がん消滅の罠 暗殺腫瘍

著者 :
  • 宝島社
3.55
  • (7)
  • (38)
  • (34)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 296
感想 : 38
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299018113

作品紹介・あらすじ

累計40万部突破&『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作『がん消滅の罠 完全寛解の謎』に続く、最新がん治療×医療本格ミステリー
生じるはずのないがん――人体で意図的に発生させられた、がん細胞の謎!

「代替医療の闇を斬る! 凶器は"がん"。現代医学版"必殺仕事人"の凄腕に惚れた」――大森望(翻訳家・書評家)

日本がんセンターの夏目医師と羽島博士は、大手保険会社勤務の森川からまたも奇妙な事例を聞く。住宅ローンのがん団信を利用した保険金詐欺を疑うものだった。
一方、埼玉県内では医師殺人事件が連続しており、夏目のもとに刑事が話を聞きにやって来る。
さらには脅迫を受けているという政治家が、「人間を人工的にがんにさせることができるのか」と訪ねてきて……。
人体という密室で起こす、前代未聞の犯罪計画の全貌とは? 背後には代替医療の闇が潜んでいた――。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 団信を申し込んでから希少な癌が発生して住宅ローン免除、その後癌が消えるという事例が続き保険会社の森川は友人のがんセンター勤務の夏目医師と羽島研究員に相談を持ちかける。3人が調査を続けていくうちにある政治家が要求を飲まなければ癌になるだろう、とう脅迫を受けたという話が夏目の元に舞い込んでくる。人為的に確実に他者を癌に出来るのか?そして同時期に発生していた連続医師不審死事件にも関わりがありそうな、いや初っ端から殺人犯している医師の存在が浮かび上がる。根拠を示して語られていくのでコントロール可能な癌の存在等が現代医療と絡めて語られると実現可能なんじゃ、と空恐ろしくなる。あと全編に渡って広がる代替医療の闇と読み応えは十分。ただミステリとしてはやや飛び道具なのと“次巻に続く”感のある展開が強引かなぁ。

  • 前の本を読み終わってからだいぶ経って読んだので、西条先生の事件の詳細を忘れてしまっていた。
    今回もガンを利用した詐欺事件からどんどん話が発展していくはなしでおもしろかった。

  • 続編です。夏目典明医師に西條研究室で准教授だった眞栄田邦正が会いに来た。代替医療で奥様を奪われた眞栄田がしようとしている事を止められるか。人口ガンをつくり、助かる命を救わなかった人に罰を与えた。この事で世間が騒ぎ変革が起きるかもしれないが。そして、西條先生が生きていると眞栄田から伝えられ、先生との闘いは終わっていないらしい。

  • 治せるガンを発症させて、保険金もらってから完治させる。
    知らないうちに意図的にガンにされる。完治させるには・・・

    このストーリーは他にはない!

  • これは今後シリーズ化していくのかなー。

    またもや保険会社の森川のところに不審なガン保険の保険金請求が。前回の「ガンが寛解する」話の上での話だから、他人のガン細胞を移植させてしまうのもできちゃうだろうという前提で読んでしまってる…。
    でもこの技術、読んでもあまり仕組みが分からなかったけど、倫理的なことは抜きにして、実際こういうことできるんだろうか。

  • 癌を人為的に発症させることはできるのか?またしても生命保険会社からそれをみると‥の発想、完全にハマりました。

  • 実際上はあり得ないオンパレードで、前作を踏襲する難解な専門用語の羅列。お話がちっとも頭に入らずただただ読むのに時間を要した。医療ミステリーは割と好きなジャンルではあるがこの作家さんは苦手かも。おなか一杯。

  • 「がん消滅の罠」シリーズの第二弾。
    前作を読み返してから臨みました。

    専門的な話しが多く少し理解が難しかったけど、その分現実的に起こり得そうというリアリティがありました。

    前作で残された謎や黒幕がもう少し明らかになるかと思いましたが、まだまだ引っ張る様子。
    次回作ではそこに踏み込んで欲しい。

    代替医療や現代の医療の問題など、メッセージ性が強く考えさせられるお話でした。

  • シリーズ二作目の医療ミステリ。またしても起こった不自然ながんの発生による保険金詐欺の疑惑。医師連続殺人。そしてがんを人工的に発生させるという脅迫。どれもこれもがありえないように思えることばかりなのですが、そのメカニズムが細やかにそして読みやすく説明されているので、なるほどこれはできないことはないのかも、などと思えてしまいます。技術は日々進化していて、それらは主に人を助けるための技術であるべきなのだけれど。悪用すれば……そういうことになるよね。
    現在の医療技術には限界があり、それを信用できない人が代替医療にすがってしまう気持ちは理解できなくもありません。代替医療のすべてに悪意があるわけではなく、それで多少なりとも救われる人もあるのかもしれませんが。悪用する輩がいるのも、その犠牲になる人がいるのも事実。こういう裁き方はもちろん良くないけれど、規制はするべき、というのは納得できます。
    しかし前作から引き続いて読むといろいろ驚かされますし。これはまだ続くのでしょうね。まだまだ闇は深いようです。

  • 末期宣告されたがん患者が寛解する謎の前作からの続編。
    保険に加入したばかりのがん患者が無色素性メラノーマと呼ばれる皮膚がんに相次いで罹患する。外科医の夏目は仲間と一緒にこの謎を解決していく。

    がんの仕組みであったりとか、保険の仕組みなどの解説を興味深く読ませて頂きました。正常な細胞が悪性の癌に変わるプロセスや、本作の趣旨となる代替医療の話など、私の知識不足もありますが、考えさせられる話でもありました。お話や謎解きとしては前作の流れの応用的な所かなと思います。
    知識的には分かったとしても、自分もいつかそのような立場に立たされた時に、冷静な判断ができる自信はありませんが。

    登場人物たちの狂った正義。命というものは最も高価な買い物だと思います。医療の世界に倫理こそが必要と思っても、お金で解決できるのは物ならと思ってしまうのが心情。お金があればですが。
    夏目医師には、ダークサイドに落ちることのないように、この先も患者に向き合ってもらいたいです。

全38件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1976年、埼玉県生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科修了。国立がん研究センター、放射線医学総合研究所で研究に従事。現在、医療系出版社に勤務。第15回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2017年に『がん消滅の罠 完全寛解の謎』でデビュー。他の著書に『時限感染』(以上、宝島社)、『テウトの創薬』(KADOKAWA)がある。

「2022年 『がん消滅の罠 暗殺腫瘍の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岩木一麻の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×