名探偵じゃなくても (『このミス』大賞シリーズ)

  • 宝島社
3.69
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本棚登録 : 1874
感想 : 108
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299048776

作品紹介・あらすじ

クリスマス直前、居酒屋で〝サンタクロース消失事件〟について議論していた楓たちは、紳士然とした男性・我妻に声をかけられた。彼はかつて小学校の校長を務めていた楓の祖父の教え子だという――。〝連続自殺未遂事件〟や〝泣いている死体〟など、楓や我妻が持ち込む不可解な謎を、レビー小体型認知症の祖父が名探偵のごとく解決する。しかし、その症状は一進一退を繰り返しており……。

感想・レビュー・書評

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  • 認知症の祖父と孫娘の心温まる物語、優しいキャラクターとミステリー愛でいっぱい #名探偵じゃなくても

    ■きっと読みたくなるレビュー
    元刑事の認知症を患うおじいちゃんと、その孫娘である学校先生、楓が様々な事件や謎に取り組む連作短編集。前作『名探偵のままでいて』に続く第二弾。

    いやー、先生はミステリーや映画が大好きなんですね~。セリフや小道具、作中の引用作品やエピソードなどから、愛情がひしひしと伝わってきますよ。本作は、若い頃に夢中になった、名作を懐かしむこともテーマになってそうですね。

    そして例によってキャラクターが優しい人たちばっかり。何と言っても名探偵おじいちゃんが癒しキャラが満載なの。そして今回は四季と岩田先生も大活躍。四季と岩田先生のプロットなんかは、思いっきりベタな展開ではあるんですけど、それがいいじゃないですか。入り組んだ事件や醜い争いなんてなくてもいいよね。

    本シリーズはミステリーにはあって当然の残虐なシーンなどが、徹底的に排除されてる。不愉快にならないような配慮がされてるのが上手で、人の温かみを感じられるようになってます。

    また謎解きもしっかりとありますよ。おすすめはラストのエピソード、そういうことか…と、気が付いた瞬間から涙が溢れ出てきました。

    どんな方にも気軽に手に取ってもらえる作品。ライトな読み口だし、読み終わるとほっこりすること請け合いですので、ぜひシリーズ一作目から読んでみて下さい。

    ■ぜっさん推しポイント
    最近、涙を流すことが多くなりました… 年齢を重ねてきた皆さんは、なんとなく気持ちが分かるのではないでしょうか。

    いつの間にか親を離れつつある我が子を見ていると、時間経過の速さに驚きしかありませんね。未来世代の若者たちを応援しつつ、私もまだ元気なうちに、目いっぱい人生を楽しまなきゃと思いました。まずは妻と一緒に、もう一度新婚旅行の場所に行こうっと。

  • 「楓。煙草を一本くれないか。」

    そろそろ煙草を控えた方がよろしい安楽椅子探偵の碑文谷さんの物語『名探偵じゃなくても』は前作『名探偵のままでいて』の続編になります。ただ連作短編集の大筋にはクリスマスらしさを匂わせているので、冬の時期に読むのが良さそうですね。

    前作と同様の登場人物たちと日常の謎を名探偵が幻視の中で解いていく流れですが、おじいちゃんの容態を考えると本作で完結してあげて欲しいものです。

    前作『名探偵のままでいて』を未読の方は、本作を前に読了されることをオススメします。

    • ミケねこねこさん
      マメムさん こんにちは(^-^)

      今1番読みたい本です。
      この小説の世界観が好きで、またおじいちゃん会いたいです(*´꒳`*)
      マメムさん こんにちは(^-^)

      今1番読みたい本です。
      この小説の世界観が好きで、またおじいちゃん会いたいです(*´꒳`*)
      2024/01/12
    • マメムさん
      ミケねこねこさん、コメントありがとうございます。

      のほほんとしたおじいちゃんが謎解きをする世界観は穏やかで良いですよね♪ミケねこねこさんの...
      ミケねこねこさん、コメントありがとうございます。

      のほほんとしたおじいちゃんが謎解きをする世界観は穏やかで良いですよね♪ミケねこねこさんの感想を楽しみにしています^_^
      2024/01/12
  • 『名探偵のままでいて』の続編。

