子宮

著者 : 盛可以 河村昌子

• 河出書房新社 (2022年10月26日発売)

感想・レビュー・書評

[snnknさんの感想 · 2023年6月21日]

書いてある内容はどこまでも現実的なのにどこか幻想的な風景に思える。
過去から未来へ続く女達の物語、未来への描写は極わずかなのに希望だけではない何かを感じられる。

中国文学はあまり読んでこなかったので名前を覚えるのが大変だった。どうしても日本での漢字の読みに引っ張られてしまって…
同じ作者の他の作品も読んでみたい。

[usacoさんの感想 · 2023年5月21日]

中国の3世代の女性の生き方。
時代に振り回され、それぞれの女性の生きる姿に、心打たれる。
リアルな纏足の時代、精神的な纏足の時代、それと比べるとなんと生きやすくなったか。

そして子宮に振り回される。
生理が始まってから、閉経後まで、どの女性もなんらかの形で振り回される。でも得られる幸福もある。

自分自身が堂々と向き合って、自分を咎めなければ、他人がどう言おうと関係ない。
自分で自分を纏足にしないで生きたい。

著者プロフィール

中国湖南省出身。1970年代生まれ。これまで9作の小説を発表。英国を始め各国で翻訳され受賞歴多数。本作が長編初邦訳。

「2022年 『子宮』 で使われていた紹介文から引用しています。」