対話の技法

著者 :
  • 笠間書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305709325

作品紹介・あらすじ

ソクラテスが様々な相手と語り合いながら思索を深める過程を書きとどめ、対話そのものの重要性を示したプラトンの名著『対話篇』。西洋哲学研究の第一人者である著者がその内容を踏まえ、現代社会のコミュニケーションに求められている「真の対話」のあり方を探ります。

そもそも「対話」とは何か?
ふだんの日常会話、一方的な説得や意見の押し付けと混同されがちなその定義の見直からスタートし、15回のテーマに分けてわかりやすく解説。
「対話の成功=相手を思い通りにすることではない」、「目の前にいない相手と対話する難しさ」など、言葉を通じたやり取りのシチュエーションが多様化するなかでこそ意識したい心がまえを提案しています。

SNSにおける交流といった最新の話題も取り入れ、哲学に詳しくない方でも読みやすい点が特徴です。
上手な話し方や相手を論破するテクニックのハウツーとはひと味違った、「人と人がわかり合うこと」の本質に迫る一冊。
新型コロナ禍による様々な変化のなかで、コミュニケーションに悩む方にとくにおすすめです。

【目 次】
はじめに
目次
第一部・対話を知っていますか?
●第一回 対話という言葉から考えよう
●第二回 対話でないもの
●第三回 対話をすすめる技法
●第四回 対話の強さと弱さ
●第五回 対話が目指すところ
第二部・危ない対話への勇気
●第六回 言論嫌いという病
●第七回 答えの得られない問い
●第八回 対話の衝撃を受けとめる
●第九回 言葉による誘惑
●第十回 対話する勇気
第三部・対話が広がる世界
●第十一回 対話の場の越境
●第十二回 対話の相手の拡大
●第十三回 不在者との対話
●第十四回 自分自身との対話
●第十五回 対話の実践
対話を知るために参考になる本
おわりに

感想・レビュー・書評

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  •  技法とはなっているけれど、技法より以前の定義的な・根本的なところから考えてみませんか?と問いかける本。なので、どちらかと言うと哲学系寄りです。
     哲学という切り口からってのが珍しいと思って手に取り、あれこれ考えながら年越さずに読了。対話というと改まった感じがどうしてもしてしまうけれど、その延長戦上にカウンセリングのやっている事があるんだろうなとは思った。カウンセリングは行動変容の促しを行うものもあるので、対話とは違ってくる。でもやり方や姿勢は似たようなものがあるし、そこから学べるものもあるような気がする。対話する自分はありのままの自分であり、職業や性別に拘らないとか。
     あとどうしても結論がないと意味がない、成果主義的なところが強く出されがちになるけれど、行ったコト自体に意味があるというのはいろんな人に知ってほしい。

  • 対話の具体的な技術を論じた本ではなく、実りある対話の哲学,-言語、そして自己と他者の関係という「対話の哲学」-を論じた本。といっても堅苦しさはまるでなく、意味は実に深い。

  • 対話=哲学
    交わされる言葉に対して、自分を開いておくこと。
    現在において形作られゆくものを言葉にすること。あるいは、場の経験を通して事後的に自己を、あるいは経験それ自体を言葉に落とし込んでゆくこと。
    そのために、ニュートラルな自分であろうとすること。
    といったところでしょうか。
    現代的な課題と関わらせながら、丁寧に対話というものを説明してくれます。
    かつてなく大量に言葉が飛び交っているのに(だから?)、ミソロゴス(言論嫌い)な現代人。でも、チャンスはあるみたいです。

    と、内容はよいのですが、日本語の表現にミスが多すぎます。校正が甘いのかな??

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/566864

  • うん、

    最初から順に読み込ませるタイプの本。




    そんなの。

    そんなふうには読まない。

    たぶん。



    ごめんね。


    ちゃんと本を読み込めない。


    じゃあなんで借りたの?
    って思われるかもしれないが。

    そりゃあ手に取ってみないとわからないから、だ。

  • 2022年5月・6月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00598641

  • 日々、否応なく、コミュニケーションの渦の中に巻き込まているが、どこまで「対話」できているのかと反省。
    ちょうど国政選挙の時期だった。ソクラテスは「煩いアブ」だったと言われるが、民主主義だからと言って「対話」があるわけではなく、好まれるわけではないようだ。

    1.「対話」が会話や会議、討論と異なる出来事ならば、その成立には限られた場面設定が必要。
    2.対話の目的は、単に答えや解決策を導き出すものではない。問いそのものが対話となりうる。
    3.すると、対話の相手やその方法はむしろ限定されることなく、究極的には「自分自身との対話」に行き着く。
    4.対話によって、不知への接近、自己の変容、裸の自分との遭遇。そしてまた新しい対話へ。その無限のいとなみ。

  • 哲学的な視点から[対話]を読み解く。[対話の作法]とも受け取れる本だった。序盤の哲学的な話は少しだけ難しかったが、ひとつひとつの言葉を掘り下げ定義付けて考察していくスタイルが理屈っぽくて自分にはとても合っていた。後半に進むにつれ「対話ってそれだけじゃないよなあ」と思いながら読んでいたのだが、その辺りの疑問も回収してあってとてもスッキリした後味だった

  • 104-N
    小論文・進路コーナー

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著者プロフィール

納富 信留(のうとみ・のぶる):1965年生まれ。東京大学大学院教授。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。ケンブリッジ大学大学院古典学部博士号取得。専門は西洋古代哲学。著書『ギリシア哲学史』(筑摩書房)、『ソフィストとは誰か?』『哲学の誕生――ソクラテスとは何者か』『新版 プラトン 理想国の現在』(以上、ちくま学芸文庫)、『プラトンとの哲学――対話篇をよむ』(岩波新書)、『世界哲学史』全8巻+別巻(共編著、ちくま新書)など。

「2024年 『世界哲学のすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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