- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309008288
感想・レビュー・書評
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「生きてゆく理由は問わない約束の少年少女が光る湘南」「何故僕があなたばっかり好きなのか今ならわかる生きたいからだ」 鮮やかなイメージで"新しい詩歌"の可能性を切り拓く、早坂類の第一歌集。同時代の女性歌集シリーズ。
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1993年に出された歌集である。ほぼ二十年前ということだ。歌は古びないなぁ。いまここにあることが詠まれているような親しい気持ちで行間に自分を見つけてしまう感じ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「こんなのもアリなんだ!?短歌っていいじゃん!」と、思わせてくれのがこの早坂類だった。
小っちゃな頃の夏休みに従姉のお姉ちゃんに遊んでもらった時のことを思い出しているような気持ちになる。 -
再読。
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今では入手困難度AAAな希書。
歌人の早坂類さんの処女歌集です。
みずみずしい感性、という生半可な言葉では顕わしきれないほどに生々しい、触れたら血がしたたるような言葉の花束。
いろいろ受け止め方はあると思いますが、個人的には生きて行くのが辛く感じたときに助けられました。生きていたいと思わなくてもいいんだ、と安心したというか。
早坂さん本人は、あとがきでこう述べています。
「きれいに並んだチューリップ畑のお行儀の良い一輪にはなれそうにないから(でも、そうなれるのならほんとうはなりたいのだけれど)、授業をエスケイプして屋上で空ばかり見ていた十七歳の自分そのまんま、砂丘の先にいるはずのあの誰かにあてて、短歌や詩を性懲りもなく書き続けるのではないかと思います。」
歌集に収められた短歌の中で、私がいちばん好きな歌はこれです。
「カーテンのすき間から射す光線を 手紙かと思って拾おうとした」