- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309027999
感想・レビュー・書評
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前作よりあったかい感じがした。ひりひりもしない。
向き合ってることをきちんと文章にしてていいなと思う。
いまはどうしてるのかなあ、なんて知り合いでもないのに思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
“誕生日に自分が何をしていたか、毎年日記に書こうと、昼間六本木を歩いている時に思いついた。そんな風に思えるようになるなんて、ずいぶん成長したなと思う。自分で自分を大事にする、自分の成長を楽しみにする。来年はどんな自分になっているか、誰と一緒にいるのか。未来の自分が楽しみだなんて、これまで一度も思ったことがなかった。”(p.156)
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「石田さんは今、どうしているんだろう」
夫である石田さんが亡くなってからの1年間が書かれた「台風一過」、読まずともタイトルからとんでもないほどに大変な1年を過ごされたんだろうと勝手に想像がつくが、その想像を超えて、良い。
植本さんが書く文章の中で、私がとても好きなのは、石田さんと娘さん2人、そして実母との関係から生み出される文章だ。生々しくて、様々な感情がないまぜになった文章は、本当に心の底から書かれた嘘偽りのない本音の文章だからか、すごく心地良く読める。
「かなわない」から著書が出るたびに読んでいるが、「台風一過」の文章は柔らかく、そしてあたたかく、同一人物が書いたとは思えないほどに安定している。簡単に言うなら母。「かなわない」の時の植本さんは、娘だったよなあ。
特に良いというか、何度でも読みたくなるのは、くらしちゃんと、えんちゃんとのやりとり。子どもの純粋さ、視野の広さ、賢さ、優しさ、脆さなど、このやりとりからたくさんのことを感じ取れる。植本さんとくらしちゃんが、2人でファミレスに行った時のやりとりは、何て言うか、もう言葉も出ないんだけど、でも心に残った。なんか、そうか、そうだよね、そうだそうだって、ただ頷き続けるしかないような。もうそんな感じで。
家族の死は、残された家族にとって何を与えて、何を奪っていくものなんだろうか。今、石田さんはどうしているんだろうか。そんなことを考え続けてしまう。 -
初めて読んだ植本一子さんの本。
日記とはいえ、本として出すもので、こんな赤裸々に自分の感情をさらけ出してくれるのかと驚くのと同時に、人のもつれた内面を知ることができて嬉しくなる。私だけじゃないんだなと。
合間合間にある写真が素敵すぎて、この人の他の本も読みたいけれど、写真集も観たいと思った。 -
恋人に母親を求めてしまうのは私も同じで、ちょうど悩んでいるところでもあったので苦しかった。他人と継続して関わることの難しさよ。
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【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/565293 -
2023/6/29購入
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図書館にて。
この人の本はずっと出るたびに読んでいるのだけれど、読むたびに考えさせられる。
この本は夫の石田さんが亡くなった直後からの一年の日記だ。
その一年をつづった1冊に「台風一過」という題名を付けるということがそのすべてだなと思う。
台風去っていい天気ってかい…。
夫が亡くなってすぐ遺品をものすごい勢いで処分して、半年ほどで夫と暮らした家に別な男性が暮らすようになり、娘二人と四人の生活、しばらくしてその関係に娘二人がじんわりと傷つくくだり…。
いいとか悪いとか他人が言えることではないけれど、もうやめようよ。
そうしたけれはそうすればいいけれど、世間に公表するのはもういいんじゃないかなと思う。