バチカン・シークレット---教皇庁の秘められた二十世紀史

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309205434

作品紹介・あらすじ

バチカン市国はなぜムッソリーニによって創られたのか?ナチのユダヤ人大虐殺に対してピオ12世はなぜ沈黙を守ったのか?トリノの聖骸布はなぜいまだに謎なのか?聖母マリアはファティマ第3の秘密で何を伝えたのか?20世紀のバチカンを震撼させた重大な出来事の真相が明らかに。教皇庁を揺るがした17の重大事件。

感想・レビュー・書評

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  • 現代的問題と向き合ってきた

  • 大体第一次大戦後からベネディクト16世までのバチカンの歴史に関して。
    歴史小説っぽい感じで書かれている。
    ミステリーではないし、大きな謎が解明されてるわけでもない。
    地味な謎は解けたけど。
    けれども面白かった。
    バチカンとかカトリックに関して多少は知っていても詳しくは知らないから、どの話も興味深く読めた。
    司祭達が仕事しちゃいけないとか、検邪聖省とか名前からして凄いなとか、カトリック系の話の元ネタとしても良い。
    ロシア革命、バチカン市国の設立、ナチスへの対応、戦後の孤児の話、司祭とは、ピルなどの産児制限に関して、ヨハネパウロ2世の暗殺未遂、ファティマの第三の秘密、ベネディクト16世のコンクラーベなどなど。
    副題が内容要約してる。

  • タイトル・副題だけだと陰謀史観の書のように感じるが、著者が
    元バチカン担当の記者だけあっていたって真面目なバチカン近現
    代史である。

    ムッソリーニよって承認されたバチカン市国は、近現代史のなかで
    保守派と進歩派の間であわや分裂の危機が訪れたりしているところは、
    やはりひとつの国家であることを痛感する。

    興味深い話ばかりだが、なかでもその真偽が未だに謎であるトリノの
    聖骸布の話は面白い。炭素14による検査では中世に作られた偽物で
    あるとの結果が出たが、その布にはキリストの年代の文字が書かれ
    ている。

    キリストの遺骸を包んだと言われるこの布は、果たして本物なの
    か否か。偽物としたところで、布に残された血痕や傷の跡が、
    処刑されたキリストの体の位置とすべて一致するなんてありえるのか。

    キリスト者ではなくとも、興味をそそられるテーマである。

    尚、本書では映画「ダ・ヴィンチ・コード」に登場したキリスト教の
    一派オプス・デイの成立過程や、同じく映画「ゴッド・ファーザー3」
    でモチーフにされた銀行頭取の不審な死も取り上げられている。

    個人的には親ナチスであったとされるピオ12世への誤解が解けて
    よかった。

    本書はカトリックの歴史を知るとっかかりとしていいのではないか。

  • ・バチカンといえども、20世紀の政治・思想・科学と無縁ではいられなかった。
    ・同じ組織でもトップ次第で成し遂げられる事も違ってくる。

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