- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784299011657
作品紹介・あらすじ
32年の信頼と実績を誇る、新作ミステリーランキングブックです。巻頭は100巻目前「名探偵コナン」大特集! ミステリーの視点から見た「名探偵コナン」を徹底解析します。各業界人も注目する2020年の国内&海外のミステリー小説ランキング・ベスト20をはじめ、作家生活20周年を迎えた伊坂幸太郎特集、超人気作家による自身の新刊情報&特別エッセイなど、人気コンテンツも充実の一冊です。
感想・レビュー・書評
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『このミステリーがすごい!』編集部『このミステリーがすごい! 2021年版』宝島社。
年末恒例のミステリー・ランキング・ブックが今年も刊行された。
恒例のランキングの前に『名探偵コナン』の特集とか。ガキの読むマンガには興味が無いのだが。
珍しく国内編のベスト10に既読本が1作入っていた。海外編のベスト10は2作。ベスト20までならさらに3作増える。何故か興味が沸かずにこれまで読んだことはないアンソニー・ホロヴィッツが3連覇という快挙を達成らしい。
海外ミステリーの方は文庫を中心にまあまあ読み、面白い作品が多数あったのだが、ランキングは果たせず……
本体価格680円
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毎年恒例のミステリランキングブックの王道。例年通りにランキングと、1位作家へのインタビュー、書評家アンケートやミステリ作家の出版予定とエッセイの他、名探偵コナンと、伊坂幸太郎さんの特集が組まれています。
文庫派の自分にとってこのミスは、最近のきているミステリ作家や作品が文庫化されるときの予習として読んでいるのですが、今年のランキングは新鋭のミステリが面白そうに感じました。
4位の『法廷遊戯』の評判は知っていましたが、国内編2位の『透明人間は密室に潜む』、6位の『楽園とは探偵の不在なり』なんかもかなり面白そうに感じました。文庫化まで覚えておきたいところ。
1位の辻真先さんは名前だけ知っていたけど未読。辻さんは勝手に赤川次郎さんとか、森村誠一さんクラスのレジェンドだと思っていて、ランキングで評価される人じゃないと思っていたけど、全然そんなことなかった。インタビューでは作中の時代である戦時下の話もされていて、これも興味深く読めました。
辻さんが別名義で書かれていた『完全恋愛』は本格ミステリ大賞も獲っているので、そのうち読みたいと思っていたけど、これをきっかけに読んでみたい。新人賞受賞作から88歳のベテランの作品までもが、同じ土俵で評価されるって改めて、こうしたランキングものは面白いなと感じます。
それにしても、コナン特集の年に、コナンの脚本も書いている辻さんが一位って、やっぱりコナンは持っているのかしら。そんなコナンの脚本経験のある辻さんと、大倉崇裕さんの対談も面白い。ミステリ小説とアニメの違いによる苦労、コナンという看板の大きさゆえのプレッシャーなど、ミステリファン、コナンファンともに楽しめそうな内容だと思います。
コナン特集では原作の青山剛昌さんへのインタビューのほか、ジャンル別コナンエピソードのランキング(ここがカップル別とかではなく、密室編とか暗号編なのがこのミスらしい)、歴代劇場版のレビューなどが掲載されています。
コナンから離れて久しいのですが、特集読んでいるとえらいもので、タイトルだけでストーリーやトリックを思い出せるものは結構ありました。ピアノソナタ『月光』殺人事件、霧天狗殺人事件、探偵甲子園、そして人魚はいなくなった、ナイトバロン殺人事件、鳥取クモ屋敷の怪などなど。
個人的に『そして人魚はいなくなった』や『鳥取クモ屋敷の怪』が原作エピソードでは気に入っています。それぞれの作品のおどろおどろしい雰囲気と前者はどんでん返し、後者は不可思議な密室の鮮やかな謎解き、そしてそれぞれの事件のもの悲しいラストも忘れがたい。
コナンは完結したら黒の組織関連のエピソードはまとめて読みたい、と思っているのですが、インタビューでは次回以降の劇場版の話も少し触れていたので、完結はまだ先の雰囲気。コナンファンにとっては朗報だろうけど、個人的には少し複雑な気分だったりします。
