剣持麗子のワンナイト推理

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299028587

作品紹介・あらすじ

連続ドラマ化決定!『このミステリーがすごい!』大賞受賞作『元彼の遺言状』のヒロイン再び!
弁護士・剣持麗子は今夜も徹夜で謎解き――寝不足必至のミステリー短編集

亡くなった町弁のクライアントを引き継ぐことになってしまった剣持麗子。
都内の大手法律事務所で忙しく働くかたわら、業務の合間(主に深夜)に一般民事の相談にも乗る羽目になり……。
次々に舞い込む難題を、麗子は朝までに解決できるのか!?

法律相談に運動会(?)に、剣持麗子は今日も眠れない!

第一話 家守の理由
不動産屋の主人が何者かに殺害された。麗子は「武田信玄」と名乗る第一発見者の男に呼び出されるが、男は本名も住所も明かそうとせず……。

第二話 手練手管を使う者は
バーでホストの「信長」が殺された。状況からすると店で寝ていたという「光秀」が怪しいが、彼は無実を訴えて麗子に助けを求めてくる。

第三話 何を思うか胸のうち
事務所の先輩弁護士の急死。しかしその状況は一度倒れてから蘇り、その後再び亡くなったかのような奇妙なものだった。

第四話 お月様のいるところ
認知症を患っているらしいおばあさんを家まで送った麗子は、そこで男の首つり死体を発見する。しかもおばあさんは警察署から忽然と姿を消し……。

第五話 ピースのつなげかた
三隣亡の日に瓦の張替えを行ったA家の近隣で、不幸が相次いでいるという。法律でAさんを訴えられないかという相談に、麗子は頭を抱えるが――。

感想・レビュー・書評

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  • 事件がいくつか続き、麗子が解決したりしなかったりの連作?のような話。

    新しい登場人物が出てきて、この路線で続いて行ってくれそうな予感。

    何か麗子の印象が変わった感じがするストーリーです。いつの間にか人の頼みを断れない人になっている。でも前からそんな予感はあったかな。

  • 弁護士・剣持麗子が徹夜で謎解き!

    「元彼の遺言状」シリーズは発売されてすぐに読みましたが、短編集はなぜか遠ざけてた(*_*)

    久しぶりの剣持麗子さん。
    日中は法律事務所で仕事、深夜には事件で呼び出されて弁護人の弁護。
    剣持先生ちゃんと寝てください、寝不足すぎます。

    短編なので話が浅いし、登場人物の詳細もかなりナゾですが。笑
    まぁそれが短編集ですね。
    ミステリーなのかミステリーじゃないのか。。

    いいんです、最近よく分からない頭を使う本を読んだばっかりなので。
    これぐらいでいいんです。

    とりあえずは、剣持先生の寝不足報告って感じでした。笑

    といっても、新川帆立さんの本は読みやすくて楽しめます◎

  • 「元彼の遺言状」ドラマ化決定記念のスピンオフ的連作短編集、と思って読んだのだが、最後まで読むとどうもそれだけではなさそうなんだな…

    弁護士・剣持麗子シリーズをしばらく続けるつもりなのかな?
    少なくともこの短編集の続編は出るんだろうな。

    と思ってたら、来週放送のドラマ第3話でこの短編集の重要人物クロウシマスヤが登場。ほう。


    ちなみに深夜に謎解きするから「ワンナイト推理」なのだそうだ。確かに働き詰めの剣持麗子は、どの短編でも睡眠時間を削って謎解きをしている。

    お疲れさん。

  • というわけでシリーズの三はまたもや手を変え品を変えの連作短篇です

    これもなかなか面白かったです

    そしてなんか帆立っち(急に馴れ馴れしい)ものすごい成長曲線を描いてる気がするの私だけだろうか?
    次々課題をクリアして小説家レベルをガンガン上げてる勇者ですまるで
    小説家RPGをプレイする女、新川帆立、そんな感じ
    本格ミステリーも行けるんじゃないでしょうか

    そしてまだまだ世界が広がりそうな登場人物たちと終わり方

    ずっと追い続けたいシリーズになりましたよ

  • 短編集で読みやすいのだが、何かスッキリ感が無い。犯人や事件の経緯が風変わりな橘刑事と剣持弁護士の間で、一旦は解決したように見えて二転三転する。その原因は借金の形に取ったバイトの黒丑。
    彼の不審な行動で、次々と暗い陰を落として行く。
    最後も「これで終わりなの」と思ってしまった。次回作もあるということだろうか?

  • 帆立さん3冊目。紺色の表紙で、ピンクのスーツジャケットを羽織りながら
    「忙しいのよ!私」と言っているように見える。

    それにしてもペースが早い。今月末には、6冊目出版予定だ。

    今回は5話の連作短編で成っている。
    主人公は「元彼の遺言状」の剣持麗子だ。
    相変わらず、高飛車ぶりは健在!
    優しさは麗子の場合、本人の内側で醸し出しているようで、表向きは仕事顔。
    でも麗子にも彼がいる・・・・・!


