九度山秘録: 信玄、昌幸、そして稚児

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309024189

感想・レビュー・書評

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  • 武田信玄公×真田昌幸(少年時代)、真田昌幸(老年期)×稚児という2種類のカップリングが楽しめて非常に萌えました。さりげなく武田勝頼様×昌幸というありそうでなかった組み合わせも描写されていて美味しかったです。父親をとられたのが余程悔しいのか、大人気なく稚児をいじめて泣かす信繁が最高で、終盤のツンデレ化も含めて愛おしいです。
    男性同性愛描写は隠喩的で割とさっぱりしています。残酷描写はまあ時代が時代なのでそれなりです。

  • 九度山に蟄居中の真田昌幸の稚児となった少年、千手。
    かつて武田信玄の奥近習衆として、寵愛を受けた昌幸の回想と共に展開する物語。
    “稚児”という事で、その手の話です・・・。好き嫌いわかれるかもしれないですね。
    因みに、千手の元服後の名前が、「そうきたか。」という感じでした。

  •  家康の治世に、九度山に流刑となった真田昌幸とその稚児千手主軸とした話。昌幸もかつては信玄の稚児であり……うん、まぁ衆道というか、男の道っていうか、男性が成人に至るまでの通過儀礼であり、少年の一瞬で消える美しさへの愛である。BLじゃないし、ゲイでもないし、バイかと言われても悩む。性的嗜好とはまたことなる何かにも見えるが、さてどうなんだろ。
      千手をかわいらしくて魅力的なのか、御しやすい駒と感じるかで、印象が変わる気がする。個人的には、昌幸の稚児時代は危うい美しさだし、そこから年を重ねて老年に至る昌幸は魅力的だと思うけれど、それに比べると千手は書割っぽいなぁという印象。単純に昌幸が好みすぎるのかもしれない。

  • 「君」とか「僕」とか気になりますが、全体としてはとても良かった。少々気障にも思える文体はドライで、新しい戦国モノといった風情があります。
    しかし真田はどうしてこんなにカッコいいんだろ。大坂の陣の描写は決して長くないのですがいちいち心に沁みます。男同士の愛情や友情を丁寧に描いてきてのクライマックスだからでしょうか。
    脳内で映像化されていくのがとても楽しかったです。

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著者プロフィール

宮崎県出身。九州大学卒業。九州奥地の谷間の村で、神話と民話、怪談を子守歌に育つ。小説教室『玄月の窟』での二年の修行の後、『劉邦の宦官』でデビュー。

「2015年 『九度山秘録 信玄、昌幸、そして稚児』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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