紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 118
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299013767

作品紹介・あらすじ

第18回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞、読書メーター「読みたい本ランキング」第1位(単行本部門 月間(2020年1月6日~2020年2月5日))の作品が、待望の文庫化!
どんな紙でも見分けられる男・渡部が営む紙鑑定事務所。ある日そこに「紙鑑定」を「神探偵」と勘違いした女性が、彼氏の浮気調査をしてほしいと訪ねてくる。
手がかりはプラモデルの写真一枚だけ。ダメ元で調査を始めた渡部は、伝説のプラモデル造形家・土生井(はぶい)と出会い、意外な真相にたどり着く。
さらに翌々日、行方不明の妹を捜す女性が、妹の部屋にあったジオラマを持って渡部を訪ねてくる。
土生井とともに調査を始めた渡部は、それが恐ろしい大量殺人計画を示唆していることを知り――。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの一気読み本!
    紙鑑定士×模型探偵というマニアックな推理モノ。登場人物たちのキャラクターも良く、テンポも良い。
    小さな事件に大きな事件、プライベートが垣間見えたり、と本編だけでなく色々な物語が顔を覗かせるのも良かった。

    真理子さん、素敵だったなぁ…。
    続編もあるとのことで、そちらも気になっている。

  • ライトなミステリーで、あっという間に読めた。
    紙鑑定士ってタイトルにあるから紙のお話かな?と思っていたけど、実際はジオラマ(ディオラマ?)がメインのお話だった。
    このジオラマや紙の蘊蓄がすごくて、なかなかに面白い。
    登場人物もきちんと描かれていて好感が持てるし、お話のテンポも良くてサクサク読めた。
    犯罪トリックの推理ではなく手がかりから謎解きをしていくタイプで、難しく考えずに読み進められる。

    主人公が紙鑑定士になった経緯とかも語られてないので、是非シリーズ化して欲しいな。

  • 紙鑑定士が主人公の本、そんな職業あるの!?
    って驚きからスタート。しかし依頼に持ち込まれるのは彼氏が浮気してるかどうか調べてほしい、手がかりは「ジオラマ」、人が行方不明になった、手がかりは「ジオラマ」と何故かジオラマを解読する依頼ばかり...

    (これ紙鑑定士にしなくてもよかったんじゃない?)

    と若干僕の心の中の雲行きは怪しかったのだけど、ちゃんとありました。紙鑑定士として光る場面が!よかったよかった。

    ジオラマを手がかりに推理を広げていくという発想、すごく面白かった。言うなれば箱庭療法とかにも通じるのかもしれない、人の意識せざる心理を表す...みたいな。

    母に借りた本だったけど良いチョイス。

  • それほど期待をしていませんでしたが、おもしろかった。

    紙や模型に関する細かい情報が楽しいと思える人と、細か過ぎて読むのが面倒という人で、本書の評価は分かれるかもしれません。

    あと、タイトルに「紙鑑定士〜」とありますが、もう一人の模型の人の方が、鋭い推理をするので、それが気になる人はやはり評価が低いかも。

  • 紙鑑定士が主人公なのだが、神探偵と間違われるところから始まる。Instagramでそのようにレビューしてる人がいて、この段階ですでに面白そうだったので急遽、図書館から借りてきたものだ。

    予想通り、面白かった。途中こじつけと思わなくもない箇所はあったが、登場人物のキャラの濃さで面白く読める。ところどころ相棒のような、頭脳と足の掛け合いがスピード感を生んでいた。頭脳が倒れた時はかなりショックだったのだが。
    後半は特にアヴェンタドールよろしくスピード感があり、一気に読めた。
    だいぶ終盤に噂の真理子が出てきてからは、真理子のキャラの虜だった。

  • 2020年このミス大賞作品。
    文庫化されたので、やっと読むことに。
    ミステリーでは珍しい「紙鑑定士」が主人公。
    「紙鑑定士」と言っても、主人公・渡部が名乗っているだけで、元は紙のメーカーに勤めており、独立して、小さな卸が渡部の仕事のメイン。
    そんな中、渡部の事務所に「渡辺探偵事務所」と間違えた依頼人がやってくる。
    その女性は同棲相手の模型を鑑定して欲しいと依頼する。
    仕事が欲しかった渡部は、その依頼を引き受けてしまうが、それが「伝説のモデラー」土生井との出会いになり、その後、大きな事件に巻き込まれることになる。
    タイトルは「紙鑑定士」になっているが、どちらかと言うと模型から謎を解いていくという新しいミステリーの形。
    土生井の存在は安楽椅子探偵で、渡部が現場に赴く。
    そこでは常に警察に疎まれ…何となく、べたな展開が繰り返されるが、どのように物語が展開するのか分からないので、ついついページが進み、一気読み。
    作品に漂う倦怠感のようなものが、力み過ぎず、ちょうどいい。
    続編が出そうな終わり方だったので、期待したい。

  • 主人公は紙鑑定士。紙にまつわる話かと思いきや、このお話はディオラマとその鑑定から浮かび上がる事件がテーマになっています。
    主人公は模型は門外漢なので、ディオラマの鑑定と事件の紐解きは外注です。紙の鑑定はすっかり余興扱いになっているところが悲しいですが、作中の主人公は生き生きとしているので、これでいいんでしょう。
    紙とか模型の蘊蓄が楽しいですが、その方面に興味がないとピンとこない話かも。

  • 祝文庫化

    第18回 『このミステリーがすごい!』大賞に歌田年氏 | J-CAST BOOKウォッチ(2019.10の記事)
    https://books.j-cast.com/topics/2019/10/01009928.html

    歌田 年さん | 新人ミステリー作家の発掘を目的としたコンテストで大賞に輝いた | 八王子 | タウンニュース(2019.11の記事)
    https://www.townnews.co.jp/0305/2019/11/07/505244.html

    紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人│宝島社の公式WEBサイト 宝島チャンネル
    https://tkj.jp/book/?cd=TD013767&path=&s1=

  • デビュー作とは思えないテンポの速さ。
    持ち込まれたプラモデルから事件解決につながる糸を見つけ踏み込む。一気に読める勢いがある。
    次作品にも期待!

  • すいすい読めて、大変面白かったです。紙のこと、模型のこと、全然詳しくもないし興味もないのだけど、劇中そらについて語られてもくどくなく、めんどくさくなって飛ばしや読みもさせない、ほどよいうんちく度は良かったともう。あと、個人的にこういう感じの推理ものはかなりすきですね。シリアスにならず、血なまぐさくならい語りかた。次回作も読んでみたいです。

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