- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309027227
作品紹介・あらすじ
愛と数学は“共有点”だらけ?
Twitterで話題になった、
「愛と数学の短歌コンテスト」を書籍化!
数学と短歌。
一見、遠い分野のようで、
実は何かつながるものがあるかもしれません。
数学という世界を取り入れることで、
短歌で表現できる世界が広がります。
この本は、愛をテーマにした数学短歌をまとめた短歌集です。
数学同好会に所属する高校2年生の男の子と、
地方から転校してきた文芸部の女の子。
自分にはない相手の魅力に惹かれ合う、
そんなちょっと甘酸っぱい2人のストーリーを添えて、
「愛と数学の短歌」をあなたに届けます。――本文より
あの恋の解を求めよ。自分の気持ちは無視せよ。問5点。
座標から距離の出し方知ったけど距離の詰め方教科書にない
平行線1°動けば交差するだから私も一歩踏み出す
今までに覚えてきた公式もあなたの前じゃ解が出せない
四捨五入して繰り上げた思いでも構わないから好きと言ってよ
切り捨てた端数のような恋心誤差が重なり何かが狂う
途中式全部とばして答えだけ合わせるような台詞はやめて
恋愛は掛け算だよねどちらかの想いがゼロになったら終わり
分母から君を見上げて何年目一線を越えて会いに行けたら
いままでの想いを全部かけてある「好き!」に付いてる階乗の記号
愛という定義できないこの想い一生かけて証明しよう……etc.
感想・レビュー・書評
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恋愛と数学を題材にした短歌、という面白い試み。
感情の恋愛、論理の数学、と、一見、水と油のような組み合わせだけれど、意外や意外、相性抜群。
難は数学センスのない人(私のことです)が読むと、数学用語がわからないこと。
説明されてもよくわからないものもある。
学生時代から「数学のお兄さん」として活躍している横山明日希(よいお名前ですね)さんが、Twitter上で「愛と数学の短歌」を募ったところ、これまでに2000首以上の短歌が集まった。
その中から厳選し、横山さん自身の短歌も折り込み、間に数学好き男子高校生と短歌好き女子高生が出会う恋愛ストーリーを挟んである。
この小説部分が、「もっとがんばりましょう」という、イマイチなものでした。(ごめんなさい)
短歌だけでもよかったのでは?
ただ、あとがきの「このふたりのような出来事が世界のどこかで起きている可能性はゼロではない」的な言葉には、ワクワクした。
恋って今、この瞬間にも生まれているかも知れない、というか、確率的にも、世界のどこかで必ず生まれている!と思うと、急に世界がキラキラして見えてきますな。
私の妄言はともかく、気に入った短歌を少し。
「君が僕を好きではないと仮定する。」恐る恐る矛盾を探す―――たじたじ
なやんでも答えの出ない問いがあるまず算数が教えてくれた―――苗地静恵
叶わぬ恋収束させたいこの思いされど想いは発散するのみ―――夢之島
君からの僕の評価は空集合中身がなくてカッコだけだと―――expo_on
平行線1°動けば交差するだから私も一歩踏み出す―――ごまだれ
半分の距離に寄ってもいいですか何度なら許してくれますか―――のったん
あと半分あと半分と少しずつ想いを寄せても届かないんだ――横山明日希
無慈悲にも定められてる漸近線友達以上恋人未満―――kigure
机上では好きを証明できたのに面と向かうと成立しない―――y0k0t0m0
背理法あなたの心を知りたいが仮定も出来ない私は臆病―――panaffy
四捨五入して繰り上げた思いでも構わないから好きと言ってよ―――いなば・みゆき
好きな人求めるあなたの方程式解一つかなそれ私かな―――コロちゃんぬ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
愛という定義できないこの想い一生かけて証明しよう
横山明日希
作者は、数学の楽しさを伝えるため、「数学のお兄さん」というキャラクターで講演などを行っているという。その活動の一環として「数学短歌」も提案し、このたび、編著書「愛×数学×短歌」が刊行された。
数学と短歌。意外な組み合わせだが、方程式や関数などが歌語になっても不思議と違和感はない。しかも、この本には短い小説があり、数学好きの男子高校生と短歌好きの女子高校生との恋心、という設定が、読者の心をくすぐる。
SNS上で募った「愛と数学の短歌」も、多数収録されている。
この恋の導きかたも三通りくらいあってもいいじゃん、先生
九条はじめ
割りきれない気持ちが残っているときはひとつを足すかひとつを捨てるか
S.m―w
分母から君を見上げて何年目一線を越えて会いに行けたら
澤ノ倉クナリ
なるほど、方程式も恋も、解き方は複数存在するはずだ。割りきれない思いが残る時には、何かを足し引きすれば、解が見つかるかもしれない。3首目は分数の歌だが、線を境に分けられている分母と分子が「一線を越え」て出会う、という発想はユニークだ。
数学には苦手意識しか持っていない私でも、こういった柔軟な発想は、すっと入っていけそうだ。普段は短歌と接点のない理系の学生にも、読んでもらいたい。
(2018年9月9日掲載) -
夏目漱石なら“I love you."を「月が綺麗ですね」と訳しますが,数学好きの男子高校生は次のように訳します。
〈赤い糸任意の曲線引けるなら あなたのそばに1つの点を(横山明日希)〉
『愛×数学×短歌』。
なんと素敵な組み合わせなのでしょう。
本書はツイッターで実施された「愛と数学の短歌コンテスト」に投稿された短歌を中心に編集されたものです。
〈平行線1°動けば交差する だから私も一歩踏み出す(ごまだれ)〉
〈十三の次の素数は十七と十九の頃の 恋のあとさき(四ッ谷龍)〉
愛をテーマにした「数学短歌」。アオハルかよ。 -
文学研究(国語選択授業)と数学のコラボ授業「数学短歌」で参考文献としてリクエストされた本。数学要素を盛り込んだ恋の短歌はなかなかおもしろかったです。
[NDC] 911.1
[情報入手先] 先生からのリクエスト
[テーマ] フリーテーマ -
ストーリーと短歌の比重は五分五分だと思っていましたが、あくまでメインは短歌でした。もちろん数学と恋の味がする短歌です。
短歌の意味を読み解く上で、そこに用いられる数学を多少なりとも理解しなければなりません。
しかしそれは苦痛ではなくて、完全なる文系脳のわたしでも、前のめりになれちゃいました。あくまで短歌の読み解きのために、その数学の性質を知ろうとする行為。
謎解き感が味わえて、納得とうっとりの間を行き来する面白い読み心地の本です。 -
No.17/2022
『愛×数学×短歌』横山明日希
✂︎✂︎✂︎
短歌を用いて
愛を数学で表現できることに驚いた
数学用語がわからなくても
解説がきちんと載っているので
わかりやすく読めました
ストーリー仕立てで読めるので
数学が苦手に感じている方にも
おすすめできる1冊です
✂︎✂︎✂︎
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交わらないと思っていたものも交わる。
数学を題材に恋の短歌を詠む。面白い試みである。ストーリー仕立てになっている。平行線よりも漸近線がたくさんある気がしたけどやっぱりインパクトがあるからでしょうか。 -
【所蔵館】
総合図書館中百舌鳥
大阪府立大学図書館OPACへ↓
https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000951751 -
理系の人が短歌を書くとこうなる、みたいな