- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784306070899
感想・レビュー・書評
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街路こそが人びとの都市生活を豊かにし、文化を生み出す母体になる場所だという確信を持って書かれた本。世界中の街路の事例が、豊富な写真とともに紹介されている。
空間的な要因の分析だけでなく、その場で行われている行為や集まっている人の特性、政策や都市の管理のあり方といった点を含めて論じている点は、非常に先駆的だったのではないかと感じるし、その議論は現時点でも有益だと思う。
街路は、その周囲の建築と一体となって初めて機能するという筆者の指摘は、建築と土木に分断された街路の現状に対して非常に根本的な問題を投げかけていると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメリカをメッタ切りする話。街路、ということばは取っ付きやすくて。
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『数学的思考の技術』での参考文献。
ルドルフスキー氏は、ニューヨーク、イタリア、日本などに在住し、街路を自動車に占領されているニューヨークを悪い例に、イタリア、日本などの街路をよい例として、紹介している。
数々の絵や写真がちりばめられていて、ぱらぱらめくっていても楽しい本。
①どこの国の国民も自分にふさわしい都市をもつものだという事実が残る。(p339)
日本では、にぎわいのある路地をつぶして、自動車が占領する街路を造ってこなかったか、貴重な財産をくいつぶしてこなかったか、都市計画を担当する者として反省が残る。
②彼らは(アメリカ人)は、よその国で楽しむこうした休息(路上のカフェ)のひと時を好まない。彼らにとっては、自動販売機の傍らでコーヒー休みを取る方が性に合っているのだ。(p306)
街路を魅力ある空間にする試みとして、路上のカフェにする社会実験することがはやっているが、その計画をしている人間は、日頃、仕事中、たってコーヒーを飲んでいないか、反省する。
③今日、日本人ほど街路のデコレーションが好きな国民もいないだろう。毎日のようにどこかで必ずまつりがあり、街路の変装が要求され、あるいは少なくとも祭日気分をだすことが要求されている。(p221)
最近、近所でも、盆踊りとかお祭りが、復活してきているのはすばらしいと思う。
自動車交通のために街路の幅員をとったり、線形を直したりするのは、やめた方がいいと思う。幹線道路は別にして、区画道路は今のままのいりくんでいて、自動車が入りにくく、かえって近所の立ち話ができる空間であるべき。 -
都市は人間のもの。