量子コンピュータの衝撃

著者 :
  • 宝島社
3.22
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299003386

作品紹介・あらすじ

現在、ITの最先端は量子コンピュータです。そして、この量子コンピュータの開発に先んじたものが、世界の覇権を握ると言われています。そのすごさは、量子コンピュータの計算速度が、現在のスーパーコンピュータの15億倍であることです。この計算速度の速さは、暗号通貨の使用を不可能にし、軍事機密を丸裸にし、宇宙戦争でも勝利を収める基礎になります。現在、この量子コンピュータの開発をめぐって、米中がデジタル戦争に突入しています。本書では、量子コンピュータの基礎からデジタル戦争の現実までを、『「5G革命」の真実』の深田萌絵さんが、わかりやすく解説します。

感想・レビュー・書評

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  • 中国陰謀説のディストピア小説として読むとすごく面白かったです。
    奇しくもコロナ禍で露見した、中国の監視と言論統制によるデジタル全体主義。
    著者によると、量子コンピュータの実用化は、イコール全ての暗号を解読し、プライバシーを丸裸にし、自由が終わることを意味するのだそうです。
    電子マネーの使い方でスコアリングされ、行動が制限され、真実が削除され、果てはアカウントが凍結され個人がいなかった、ことにされてしまうディストピア。もはやホラーです。
    昨今のロシアによるフェイクニュースや、少し前にトランプ氏がTikTokを禁止すると言っていたこと、等々を鑑みると、この話をフィクションと言い切れないところがまた怖いところで…

  • 著者自身が文系向けと言っているように、理系の者には物足りない本でした。量子コンピュータの本というより、政治ゲームの話という感じで、そういう意味でならまあ楽しめる部分があるかも知れません。量子コンピュータを「デジタル技術」と称したり、理想社会を「ディストピア」とルビをうつ感覚が私にはよく理解できません。

  • 量子コンピュータの荒っぽい(専門家と称する人には誤りも指摘されている)説明は私のような素人向けとしては仕方がないかと思いつつ読み進めると、暗号通貨や量子コンピュータを活用した中国の野望の話へと向かいます。そして、中国が覇権を握った言論の自由など自由か無くなる世界を危惧し対抗策を提示します。青幇とファーウェイそして台湾の話など面白いけど、裏が取れていないフィクションが多々ありそうです。しかしながら、中国の覇権に向けての野望はノンフィクション(現実)ですね。

  • 量子コンピュータの説明は良いと思うが、
    中国に恨みがあるのか、何でもかんでも、中国のせいとするのはちょっと無理がある。

  • 第1章、第2章は量子コンピュータの話でしたが、それ以降は中国・台湾の陰謀論みたいな話に終始していてガッカリ…。割と途中までは面白かっただけに残念です。ひとまず技術者には絶対におススメ出来ないかな^^;。

  • さっぱり分からない分野である量子コンピュータを文系の方が解説して下さった本。
    ファイマン博士の先見性の凄さよ!
    2章の量子コンピュータの仕組みの0と1の揺らぎの例えが分かりやすかった。
    中国の人力パスワード解読を見るになりふり構わないところに国の強さを感じる。

  • 恥ずかしながら量子コンピュータという言葉はどこかでかすかに聞いたことはありましたが、それが普通のコンピュータと何が違っていて、将来の生活にどのように影響を及ぼすかを知りませんでした。

    この本は今年(令和4)7月頃に読んだ本ですが、レビューを書くのが遅くなってしまいました。レビューを書きながら本の内容を読み返していきたいと思います。

    以下は気になったポイントです。

    ・量子コンピュータで私たち人類は何を達成するのか、そして世界はどのように変貌を遂げるのか、世界の変化に置き去りにされないためには私たちはどういう心つもりをして、どういう技術を磨いておくべきかを楽しく、時には背筋も寒くなる話も交えて端的に解説する(p7)

    ・日本は憲法9条で手枷足枷な状態なので、サイバー空間では最強のコンピュータを持って、敵国がミサイルを打つ情報をいち早く解読して相手のシステムを乗っ取って、阻止しなければならない、日本での量子コンピュータに対する投資は、18年に100億円で始めて20年には300億円、中国では2019年には2015年に5年で1200億円に加えて、2019年に1兆円の投資を発表している(p32)

    ・絶対零度の超伝導技術による量子コンピュータは主流だが莫大な電気が必要、室温で使える光量子コンピュータは本命、されにシリコンフォトニクスコンピュータ(チップ内伝導路に光を利用)がある(p77)

    ・量子コンピュータの使い道は2つ、1)最適化問題のような総当たり計算をしないと解けない問題を力づくで解く、2)因数分解を応用して暗号解読を行う(p88)

    ・太陽光パネルは製造段階でパネルが発電する3−5年分の電力を消費することをメディアは隠している、そして寿命は20年である(p106)

    ・人民元は事実上はドル本位制通貨である、中国は貿易でドルを稼ぎ、それを米国債に替え、それを元に、人民元を発行するという特殊金融スキームを組んでいる。米国債を引き受ける理由は、米国に対して脅しがかけられるのと、米国債を裏付け資産にしてファンドでレバレッジをかけて企業買収の資金調達に使えるから。彼らは稼いだ金以上に使っている。レバレッジをかけているから可能である(p135)

    ・デジタル人民元が始まると、一帯一路のエリア対象60カ国、44億人が全面的に中国経済圏に変わり、アメリカでさえ対抗できなくなる。(p145)

    ・5G通信、人工知能、量子コンピュータを用いた監視社会の完成で、本当の「歴史の終わり」が始まろうとしている、全ての人の行動がリアルタイムで監視され、政治思想も記録に取られ、経済は暗号を解読できる一部の人間だけが握る、民主主義と自由主義は終焉するが中国共産党にとって平和と安定が無期限に維持できる(p157)

    2022年7月5日読了
    2022年10月10日作成

  •  悪書です。やたら文系であることのことわりがあり、根拠や出典を明示しない主張が多い。筆者の言う文系とは文学系のことであり、法学や経済学のような因果関係や論理を重視する学問は含んでいないようだ。文体も独特であり、キヤノンがキャノンなのは気になる。果たして筆者は週刊誌やタブロイド新聞以外のものを読んだことがあるのか、はなはだ疑問。
     「第二章量子コンピューターとは何か?」は一番知りたかった部分であったのに、だらだらと分かりづらくて読めたものではない。
     次回は技術者が一般人向けに書いた本を読もうと思う。

  • 図書館で借りた。思ってたのと違った

  • 量子コンピュータが社会に与えるインパクトは「まえがき」で分かった。
    だが、本編の内容のほとんどは量子コンピュータに関係ないし、著者の思い込みと思われる内容や陰謀論的な内容が多い。
    本編の技術的な説明の内容も、本当に正しいのか疑問のある内容がある。
    あまり信頼のできない一冊。

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著者プロフィール

ITビジネスアナリスト。Revatron株式会社代表取締役社長。早稲田大学政治経済学部卒。学生時代にファンドで財務分析のインターン、リサーチハウスの株式アナリスト、外資投資銀行勤務の後にリーマンショックで倒産危機に見舞われた企業の民事再生業務に携わった。現在はコンピュータ設計、チップ・ソリューション、AI高速処理設計を国内の大手企業に提供している。著書に『米中AI戦争の真実』(育鵬社)、『ソーシャルメディアと経済戦争』(扶桑社新書)、『量子コンピュータの衝撃』『メタバースがGAFA帝国の世界支配を破壊する!』(宝島社)などがある。

「2022年 『IT戦争の支配者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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