樋口一葉と斎藤緑雨: 共振するふたつの世界

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  • 笠間書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305705549

作品紹介・あらすじ

「書く」という行為のなかから、二人は何を生み出そうとしたのか。

緑雨は、一葉日記中で質量ともに最も大きく扱われている時期があった--。
明治という時代に翻弄され、苦悩し格闘した一葉と緑雨。従来から指摘されてきた二人の関係をさらに深く検証し、一葉文学の源流と後代における継承を発掘するとともに、一葉との関係を起点にした新しい緑雨像を提示する。

明治の文学史に一つの書き換えを迫る意欲作。

【一葉と緑雨を、明治における立身出世、新しい恋愛、新しい西洋の学問・思想といった、近代化する時代の中に見るとき、この二人はよく似た面を持つ。どちらも没落士族であり、高い学歴もなく、一家を背負う家長であった。そして、ひどい借金に追いつめられ、結婚せずに生きた。この二人は、当時の他の作家たちと比べて、より苛酷な条件を背負って生きたといえる。一葉も緑雨も、深い疎外感を抱えながら、明治という時代とそれぞれに格闘しているのである。
 女性であるが故に一葉が味わわねばならなかった様々な苦悩に、最も深く共感し得たのは、あるいは緑雨という、男性社会から取り残され、同様の苦悩を抱いた一人の男性作家だったのかもしれない。】--本書より

著者プロフィール

1970年生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、甲南大学文学部准教授。日本近代文学専攻。論文に「晶子と寛、大逆事件の深き傷跡 〈新資料〉沖野岩三郎宛、晶子紀州旅行の礼状」(『日本近代文学』第77集 2007年)、「樋口一葉『うらむらさき』・『われから』--『カネ』と『モノ』と『女の欲望』 」(『近代文学試論』第47号 2009年)、「馬場孤蝶と与謝野寛、大正四年衆議院選挙立候補--大逆事件への文壇の抵抗--」(『近代文学試論』第48号 2010年)などがある。

「2011年 『樋口一葉と斎藤緑雨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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