施策デザインのための機械学習入門〜データ分析技術のビジネス活用における正しい考え方

  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784297122249

作品紹介・あらすじ

予測に基づいた広告配信や商品推薦など、ビジネス施策の個別化や高性能化のために機械学習を利用することが一般的になってきています。その一方で、多くの機械学習エンジニアやデータサイエンティストが、手元のデータに対して良い精度を発揮する予測モデルを得たにもかかわらず、実際のビジネス現場では望ましい結果を得られないという厄介で不可解な現象に直面しています。実はこの問題は、機械学習の実践において本来必要なはずのステップを無視してしまうことに起因すると考えられます。機械学習を用いてビジネス施策をデザインする際に本来踏むべき手順を無視して予測精度の改善だけを追い求めると、「解くべき問題の誤設定」や「バイアス」といった落とし穴に気づかぬうちにハマってしまうのです。

この問題を解決するためには、機械学習のビジネス応用において必要となる前提条件を着実にクリアしなくてはなりません。しかし多くの現場では、「学習」や「予測精度」などに関する手法やテクニックのみに注目してしまう傾向があり、「機械学習にどのような問題を解かせるべきなのか」「実環境と観測データの間の乖離(バイアス)の問題にどのように対処すべきか」といった効果的なビジネス施策をデザインするために重要な観点が軽視されがちです。機械学習をビジネス施策に活かすための前提が整えられていないにもかかわらず、発展知識を身に付けたり論文の内容をそのまま実装したところで、望ましい結果を継続的に得ることは難しいのです。

本書では、ビジネス施策を自らの手で導くために必要な汎用的な考え方を身につけることを目指します。そのため本書ではまず、機械学習をビジネス現場で活用する際に本来踏まねばならないステップを明文化した汎用フレームワークを導入します。そしてその汎用フレームワークを活用しながら、効果的な施策を自らの手で導出する「施策デザイン」の流れを繰り返し体験します。これまで軽視されてきた「機械学習の威力を担保するために必要な前提のステップ」をフレームワークとして明文化し、データから施策を導くプロセスを自らデザインするという斬新なコンセプトで、ビジネスにおける変幻自在/臨機応変な機械学習の応用を可能にすることが、本書の最終目標です。

感想・レビュー・書評

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  • 施策を実施する際のフレームワークとバイアスへの対策、全体効果を考慮したKPI設定について書かれていた。
    その施策にどんなバイアスが含まれているのかによって最終的な効果の算出を工夫する必要があり、実際のケースを例にバイアスの取り除き方が説明されていた。
    また、施策による結果をそのまま捉えるのではなく施策による増加分を見ることで、より的確な(プラットフォーム全体の)施策の効果を測ることができるという説明がされていた。

  • 東2法経図・6F開架:007.1A/Sa25s//K

  • 「反実仮想機械学習」という分野が現在かなりホットです。しかし和書でそれらについて解説した書籍はあまりありません、反実仮想を意識して、特に推薦に焦点をおいた書籍です。

    「機械学習を使ってまで解くべき問題はあくまで意思決定の最適化問題であって、予測誤差の最小化問題を解くべきではありません」というのはそのとおりで、データサイエンティストが陥りがちな急所をよく突いているなと思いました。
    フレームワークについて言及されており

    1. KPI を設定する
    2. データの観測構造をモデル化する
    3. 解くべき問題を特定する
    4. 観測データのみを用いて問題を解く方法を考える
    5. 機械学習モデルを学習する
    6. 施策を導入する
    このフレームワークを実践することで「機械学習モデルを学習する」の部分がとても活きていくるということを述べられております。

    すべての章に通じて言えますが、具体的な図表が書かれているのでとても状況がわかりやすく、理解が促されます。

    数学的な議論はとても多く数式は省略せずきちんと説明されているため理解が促されました。特に随所に登場する「バイアス」を考慮するための考え方はとてもわかり易く解説されていると思いました。
    https://blacktanktop.hatenablog.com/entry/2021/08/09/112528

  • 重要な本だと思い読んだが
    この分野をほぼ業務で実施していないので評価できず
    評点略

  • 思想・精神性はすごく好きなのですが、自分のレベル感には合っていなかったように思います。広告アプリがメインで、自分のフィールドとの違いがあるとも感じました。ただ、また読み返したいと感じています。

  • 素晴らしい書籍でした。単純に機械学習を実施するのではなく、そもそもKPI設定や問題設定から機械学習に至るまでの整理方法や思考の流れを解説し、さらにいくつかの具体例を使って実践解説をする、実践的な書籍です。
    問題を数式で解説するため、なんとなく機械学習を使ってるだけの人には敷居が高いかもしれません。が、問題を自然言語ではなく定式化するのはやはり理解のブレがなくなるため、できるだけ学んでいきたいです。

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