- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309027944
作品紹介・あらすじ
私 は 私 を 全 肯 定
髪は美しく、カラダはほっそり、爪は短くキレイに、子供は早く産んで……
「女のカラダ」にかけられた呪いを解く爆走エッセイ!!
テンション爆上げ&涙ホロリの全女性必読の書。cakes好評連載がついに書籍化。
『完璧じゃない、あたしたち』で話題の作家・王谷晶による、初エッセイ集。
「非生産的な上に不親切な本で申し訳ないが、女子が書いた本だからって
ホスピタリティに溢れてると思ったら大間違いのコンコンチキだからな」
(「はじめに」より)
◎「ページをめくるたび、首がもげるかと思うほど頷きながら読んだ。目も乳房も声も髪も、私のパーツはすべて私のものなのに、女に生まれただけで奪われていく。
これは、そのひとつひとつを取り戻してくれる本だ。痛快、そして、優しい。」
――千早茜
◎「ずっと身体のストーリーテラーを求めていた。たくさんいるじゃないか、と言われるだろう。世の中には女の身体についてのストーリーが無数にある。だけどストーリーなら何でもいいわけじゃない。手を握って、肩を揉んで心からふざけて乳の肉をタプタプし合えるようなストーリーテラーでなくては嫌なのだ。手汗をかいても振りほどかずに、笑い飛ばしてくれるストーリーテラーでなくては。」
――はらだ有彩
感想・レビュー・書評
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なんだかすごいタイトルやん...!とブクログで見つけて読みました。
表紙のイラストもかわいいんだけれど...タイトルと相まって、JK娘のいるわたし的には机に置きっぱなしにするのを躊躇してしまいましたw
しかしですね、内容はめちゃくちゃ真面目よ!エロなんてないんだから!
ブログにて詳しいレビューしています*
https://happybooks.fun/entry/2021/11/20/173000詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文藝で王谷晶さんが短編などを寄稿されてる文章が好きで早速。
ルッキズムよ、中指!な文章が書かれていてアッパレ!
表紙からエロな内容を想像してたけど、身体の一つ一つのパーツを臓器として皮膚として肉体として、愛しく改めて感じるようなブラボーな内容だった。
王谷さん自身が成熟した女性ならではのメタ視点の内容だからこそ、若い女の子にも読んで欲しいな。特に20代前半の子。自分が彼氏できた時に相手に肉体を許すとはどういうことかとかなーんにも分かってなかったから。こういうことをバッサリと話してくれる作家さん、貴重ですよね〜!
自分の頭いいこいいこ撫でるを早速やってあげよう。 -
タイトルと表紙に反して、ルッキズムやらミソジニーやらでちょっと息苦しい人に薦めたい一冊。でも、そうじゃない人にも性別関係なく読んでほしい。
WEBメディアでの連載ということもあって、「2018年最新 男脳・女脳がここまで分かった!」という「釣りタイトル」もあるものの、一貫してスパスパと理不尽を斬っていく文章が痛快だった。
本書は大半が2018年に書かれ、2019年に修正のうえ単行本化されているが、3年経った2022年の今読んでもまだ「古いな~」と思えないのがなんとも悔しい。 -
新聞で紹介されていて面白そうだと思って読んでみた。
前半は小田嶋隆さんが下ネタのコラムを書くとこんな感じだろうなぁ、と思いながら読んでいたが、中盤以降からのセクハラ、男女差別に関する怒りの表明は理解できるものだった。
自分も同調圧力には屈したくない、他人にも同調圧力はかけたくないと思っていたが、無意識に圧力をかけていたかもしれないと反省。 -
著者の語彙力がヤバい〜〜!そのヤバい語彙力で書かれる、キレッキレの文章がめちゃくちゃ好きです…。
肉体はめんどくさい、それについてくる他人からの色眼鏡はもっとめんどくさい。自分の肉体は自分のためだけにあって他人にとやかく言われるもんじゃない。
なんかもう、わかる…めっちゃわかる…ってずっと頷きながら読んでました…。
わたし常々、褒め言葉でも他人の外見について言及するのは、実はよくないんじゃないか…って思っていたのだけれど、よかった…そう思っているのは自分だけじゃなかった…
『外見ちゅうのは、褒められても地獄、貶されても地獄だ。貶されるのは当然ストレートに嫌な気持ちになるが、褒め言葉もそれがシンプルな称賛に収まっている場合はまれで、気色悪い下心を含んだ褒め言葉や差別的、蔑視的な褒め言葉というのもいくらでもある』
って一文にそれな!!ってなったもの…。著者の言語化能力がすごい….好きだ… -
2023年7月
自分の身体は自分のものであるという至極まともなことを言っているのだが、毒が効いていて、はちゃめちゃに笑いながら読んだ。読むと元気になるエッセイ。 -
オススメどおり面白かった。
アラフォーおばさんの赤裸々な思い、写真探してみよう。
コロナ前の本なので、コロナ後の続編も読んでみたい気はする。 -
「タイトル」に加え、やらしさはないのだけど女体の裸イラストだったからぱっと見、ポップな辛口恋愛哲学本の印象だった。だけど安心してくれたまえ。
本書は100%女性のカラダをもつ者を応援するシスターフッド本だ。
女性のカラダにまつわる呪いを片っ端から解いていく痛快エッセイである。
読んでいて王谷さんがめっちゃ面白いし、力をもらえる。
上の世代を戦い抜いた姐さんの背中は頼もしい。そしてオタクの知識が随所で炸裂しててわろた。
令和元年にこういう本がでたことが嬉しい。というか...そもそもの話。
時代が遅すぎる!!
女性のカラダはその人のもの、そういう当たり前のことを当たり前だと思わせない構造が男性中心社会なのであって、微力ながらも変えていきたいですね。まじで。
世の中の流れも、LGBTQやジェンダーに関する発信が増えたり、カミングアウトする芸能人がいたりと少しづつであるが変わってきている。
王谷さんが書いてたみたいに、未来のギャルが本書を手にとって、「え、この本に書いてあること古くないですかー??」と言う未来がくることを願いたい。
そのためにも、一人でも多くの人類に本書をおすすめする。
それと、読みながら個人的に思い当たることが多かった。
私は女性だから差別された経験が沢山あるのだけど、差別されるのが当たり前だからそれが「差別」だと気づけない&女なのに「ミソジニー」を内面化してて、自分が差別する側だったことに気づくのが遅かったことなど(まじ反省している)
男性中心社会の罠がいたるところにあるから、自覚しつつサバイバルしないとなぁ〜、と読後しみじみ思いを巡らせた。
差別や偏見がドバドバ注がれてる社会だからこそ、気をつけていても『女』=『(男にとって都合のいいあれやこれ)』の図式が一瞬パッと浮かんでしまう。最初に本を見たときに、辛口恋愛哲学本だと思ったのも私の蓄積された偏見があるからだろう。
まじこの世、せちがれぇぜ。
だけど味方はあちこちにいる。今からでも遅くないから、知識で武装し、わたしのカラダで頑張るぞーっ!!!って気持ちになる一冊だった。
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作者が文中で広言する釣りタイトルに引っかかって鈴木涼美ばりの内容かと思って読んだらまんまと裏切られたが、男上位社会をうっちゃったフェミニストとして通底する気構えがある一方、世間や他人が何を言おうと自分の身体は自分だけのものだという首尾一貫した自負と同性への共感が響く。冒頭の「乳、帰る」という章に如実だが、とりわけ「手・自分と握手する方法」で鬱病体験を経て自らを慈しむようになった姿に心が揺さぶられる。