- Amazon.co.jp ・本 (135ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309014012
感想・レビュー・書評
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<font size="3">ピアノは“ある”というそれだけで狂っていくのだ。<br>
ピアノがあるだけで自分の重さで駄目になっていくのならば、そのときのあたしはまさにその通りだった。<br>
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<b>“もの”はあるだけで狂っていく</b>―――“もの”とはそういうものだ。常に誰かの手によってなおされることを待っている。
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再読
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再読。
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小説なのに言葉がいらない程美しいと言いたくなる文書と、物語。
失っていく約束が美しいと教えてくれる。 -
再読。
昔読んだときは「篠原作品の中では普通」と思っていましたが
今、読んだら吐きそうになるくらい感情移入してしまった。
叔父も、叔父をなぞることでしか生きられなかったおじさんも、どうしようもなかった。心を傾けた誰かがいても。安らぎにはなっても、変われる何かではなかったのだろう。
タイトルは願いそのもの。切ない。 -
姉のところへきた目が不自由な調律師のうつくしい指に惹かれたソラは、次第にそのおじさんと親密になっていく。ソラの中にある暗闇はおじさんの部屋にいるときだけ遠ざかった。
おじさんの部屋には亡霊のようにおじさんの叔父さんの気配が息づいていて、それが彼を構築している。
しかしいつまでもそんな生活が続くはずはなかった。
叔父さんからおじさん。おじさんからあたしにバトンタッチされていく暗闇は、いつか晴れるんだろうか。最後にあの選択をしたおじさんは残酷だ。おじさんにとって結局ソラはなんだったんだろう。
文体は好きだったけど、つくりがどうしてもすんなり入ってこなくて、読後感もなんだかモヤってしまう。 -
ボタンを掛けるシーンが印象的。
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題名も著者名も忘れてしまって。表紙の絵だけ覚えてて。
やっと見つけることが出来ました。 -
高校生の時。夏休み。図書館で、題名と装丁に惹かれた。
狂っていく美しさ。