- Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309027203
感想・レビュー・書評
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文章が読みづらく、
龍徳さんの中にあるものが、上手く文章に落とし込めていないように感じた。
ちぎられた文章、世界観。
荒く粗い作品。 -
待望の李龍徳さんの新刊!
大学時代の陶芸サークルの後輩が自殺したという連絡を受けた光介と巴香の夫婦。純吾と珠希のカップル。
4人は自殺した後輩の妹・涼子から手紙をもらい、彼女たちの別荘へ呼ばれ軽井沢くんだりまで出かけてゆく。
記憶もあやふやなほど大して仲良くなかった後輩のはずだが、なぜ自分たちが呼ばれたのか?
涼子が言うには、姉の日記に4人のことが生き生きととても楽しそうに綴られていたというのだ。それが本当なのかこの目で確かめたかったと。
光介がつくったご馳走を並べた夕べの宴、そこで繰り広げられる腹の探り合いのような会話シーンが軽妙で不穏ですごく良かった。
一触触発のような緊迫感と、どこか間の抜けたテンポ。
李龍徳さんは本当に人間と人間の本音の応酬を書くのがうまいなぁと思う。痒い所に手が届く会話劇だ。
ストーリーはその数年後、さらにまたその数年後とすすんでいく。
涼子にとことん責められ詰められる珠希の生き方を、私は肯定することも否定することもできない。
【人生はやり直せる。生きていくしかないのだから、私は、私自身をどうしてでも幸せにする。たとえそれが子供を捨てることであっても。まだ間に合う。生き直せる。私にはそれができる。】
珠希のこの心の底からの叫びに、私は返す言葉がみつからない。 -
四人、五人か。五人全員の行動がなんだか軽薄で、苛立たせられたのはさすが李さんかなと思いながら読みました。中盤からは会話の応酬によって、嫌悪を示し、攻撃しながらも敵意は出し切らない、みたいな煮え切らなさが、またもやもやします。生ぬるい言葉だから、相手までに届かずに、結局は自分自身を傷つけているような気がしました。愛の結果としての生命の扱い方ですが、愛をうつくしいものとしてでなく、限りなく現実的に残酷に描写してあると思います。
ほんとうに、李さんの作品は、こう、心にずん、とくるものがありますね。 -
引き込まれて一気に読んだ。
登場人物がそれぞれ個性的でおもしろい。
P63
「子供は作んないでください。お二人はそれで、そんな感じの馴れ合いの、閉じられた関係性の夫婦でいいかもしれないですけど、そこに産み落とされる子供がもしこの先、出てくるとすれば、それはあまりにも、惨すぎる。毎日こんな罵り合い、しかも両親のを聞かされるなんて逃げ場ないし、いやあ、いや、不妊治療なんかすぐ止めてください。お願いします」 -
専業主夫と陶芸家の妻、そして友人カップルの4人で大学の同窓生の妹の招待で別荘へ。招待の目的が不明なままディナーを共にするが、会話の端々に違和感が生じ、それぞれの関係性が揺らいでくる。夫婦間、カップル間ならではの関係性の様々を提示すると同時に、愛の儚さが描かれる。会話のみで展開するシーンがこの作品の肝だと思う。
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群像小説として凄く好き。
個人的には智香&光介夫妻は嫌いだし、珠ちゃんの我が子を受け入れられない切なさが痛くて…
でも読み物として凄くいい!
ぷつんと終わる感じも