    ワンナイト推理、というのは亡くなった
    村山弁護士事務所の業務を麗子は、プライドからか、それとも優しさが芽を出したのか、引き次いでしまった。だが、
    蓋を開けると民事、刑事と面倒な案件
    ばかりだった。

    ある時、警察から村山のガラケーに電話がある。麗子はガラケーなど預からなければ良かったと思う羽目になる。
    ホストの黒丑、というフルネームの変わった名前の男が、村山を呼んでいると
    言う。仕方なく代わりに麗子が出向くのだが「容疑者にされている」と言う。
    もう夜遅い。
    ここでワンナイト推理なのだ。

    この本に出てくる話は、すべて夜に起きている。そして、麗子は昼間従来の仕事
    をして、夜に村山の業務を行う。
    まったく!本を読む限りでは
    「麗子!寝ろ!ブッ倒れるゾ!」と言って
    やりたくなる。

    ホストの黒丑、こいつが後にどんな奴
    かが判る。考えると可哀想な奴かな?
    とも思ってしまう。

    帆立さん、すごいデスねぇ。
    ここまで読んだのだから、6冊目までは
    読もう、いや読んでやる!アハハハ

    2022、8、12 読了

  • 2024/02/09読了
    #新川帆立作品

    剣持麗子シリーズ短編集5話。
    元々テンポが良く読みやすい作家なので
    短編にすると軽さが増して
    物足りない感がすごく出る。
    面白いのは面白いけど。

  • いろんな細々とした事件が全て黒丑というホストに出会った時から始まっており、手数料詐欺?という隙間産業のような法律擦れ擦れで法律を犯さないという事件だった。最後は黒丑の背後にかある組織と、父親との確執という謎を残して気になる形で終わっていたが、内容はどれもよく出来ていて飽きなかった。

  •  『元彼の遺言状』シリーズ第三弾は、連作短編集で五話構成です。

     読む前の正直な気持ちは、ちょっとがっかりでした。長編で出版されると思っていたから…。でもこの作品を見つけて迷わず買ってしまった。

     主人公剣持麗子は敏腕高飛車弁護士のレッテル通り、この作品の中でも“私はお金にならない仕事はしない主義”なのと豪語する。

     デビュー作の『元彼の…』に登場した故村山弁護士の事務所を引き継ぐことになり、ただでさえ忙しいのに輪をかけて案件に忙殺され寝不足が続いている。

     短編集なので、あらすじは割愛させて頂きます。

    しかし、一話完結でないのは世に出るミステリ小説の常で、これもその類なのかと思っていた。
     ががが、然に非ず!びっくりした。おもしろい!

     次回作の出版を匂わせる余韻が残った。

     あなたはいったい誰!読書は楽しい。

  •  貧乏クジを引くことが多い剣持麗子が身に降りかかる事件を一夜にして解決に導く連作短編ライトミステリー。シリーズ3作目。
              ◇
     『元彼の遺言状』事件後、故村山弁護士関連の金にならない個人案件が次々と舞い込み、麗子はワーカホリック状態になっていた。

     ある夜のこと。警察から麗子に電話が入った。殺人事件の重要参考人が、弁護士として村山を指名していると言う。
     やむなく麗子が駆けつけてみると、参考人は売れないホストで、名を黒丑益也という21歳の若者だった。

     この事件を皮切りに奇妙な事件が次々と麗子に降りかかるのだが、そのすべてになぜか黒丑が微妙に関わっていた。全5話。

         * * * * *

     2話目から黒丑が麗子の助手としてバイトすることになったので、異色コンビによる超軽い謎解きミステリーかと思って読み進めました。

     確かに麗子はワンナイト推理で事件の謎解きをしていくのですが、どうもすっきりしない。
     助手であるはずの黒丑が麗子のそばにいず、事件に微妙な関わり方をしているからです。

     最終話で黒丑の正体がある程度は明かされますが、秘められた部分はまだまだあるようなエンディングで実に気になります。

     また、魅力的な登場人物が2人出てきたのもうれしいし気になるところです。

     1人目が新宿署警部補の橘五郎。コミック・リリーフとして登場するのだけれど、なかなか頭も切れる人物のようで、「捜査本部潰し」の異名 ( 自称? )はダテじゃない。
     2人目が弁護士仲間の三神愛。AI三神と呼ばれるしゃべり方をする女性で、感情がすぐ表に出る麗子とは対照的。アンドロイドを無理に微笑ませたような笑顔もご愛敬です。

     どちらもキャラが立っており、今後の登場シーンにも期待してしまいます。

     さすがにエンタメ作家の新川さん。本作自体が次作のプロローグになっているようです。
     役者も揃って、このあとに起こるエピソードを描いた『倒産続きの彼女』も含めシリーズを読む楽しみが増しました。

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著者プロフィール

一九九一年生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第十九回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、二〇二一年に『元彼の遺言状』でデビュー。他の著書に『剣持麗子のワンナイト推理』『競争の番人』『先祖探偵』『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』などがある。

「2023年 『帆立の詫び状 てんやわんや編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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