写真的建築論

著者 :
  • 鹿島出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784306045071

感想・レビュー・書評

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  • 質感や空気感、熱などは写真で収められないことを改めて気付かされた。

  • 写真で切り取る、建築物。

    建築雑誌に連載している随筆の中間山場をまとめた一冊。
    国内外に出向き、有名無名の建築物を撮影し、それにまつわるコメントを寄せている。
    建築よりは写真よりの立場に思えるが、素直に美しいものを美しいまま写し取ろう、という考えの下に行動しているようだ。
    肉眼と写真は時々不思議なくらい乖離する。
    景色に感動し、その場でデジタルカメラに収めてもプレビューで差異に驚かされる。
    その経験をもって読めば、おそらくここで見ている写真も現場で見ると違う印象を与えるのだと思う。
    けれど、こだわりを持って激選した写真は迫力があるし、実際に訪れてみたいと思わせるものもある。

    前置きが長くなってしまったが、中でも印象的だったのは泰明小学校とバルセロナ・パビリオン。
    泰明小学校は蔦に覆われた外観を持つ、銀座で現在も使用されている小学校だ。都心にこのような建築が延々と使われ続けてきた事に驚き、嬉しい。この小学校に通える児童を羨ましく思える。
    バルセロナ・パビリオンは本書の中でも異色かもしれない。割とディテールにこだわった重厚な前時代的建築が多い中で、ミース作のモダンな佇まいがいい。ミース作というだけあって細部には拘りを持っているんだろう。だから単純な奇抜さが目立つ現代建築とは違って惹かれるのかも。

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