劇場版のレビューも懐かしかった。ちなみに自分は14作目あたりまでは観ていたけど、4作目の『瞳の中の暗殺者』と5作目の『天国へのカウントダウン』がずっと双璧をなしてます(懐古廚まるだし……)
伊坂さんのインタビューは並々ならぬこのミスのこだわりが伺えます。伊坂さんクラスになると、デビュー直後はともかく、最近はランキングなんて気にせず書いてもよさそうなものなのに、今でもこのミスで1位になれるような作品を考えながら、書かれているというのは、読み手にとって、そしてこのミスファンとしてもうれしいところです。
ランキングの海外部門はホロヴィッツ強すぎる……。来年以降ホロヴィッツを抑え1位になる作品が現れるのか、気になるところ。そのホロヴィッツのコメントも良かった。
『まったく異なる文化を持ち、遠く離れた国に住むわれわれを、本が、物語が結びつけ、それによって同じ希望、同じ経験を分かちあうことができるのなら、この先どんな困難が待ち受けていようと、われわれはきっと乗りこえられるのではないでしょうか』
国も文化も違っても、作品でつながることができる。小説の素晴らしさを改めて感じます。今年こそは積読の『カササギ殺人事件』を読みたい……(読むとは言っていない)
今年話題だった『ザリガニの鳴くところ』は海外編2位とこのミスでも評判よさげで、ますます読んでみたくなりました。文庫待ちか、kindleのセール待ちか……
ミステリ作家さんたちのエッセイや隠し玉では、コロナの影響で出版計画が狂いに狂っている作家さんが多いのも感じられました。そんな中でも、好きな作家さんが旺盛に活動している様子なのはうれしい限り。
気になったところでいうと、芦沢央さんは今年の連載状況の話だと、かなり書き口の幅が広がりそうで今後の作風が楽しみ。『火のないところに煙は』が今年文庫化予定とのことで、こちらも要注目。
加納朋子さんは毎回体調が大丈夫か気にしてしまうのだけど、エッセイ読む限りでは大丈夫そうなのかなあ。ほんわかとしたエピソードが、加納さんらしいなあと、会ったこともないのに勝手に感じてしまう。
古処誠二さんも次作が楽しみなエッセイでした。戦地ものは読み手が少ないと、これまでは開き直って書いていたそうですが、最近では多くの人に読まれるようにと、キャラやストーリーを工夫し、結果今年は一冊ボツにしたそう。
古処さんの戦地ものはもちろんですが、『アンノウン』の自衛隊コンビのキャラも良かった記憶があるので、そっち路線もアリだと思うのだけど、果たしてどうなるか。
このミス読むたびに、ミステリーってやっぱりいいなあと感じます。今年も積読を消化しつつ、面白そうな作品にはアンテナを張っていかないと。 -
ミステリーを読み始めたばかりで掲載されている本はほとんど未読でしたが、来年中には少なくともトップ10は読みたいな。誰がどの作品を選んだか、コメントとともに興味深く見ました。人気作家の隠し球も来年の楽しみが増えてワクワクした。
コナンは…ほとんど見たことないからスルーしちゃった。。 -
今年もこの時期がやってきたのだなーと1年の終わりがいよいよ近いのを感じる。
自分が今年読んだ本がどれだけ入っているか。高評価だった本がランキングにあると同じ感性の人達が沢山いることで嬉しくなる。
そしてまた新しい本や作家さんたちとの出会いがあり、これからの読書の楽しみがさらに増えました。 -
新しい海外ミステリーに弱い(サイコさんが苦手なんだけど、海外ミステリーの犯人にサイコさんが多くて、長いこと離れてた。たまたまそういう作品に当たってただけかも)ので、参考に手に取った。
読みたい本が増えた。国内作品も。やばい。時間と体力が…;
コナンくん特集、かつストーリーメインだったので楽しい。
辻真先御大の対談&インタビュー記事が!!
伊坂幸太郎さんの記事も感慨深い。
他、こんなにたくさんの作家さんの声を一堂に読めるって、贅沢やな。 -
読みたい本がたくさん見つかった☆
海外作品をもっと取り上げて欲しいし、インタビュー等も増やして欲しい。 -
特集は『名探偵コナン』。漫画をちゃんと読んだことも、アニメ、映画をちゃんと観たこともないけれど、なかなかどうして面白そう。既読本は、国内編BEST10では3/10、BEST20では3/21、海外編BEST10では0/10、BEST20では0/20。未読の国内編上位3冊は気になる。