中国のはなし: ――田舎町で聞いたこと

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309208947

感想・レビュー・書評

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  • ごく初期に、もうやめようと思った。説明、会話の繰り返しがくどい。核心になかなか向かっていかない。もどかしくて、しんどくなったから。
    が、その後どうなるのか、たぶんそうだろうという予測はできるけど、詳しすぎる状況説明に、想像が膨らみ、予測外の結末を考えてしまう。
    そして、1章息子の父への殺意をよみおえると、どうしても2章の父の母への殺意が3章母の息子への殺意がどういうものか、読まずにはいられなかった。
    ということで、くどい説明、叙情的な描写は飛ばし飛ばし読み終えた。

  • 閻連科の不思議な中国社会の物語である。
    現在の中国では素晴らしい中国の話を語る 講好中国故事 と言う大規模なプロジェクトが展開している、作者はこれを逆手に取り、あえて中国の話 中国故事 と言う大げさなタイトルをつけた。
    改革開放進み、農村も街も経済発展が進む中で、金券主義がすべてに優先し、家族の営みも地域のつながりも全てお金が優先する社会になってしまい、これが経済発展の原動力となった中国社会の中で、現在の経済が衰退し、大都市も中小の地方の街も、衰退の中で生活も困窮かしていかざるを得ない状況の描写は、2021年に最初に発表されたこの物語が、2024年の現在の状況、あるいはこの先、何年かの中国の経済を見事に描いていることに感嘆した。
    最初はその家族の心理状況についていけず、とても読みにくい物語だと思っていたが、第3章からは作者がこの物語で、中国人の物の考え方、中国の社会の行く末について、語ろうとしていることに興味を覚え一気に読み進むことができた。
    この作者の本はほとんど読んできているが、ますます新しい境地に進んでいると思われる、もちろん大陸で発行される事は非常に困難だろうし、発行されても大きく内容が改善されるのではないかと思われる。

  • かの国の拝金主義は狂気に近い…。

  • サスペンスとして読んだ。

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著者プロフィール

1958年中国河南省生まれ。80年代から小説を発表。2003年『愉楽』で老舎文学賞受賞。その後、本書を含め多数の作品が発禁扱いとなる。14年フランツ・カフカ賞受賞。ノーベル賞の有力候補と目されている。

「2022年 『太陽が死んだ日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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