愛の山田うどん ---廻ってくれ、俺の頭上で!!

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309021478

感想・レビュー・書評

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  • 甘酸っぱい山田へのラブレターであり、熱の入った山田論でもある。
    部活帰りの高校生を、予備校帰りの浪人生を、何万キロと走る運ちゃんの、ぺこぺこのお腹をヤマダは満たしてくれる。それでいいじゃないか、それだけでいいんだ。

  • 正直言って都民には縁の薄いうどんチェーン店「山田うどん」である。

    実は本書も直前に新聞で「石巻の青年が自力復興のためにうどん打ちを埼玉の名店で学び石巻で活躍している」との記事があったので、ひょっとしてその話かと勘違いして手にしたものだ。もっとも書店で手にした瞬間にその間違いに気が付いたが、まあ西荻住民である北尾トロの本だし買っても良いかと思ったものでそれ以上の期待は無かった。

    強いて言えば久住昌之『小説中華そば「江ぐち」』のような本というと判るだろうか?判らないよな。つまり自分の好きな店の店構え、メニュー、そこで働く人、世間の評判などを勝手に頭の中で妄想し、そして応援しようという屈折した愛情表現とも言える。

    江口は飽くまでも三鷹にある小さなラーメン屋で店員もわずかに三人なのでその店員の背景を勝手に妄想して物語を作るということが出来たわけだが、今回の山田うどんは飽くまでもチェーン店であり、個別の店への思い入れは感じられない。という事で妄想度という観点では名著「江ぐち」よりは断然低いのだが、とにかく埼玉を中心に北関東でチェーン店展開する山田うどんへの偏愛・妄想・取材エッセイの集成作だ。

    そもそも、えのきどいちろうと北尾トロがある日唐突に青春時代にお世話になったこの山田うどんのことを思い出し、ネットで調べると「山田うどん まずい」というのが検索のトップに来たことから山田うどんを応援しなければ行けない、と思い立ち勝手に自分のラジオ番組や雑誌の中で山田うどん偏愛を表明したのがきっかけで遂には同好の士を多数巻き込み本書の出版まで漕ぎ着けたというものだ。

    個人的な妄想と思っていたら実は日テレでやっていた「秘密のケンミンショー」の埼玉特集でそのソウルフードとして紹介され、更に青年・サラリーマン・親父たちの食欲を満たすことが第一主義としてその圧倒的な量の多さを評して「カロリーのK点超え」など紹介されていたらしい。

    読後、三鷹の江ぐちには行きたくなったが山田うどんはちょっと足が向かないのはやはり埼玉だからだろうか?

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著者プロフィール

本名、伊藤秀樹。1958年、福岡市生まれ。
小学生の頃は父の仕事の都合で九州各地を転々。東京都立日野高校、法政大学卒。 個人事務所(株)ランブリン代表。NPO法人西荻コム理事長。西荻ブックマークスタッフ。季刊ノンフィクション雑誌「レポ」編集・発行人。

「2011年 『【電子書籍版】昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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