日本語はなぜ変化するか: 母語としての日本語の歴史

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  • 笠間書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305701848

作品紹介・あらすじ

日本人は日本語をどれほど巧みに使いこなしているか。ダイナミックに運用されてきた日本語を根源から説きおこし、日本語の進化の歴史をあきらかにする。

感想・レビュー・書評

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  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA39333209

  • 本人も書いているように一般書と学術書の中間みたいな感じ。述べられていること自体は平易なので、学術書に近いといっても読みにくいことはない。むしろそのへんの一般書より読みやすい。

    「言葉の乱れ」論者への歯に衣着せぬ批判が面白いなー。

  • p43~ 連体詞 大きな が生じた理由について

  • P36, 「安定していないのが言語の正常な状態である。」

    言語に正しいとか間違っているという価値基準だけで論じることがいかに言語(国語)学的におかしいかに容易に到達することができるだろう。

    学校の言語(国語、英語)の試験で、正解が一つしかないという強迫観念を植え付けられている人が多過ぎるのかもしれない。

    数学ですら、正解がいくつもある問題を作れることがテレビなどでも紹介されている。

    例えば,
    X ー Y = 1
    のXとYには、いろいろな組み合わせが可能だ。

    言語の問題は、分からないことが一つだという前提が成立することはほぼ不可能なので,解は山の様にあってよい。

    ちょうど、「すべての言語は美しい」という言明と同じように,
    もし「正しい」という概念を言語に導入したければ,
    「すべての言語は正しい」というのが解の一つかもしれない。

    「因習的な国語史から筆者を救いだしてくださったのは亀井孝,河野六郎の両先生である。」
    2人の著作も読んでみよう。

  • ゼミの先生に勧めていただき、読んでみた本。
    ただ単にことばの変化を記述するんじゃなくて、変化を促した(であろう)人々の思いにまで言及しているところが、すごく好き。
    昔の人たちに思いを馳せたくなる読後感。

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著者プロフィール

出生 1929年、東京。
筑波大学名誉教授。文学博士。

著書
日本声調史論考(風間書房・1971)
国語史学基礎論(笠間書院・1973:増訂版 1986:簡装版 2006)
いろはうた—日本語史へのいざない(中公新書 558・1979:講談社学術文庫・2009)
日本語の世界7〔日本語の音韻〕(中央公論社・1981)
仮名文の原理(笠間書院・1988)
やまとうた—古今和歌集の言語ゲーム(講談社・1994)
仮名文の構文原理(笠間書院・1997:増補版 2003:増補版新装版 2012)
日本語書記史原論(笠間書院・1998:補訂版 2000:新装版 2006)
日本語はなぜ変化するか—母語としての日本語の歴史(笠間書院・1999:新装版 2013)
古典和歌解読—和歌表現はどのように深化したか(笠間書院・2000:増補版 2012)
日本語の歴史—青信号はなぜアオなのか(笠間書院・2001:新装版 2013)
みそひと文字の抒情詩—古今和歌集の和歌表現を解きほぐす(笠間書院・2004:新装版 2012)
古典再入門—『土左日記』を入りぐちにして(笠間書院・2006)
丁寧に読む古典(笠間書院・2008)
伊勢物語の表現を掘り起こす—《あづまくだり》の起承転結(笠間書院・2010)
平安古筆を読み解く—散らし書きの再発見(二玄社・2011)
日本語を動的にとらえる—ことばは使い手が進化させる(笠間書院・2014)
土左日記を読みなおす—屈折した表現の理解のために(笠間書院・2018)

解説執筆
小川剛生(おがわ・たけお 慶應義塾大学文学部教授)

「2020年 『新版 徒然草抜書 表現解析の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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