を使いたく無い」

    この言葉は衝撃だった。
    出来るかどうかわからないからドキドキするのではないのか。
    出来るかどうかわからないから出来たらめちゃくちゃ嬉しいのじゃ無いのか。
    仮に出来なかったとしても工夫してできたらそれこそさっと出来たよりもっと嬉しか思うのでは無いのか。

    ただ彼らは悪く無い。
    「失敗を許さない社会」
    「結果だけを取り上げる社会」
    で生きるためにはきっとこれが最善だったんだと思う。

    そんなエピソードを思い出させてくれた一冊。

  • 感想
    ・AI時代への準備として必要な「アンラーニング(古い知識の解体)」と「探求(新しい価値観の構築)」を、わかりやすく説いています。
    ・遊びや対話を通じて、好奇心や柔軟性を育むことの重要性が伝わります。
    ・読者自身が考え、行動を促すような内容で、自分らしい生き方を見つけるための指針となるでしょう。
    紹介
    ・タイトル:冒険の書 AI時代のアンラーニング
    ・著者:孫泰蔵、あけたらしろめ
    ・出版社:日経BP
    ・発売日:2023年2月16日
    ・ページ数:224ページ
    ・形式:単行本

  • 何かの記事で気になって読んでみた本。著者は40代の連続起業家。「学びは楽しいはずなのに、どうして学校の勉強がつまらないのか」「人生はワクワクするはずなのに、どうして不安を感じながら生きないといけないか」の答えを探し、考えた過程を、若い人向けに記している。

    「画一的ではなく自由に学べるべきだ」というのは共感できるが、それを自ら実行して、生きていける人は多くないと思ってしまう。やってみれば、誰もができるようになるのか?だからこそ、ある程度はカリキュラムやルールを設けて学ぶ、ということが世界中で行われていると思う。それを土台にして、それぞれが、自らの学びを発展させていくのなら分かるが。というような話が序盤で続き、今のやり方を否定する記述に、かなりダメージを受けた。

    それでも、本来は学びは楽しいもので、それぞれが工夫しながら、自発的に進めていく、という点には賛同。また、現在のような学校で多くの生徒が同時に学ぶようになった歴史、産業革命によって、人も機械のように能力を測られ、それを伸ばすように、という観点が広く浸透した、という話は興味深い。

  • 私たちは、程度の差はあれど偏見や、差別的な態度をとってしまうものです。意識している場合もあれば、無意識の場合もあります。そんなバイアスを取り払った上で自分の人生を歩みだしてみませんか?という人生という冒険に誘い出してくれる本でした。
    アンコンシャスバイアスに気づかせてくれて、自分の人生の舵取りを他人に委ねるのではなく、自らの手に取り戻すのだ〜〜。
    読むべき古典的な書籍も紹介されています。それらの書籍も冒険の仲間に加えて、さぁ歩き出そう。

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