親鸞の発見した日本: 仏教の究極

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  • 笠間書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305707895

作品紹介・あらすじ

親鸞に導かれて、古代の日本に逢いに行く。
人間は死んでも霊魂となり、神として永遠に生きつづける。
この日本人の霊魂不滅の人間観の本質を理解させるために出現された方便の仏が、親鸞が最後に説いた阿弥陀であった―。
親鸞の思想を通して日本仏教の本質をあきらかにする書。

数多くこの列島に伝来した異国の宗教のなかで、なぜ仏教だけが日本に定着できたのか。そして仏教各派のなかで、なぜ浄土真宗がこれだけ巨大になりえたのか。親鸞の思想に、その疑問を解くもっとも有力な手がかりがある。
親鸞の思想こそが当時の仏教・神道の諸派、思想家がこぞって追求した日本人固有の神信仰と渡来の仏の関係を考える神仏習合理論の究極の到達点だった。

【 親鸞は、ついに、すべての人が、死んだら形のない霊魂となって現世と神仏の国を往来するという、日本古来の伝統的霊魂観の存在にたどりつき、この信仰を日本人に気付かせるための方便の仏が阿弥陀だ、とまで思索を深めていったのである。
 そして、《救済》を説く親鸞とは対極の《悟り》の方法を解く道元までが、異なる方向に出発しながら、円環をえがいて最後は同じ地点、日本人の伝統的人間観に到達していたのである。】……「はじめに」より

感想・レビュー・書評

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  • 中学高校の歴史では書いてくれない話なので読むのは楽しいですね。

    親鸞の、流罪による地方布教の生活、女犯(妻帯、子持ち)で人間味のある生活を送り、行き着いた「日本の伝統的庶民信仰につきつめて考え、源信や法然の受け継いだ思想と融合・融和」の過程が丁寧に書かれています。

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著者プロフィール

1934年、新潟県新潟市に生まれる。新潟大学卒業、東京大学人文科学研究科博士課程修了、文学博士。学習院女子短期大学教授、学習院大学文学部教授を経て、現在学習院大学名誉教授。前国際浮世絵学会理事長。元日本近世文学会代表。大韓民国伝統文化研究院顧問。研究領域は近世文芸、浮世絵、比較民俗学、比較芸能史。

●主な著書に、『愛と死の伝承』、『近松世話物集(1)(2)』、『歌舞伎開花』(いずれも角川書店)、『元禄歌舞伎の研究』、『近世芸能史論』、『近松世話浄瑠璃の研究』、『親鸞の発見した日本─仏教の究極』(いずれも笠間書院)、 『忠臣蔵の世界』(大和書房)、『江戸その芸能と文学』、『近世の文学と信仰』、『心中─その詩と真実』、『出版事始─江戸の本』(いずれも毎日新聞社)、『日本王権神話と中国南方神話』(角川書店)、『大地女性太陽三語で解く日本人論』(勉誠出版)、『鶴屋南北』(山川出版社)、『日本の幽霊』(岩波新書)、『日本の祭りと芸能』、『北斎の謎を解く』(いずれも吉川弘文館)、『霊魂の文化誌』、『江戸文学の方法』(いずれも勉誠出版)、『安倍晴明伝説』(ちくま新書)、『日本人と遠近法』(ちくま新書)などがある。

「2017年 『能・狂言の誕生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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