倒産続きの彼女 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 1917
感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299034397

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計100万部突破!
『このミステリーがすごい』大賞受賞作&連ドラ化『元彼の遺言状』続編
彼女が転職するたび、企業は必ず倒産する!?

「まさに新しい書き手の登場と言えるだろう」――篠田節子(作家)

※本書は、2021年刊行の単行本を文庫化したものです。

(あらすじ)
倒産の危機に瀕する老舗のアパレル会社・ゴーラム商会を救うため、
弁護士の美馬玉子は先輩の剣持麗子とともに「会社を倒産に導く女」と噂される経理課の女性の身辺調査を行うことになった。
ブランド品に身を包み、身の丈に合わない生活をしている彼女は、会社の金を横領しているのではないか。
ところが調査を進 めるさなか、ゴーラム商会の「首切り部屋」と呼ばれる小部屋で本物の死体が発見され……。

感想・レビュー・書評

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  • 剣持麗子シリーズ第2弾。
    就職先が次々と倒産していく女性の身辺調査を行う内に予想外の事件に巻き込まれていく社会派小説。
    今回は麗子の後輩・玉子を主人公にしたストーリー。倒産続きの彼女の謎を追う内に殺人事件に巻き込まれていくというパートと、玉子の生き方の葛藤のパートが2つの縦軸として纏まっている。謎解きパートである倒産続きの彼女の謎は「トラ」というイリーガルギリギリな組織が出てきて、そこの謎は持ち越しとという形になったのは、今後もこのシリーズが続いていくという事なのかなと思い、楽しみになりました。玉子のプライベートパートも、祖母の再婚によって自分の将来の幸せに対して葛藤していくというのがとても共感できました。祖母の介護からは解放されることと同時に自分の「幸せ」について考えていく。自分の思い通りに生きていこうとする玉子と他人の無責任な期待に揺れる描写がとてもリアルで良かったです。
    しっかりとまとまって、読みやすいので是非読んでみてください!

    最後にこの作品をアニメ化したときの声優陣を自分なりのキャスティングにしたので読むときの参考にしてください。
    美馬玉子:瀬戸麻沙美
    剣持麗子:早見沙織
    津々井先生:古川登志夫
    古川:古川慎
    美法:石神静香
    川村:黒田崇矢
    哀田:岩田光央
    近藤まりあ:花澤香菜
    只野愛子:戸松遥
    幸元社長:稲田徹
    幸元耕太:吉野裕行
    赤坂宗男:銀河万丈

  • 頭のいい人が書いた小説だなぁと思いました

    内容の話ではありません
    新川帆立さんが弁護士だからとかでもないです
    見せ方の話です

    法律の知識を巧みに活かしたミステリーに感心させられましたが、それ以上に感じたのは剣持麗子というキャラクターをとても大切に思っていて大事に育てて行こうしてるなってやことでした
    そして彼女を多角的に造形するために外からの視点で物語を構成したんじゃないかな、なんて思ったのです

    ただね、二作目でそれをやるのはちと早すぎないかね?帆立さん
    頭が良すぎて常人より早いスピードで物事が進んじゃう人なんかな?ってね

  • 元彼の遺言状の続編。といっても剣持麗子は脇役で後輩弁護士の美馬玉子が主人公。キャラは正反対で驚いた。読後感はあまりすっきりしない。動機が微妙で謎(組織)も残るからかな。

  • 倒産の危機に瀕する老舗のアパレルメーカーを救うため、弁護士の美馬 玉子は、先輩の剣持 麗子弁護士と共に、『会社を倒産に導く女』と噂される経理課の女性の身辺調査を始めることに。

    しかし、調査を始めた先で、不審な死体が発見されたことから、事態は急展開。

    次々に明らかとなる真実。
    怪しい人物もチラホラ。
    果たして、彼女達は、真実を明らかに出来るのか?

    本作は、『元彼の遺言状』の続編なんですね。
    知らずに読んでいました(笑)。

  • シリーズ2作目は企業を舞台としたミステリー。
    面白く読んだ。

    転職する度に倒産する企業…それは噂の経理課の女性が仕組んでいるのか⁈
    1作目の主役:才色兼備の剣持麗子とバディを組んだ、美馬玉子弁護士が主人公の本書。
    玉子はブリッこ、男性目線を常に意識し、媚びるキャラ…うーん、嫌い(¬_¬) と思っていたけど、物語の終盤には自分としっかり向き合える大好きキャラに♡

    会社という組織、事業が傾く要因、殺人事件⁈ と共に、女性弁護士の活躍も読みどころ

  • さらっと読めて面白い!剣持さんが適度に登場するのがいい。才能ある作家さんだなって思います。

  • 今回の主人公である玉子は、前作で活躍した剣持麗子ほどの特出した個性の持ち主ではなかった。若い頃は自身に似たタイプを主人公に求めていたけれど、最近は自分とは正反対のキャラに共鳴し憧れ、どうしたらそんなふうになれるのかという思いが強くなってきている。(たぶん自己肯定できていないから・・・この年齢で何とも愚かしい)。元彼の遺言状では、主人公の剣持麗子は正義の味方より報酬に重きをおく切れ者女性弁護士として描かれている。建前論より本音を吐く女主人公が痛快で小気味良かった。謎解きより、むしろ女主人公の魅力に引きずられて読み終えたのだ。
    今回の玉子さんは両親の自殺で苦学の末に弁護士資格を取り、おばあちゃんも看取った女主人公。最初は同僚である剣持を嫌っていたが、彼女の良さを見抜いていく。
    ミステリーとしてはやや無理と思える箇所が感じられた。只野が正規と非正規採用の不当な扱いを受けて亡くなった姉の死をきっかっけに、4会社を倒産に追い込み自ら命を絶ったのは頷けなかった。
    前作に盛り込まれた「ポトラッチ」は興味深く読んだが、本作の「醜いアヒルの子の定理」は、検索すればするほど解らなくなった。それぞれの違いは異なった種だけでなく同種の間にも存在していて、違いは大したことではないということなの?
    それは主人公の麗子と玉子にも云えることで、玉子が気にするほどの問題ではないということかなぁ~

  • 前作『元彼の遺言状』の主人公剣持麗子が突拍子もないキャラだったのに対し、今作の主人公美馬玉子は我々の周りにもいるのではと思わせる、親近感を抱かせるキャラ。
    同じ事務所なので剣持麗子ももちろん登場し、玉子とともに調査に当たる。
    会社の倒産を巡って殺人事件も起こるが、企業法務が主体でありストーリーに派手さは欠けるが、著者の弁護士資格が遺憾なく発揮され、評価は前作以上。
    次回作では、チョイ役で登場した法律オタクの美法が活躍するのだろうか。

  • 女性の描き方が上手いなぁ、と思う。
    感じワルイ子、なのに、嫌いになれないのは女性なら誰にでもそういう一面があるから。気づいたら応援してしまっている。

    次は誰が主役なのか、続編が楽しみ!

  • 序章からは想像できなかった物語の展開でした。
    人物や社会の描写からさまざまな視点で物事や感情を想像することができる物語りでした。
    元彼の遺言状をもう一度読んでみようかなと思いました。

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著者プロフィール

一九九一年生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第十九回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、二〇二一年に『元彼の遺言状』でデビュー。他の著書に『剣持麗子のワンナイト推理』『競争の番人』『先祖探偵』『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』などがある。

「2023年 『帆立の詫び状 てんやわんや編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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