- Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309025094
感想・レビュー・書評
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「みんな同じなのよ。特別じゃなくていいの。それを感じることができればあなたは自由になれる。」(157ページ)
怒りと失望で、己の価値を見失った主人公。
人と自分に真剣に向き合うことで、
前進しようと足掻く物語り。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2冊目の谷川直子さん。
人が「治る」ってこういうことなんだなぁと。
世界が外に開く瞬間みたいなものが丁寧に描かれている。
この人の書く文章はなんだか独特。
何が独特なのかわからないけど。
なんだろうぁ、この感覚。 -
もしかしたら、読んだことあるかもしれないなーって思いながら最後まで読んだ。
ハッピーエンドである。
まあ、良かったね。
誰も死なない誰も死んでない小説はつまらないな。
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劣等感と戦ってた私にとってベストタイミングで出会えた本。
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議員の夫のために生きてきたのに、離婚することになって裏切られた気持ちの元妻、ジストニアという病でピアノが弾けなくなった天才ピアニスト。ともにうつ病と診断され、苦しい日々の中に答えを見つけようともがいている。自分がカウンセリングを受けているような気持ちになりながら、答えは自分の中にあるんだと改めて感じた。
終盤の母子の登場から物語が一気に加速して、とても温かい気持ちで読み終えた。 -
ジャケ買いだったし
どうしても読みたいわけでもなかった。
でも読み始めたら最後まで読み終えるのに
時間はかからなかった。
心の中のもやもやは
病名がつく、つかないに関係なく
いつも自分を支配し続ける。
傷を舐めあいたいわけじゃない。
知った気になんかなってほしくない。
誰かのしあわせを願う気持ちの
なんと尊いことか。
自分以外の誰かのための時間。祈り。
生きようとするとき、そのエネルギーの源は
『誰かへの想い』なのかもしれない。 -
丁寧に書かれたレポートを読んでいるっていう印象。
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同じ病の苦しみを持った二人のお話なんだけど、とても静かな、色でいうと水色の時間がずっと流れていた。
まゆこのアラベスクの曲のイメージだからかな。
読みながら、頭にアラベスクが流れていた。
ピアノを練習し、少しずつ氷が溶けていくように変わっていくさまが良い。ずっと平坦に進む感じが、親娘との出会いで流れが速くなる。
最後のセリナのアラベスクは良かったな。
ずっと重い小説を読んだ後だけに、少し気持ちが軽くなれた。