    今回もDLBの症状がありながらも祖父は名探偵のごとくいくつもの不可解な謎を解決する。

    楓を中心に岩田や四季たちの会話も楽しいが、新たに祖父の教え子だったという刑事の我妻も登場し、第三章の泣いていた男の話はとても深いものだった。
    ミステリーの話となると途端にいきいきと知性を取り戻す祖父の姿に幻視がDLBの進行を遅らせているのなら、いいことなのかもしれないのだが…。


  • 「名探偵のままでいて」の続編である本作。前回同様、認知症の祖父が、安楽椅子探偵となって日常のミステリーを解決するという設定ですが、今作は前作よりもマニアックになったような印象を受けました。

    物語の構成としては5編からなる連作短編集で、ストーリー展開は先述の通りの、安楽椅子探偵ものです。今回のシリーズでは、人の消失トリック、集団自殺、奇妙な死に方といった内容となっております。

    今回のシリーズでは映画監督のお話や「警察内警察」など、私にとって馴染みのない単語が多く、前作で感じた、馴染みのある設定のミステリー感がないので、前作の方が好きだったかなぁと。ただ、物語の進行とともに、主人公とその周りの人たちとの関係性も進展していることがわかったのは好みでした。

  • うーむ こってりミステリーラーメンを欲して食してみると、上質な薄味のラーメンだった感じ

    でもナイナイANNのヘビーリスナーとしてこれからも小西先生の本をありがたく購読させていただきます

    登場人物の厚みがでて恋の行方も気になる

  • 「このミステリーがすごい!」で大賞をとった「名探偵のままでいて」の続編。

    五つの短編で構成されていて、腑に落ちないトリックの短編もありましたが、続編ならではの展開もあり、楽しく読めました。

    最近読むミステリーに、トリックとしてマスクがよく使われるなぁと感じます。
    このトリックも5年、10年後に読むと、「どういうこと?」って思う読者も増えるのかなぁと、ふと思いました。

    読みながら、観たことはないのですが、ヒッチコックの作品を無性に観たくなりました。

    続編を期待しています。

  • 前回も思ったけれど
    映像として浮かんできた。
    読みやすく読後感も爽やか。
    ただ名探偵の祖父が
    認知症がひどくなったら悲しいと思った。
    いつまでも名探偵でいてほしい。

    ドラマになったら嬉しい。

  • おじいちゃんの認知症が、こちらの続編では少し進行していて切なくなった。
    でも、切れ味のある推理は健在。
    それにしても、犯人の九鬼が怖すぎる!
    リアルでもこういう判決になるのか、本文の内容よりもそちらが気になってしまうほど。
    この続きもまだあるのかな?

  • 前作同様とても良かったと思います。それぞれ異なる話しの短編集ではありますが、一貫して登場するキャラクター達がとても良いですね。今回から新キャラも追加となりさらに楽しめました。ミステリー作品としての良し悪しはさておき、とにかく、ほっこりするような緩めの感じの作品がたまに読みたくなるので、そんな気分の時にマッチする作品です。本格ミステリーをしっかり読みたいという時はちょっと違うかなといったところです。前作の感想でも書いたのですが、私の母も同様病で現在介護施設におりますが、幻覚というのかタイムトラベルというのか、、、現在入居している施設のことを、以前、母自身が長年勤めていたスーパーの名前でよく呼んでいます。休憩時間という言葉や、お休み貰うから店長に言わないと、とかも言います。終章すずちゃんの話しを読んだ時は、不思議と少し涙が出ました。
    楓と四季の恋の行方、岩田も捨てがたく応援したくなるし、我妻がどう絡んでくるか、続編また期待します!

  • 『名探偵のままでいて』の続編。

    表紙の淡いピンクのハーフコート、読みながら何度も見てしまいました。
    楓の周りの人たち、特に男性たち、素敵な人ばかり。

    この本が纏う雰囲気が穏やかでいいですね。
    と、窓の外の猛烈な強風を見ながら思いました。
    更なる続編が読みたい!

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著者プロフィール

香川県高松市出身。東京都在住。明治大学在学中より放送作家として活躍。2022年現在、 ラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』『徳光和夫 とくモリ! 歌謡サタデー』 『笑福亭鶴光のオールナイトニッポン.TV@J:COM』『明石家さんま オールニッポン お願い! リクエスト』や単独ライブ『南原清隆のつれづれ発表会』などのメイン構成を担当。

「2023年 『名探偵のままでいて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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