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- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784305708366
作品紹介・あらすじ
戦争の引き起こす悲しみや苦悩は、世界で、どう語りつがれてきたのだろうか。
人間の歴史において戦争とは何であったのか。それを知るために、この国のいくさの物語を、世界の戦争文学のなかで捉え直す。わが国の人々が生み出した戦争文学から何がわかるか。
日本の軍記物語と西欧の叙事詩を中心に、戦いを題材とした世界のさまざまな作品との比較を試み、それぞれの独自性を明らかにすることで、『平家物語』ひいては日本自体を見つめていく視点を得る。
比較される世界の文学作品は、『ギルガメシュ』『イリアス』『オデュッセイア』ギリシア悲劇『歴史』『戦史(歴史)』『アナバシス』『アルゴナウティカ』『ガリア戦記』『アエネーイス』『内乱―パルサリア―』『狂えるオルランド』『エルサレム解放』『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』『ベーオウルフ』『アーサー王物語』『オシアン』『シャー・ナーメ(王書)』『ロランの歌』『イーゴリ遠征物語』『ブィリーナ』『エル・シードの歌』『ニーベルンゲンの歌』『三国志演義』『ウズ・ルジアダス』『カレワラ』『ゲセル・ハーン物語』『マナス』等。
【戦乱のあとに相次いで生まれたこの国のいくさの物語は、戦いのなかで味わわされた様々な苦悩をストレートに見つめ、普遍的なものに昇華させ、混じりけのない言葉で表現しようとしたものであったと知らされる。文学としての稀有な価値も、おそらくはそこにある。】…第五章より