死体が語る歴史

  • 河出書房新社
3.22
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本棚登録 : 109
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309224916

作品紹介・あらすじ

骨やミイラに秘められた驚異の真実。ジャンヌ・ダルクの聖遺物の真贋やフランス国王の心臓の行方、吸血鬼伝説の謎…。歯の年齢や消化器に残った食べ物、骨の異状などから明らかになった驚くべき事実の数々!ミステリー小説のような語り口でその真相に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 途中まで気づかなかったが、いろんな寄稿文や論文の寄せ集めらしい。なので質量ともにバラバラで、ごく短く、何の結論も出ていないものも散見される。
    面白くなくはないのだが、なかなか興味が持続しない構成だった。

    2019/11/9~11/15読了

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00260755

  • 古病理学車が遺体やミイラをもとに当時の人々の生きた時代を考証する。一話ずつ短く、もう一つ踏み込みが欲しかった。週刊誌にでも連載していたものの書籍化だろうか?

  • 古病理学の本。
    普通の病理にプラスαな話かと思ったら、古い遺体の死因特定学といった分野らしい。
    話の大半は学術的な話ではなく、扱われている遺体の歴史やその周辺の話が多い。
    なかなか読みやすく面白いが、もう少し突っ込んだ内容でも良かった。

  • [ 内容 ]
    骨やミイラに秘められた驚異の真実。
    ジャンヌ・ダルクの聖遺物の真贋やフランス国王の心臓の行方、吸血鬼伝説の謎…。
    歯の年齢や消化器に残った食べ物、骨の異状などから明らかになった驚くべき事実の数々!
    ミステリー小説のような語り口でその真相に迫る。

    [ 目次 ]
    だれが国王の愛妾を殺したか―アニェス・ソレルの遺骸の研究
    頭蓋骨の中の壷―聖女アフラの聖遺物
    頭蓋骨の杯と人間の皮のマスク(チベット)
    フランス国王の心臓と遺体の行方
    フランス国王の遺体の解剖と保存処置
    ルイ十七世の心臓がたどった数奇な運命
    「不吉さ」ゆえのローマの生け贄
    チンチョロのミイラの皮(チリ)
    アルゴスの骨(ギリシア)―二〇〇体の人骨に秘められた四〇〇〇年の歴史
    ルーヴル美術館のギリシアの壷に隠されているもの〔ほか〕

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 第1章 だれが国王の愛妾を殺したか
    第2章 頭蓋骨の中の壷
    第3章 頭蓋骨の杯と人間の皮のマスク
    第4章 フランス国王の心臓と遺体の行方
    第5章 フランス国王の遺体の解剖と保存処置
    第6章 ルイ十七世の心臓がたどった数奇な運命
    第7章 「不吉さ」ゆえのローマの生け贄
    第8章 チンチョロのミイラの皮
    第9章 アルゴスの骨
    第10条 ルーヴル美術館のギリシアの壷に隠されているもの
    第11章 ギリシアとローマの死と死者
    第12章 死の周辺
    第13章 ファラオ時代とエジプト後期の奇形たち
    第14章 ローマ、広大なネクロポリス
    第15章 法医学と吸血鬼
    第16章 「死体を求む!」
    第17章 ギリシアとローマの病気の変遷に対する都市化の影響
    第18章 古代ギリシア・ローマの健康診断
    第19章 ファン・ルナール(ブルージュ)のミイラ
    第20章 古代の奇形と身体障害者
    第21章 先コロンブス時代の人骨からたどる関節リウマチの歴史
    第22章 リシュリュー枢機卿の「マスク」
    第23章 エッツィ
    第24章 ジャンヌ・ダルクは三度死ぬ
    第25章 薬としての人体
    第26章 デカルトの首なし遺体
    第27章 「鼻利き」の古病理学
    第28章 サン=ルイ礼拝堂の夕べ-パリのピティエ=サルペトリエール病院
    第29章 古病理学旅行案内

  •  フランス国王の死体は解剖されて病死か毒殺かをはっきりさせるという話は聞いていたが、日本でいえば江戸時代初期にあたる頃の解剖所見がパリ大学医学部に保存されているという話には驚いた。そしてそこに記された内容は内臓がほとんど壊死だとか、腐敗した体液が何リットルだとか、目を覆うような症状が記載されていて、記録に伝えられる王侯貴族の華やかさも一皮めくれば、まァこんなものだろうと納得する。
     当時の食糧事情や衛生観念を思えば、回虫の卵がウヨウヨだとか栄養不良などは当り前すぎるほど当り前なのであって、それを驚く方が幼稚にすぎるのかもしれない。雅やかな神話に包まれた日本の王朝時代も、実情はこれと大差なかったのだろう。あるいはさらに悲惨なものだったと思われる。

  • 古病理学のケーススタディ。古病理学とは、遺跡から発掘された人骨やミイラ、霊廟に保存されていたご遺体を調べ、死因や生前の生活様式、埋葬儀礼などを調べる学問。考古学・法医学・法人類学など複数の領域と関連がある。

    題材としてはひじょうに興味深いが、読み物としての面白さが今ひとつ。簡単な事実を述べただけで終わっている章もあり、本というよりは研究活動報告書を読んでいるみたいで、何だかな。聖遺物の話などはそれだけで本1冊にしてほしいくらい。

    描写は具体的で詳細(要するにグロ)なので、食事中に読むことはお勧めしない。

  • 人類学、考古学、、の新しい仲間、「古病理学」。
    学際じゃないと成立しない。
    人類学・考古学も病理学も単品で好きで、
    (病理に比べたら人類学・考古学は全然専門的には理解できないのだが)
    それがくっついてるというだけでうれしい話。

    ま、名前をつけなおしたに過ぎないと言えばそれまでですが。

    ちなみに、NHKでやっていた"アイスマン"=Otziの話もさらっと出てる。

    ヨーロッパは火葬じゃないし、「聖遺物」なる"宗教じみた"モノをガチで保存している(減ったとはいえ)ようなので、ネタが尽きなくてなにより。
    日本でも、遺跡の成分を調べる人と話したことはある。

    このあたり、なかなか知的にワクワクするエリアで、これ以上って何があるんだろうか??

    @読後
    話題の提供のみで全然解析できてないケースや聖遺物解析したら偽物でしたというケースがかなり多いが、それもこの分野の特徴らしく、また、古代の生活や埋葬の様式の考察など、非常におもしろい。居住エリアの選定と感染症の拡大、職業病の確認など、10000年以内の人間の進化史を考える上でも、文化史としても、参考になる。

    奇形・障害を持つ人の居場所の歴史も興味深い。その時代ごとに社会の中で生きる場所があったという話。しかも、場合によっては重要人物として。

  • 骨やミイラ、死体の断片から個人の死の原因、健康状態果ては当時の文化や社会の様子などに近づいて行く。古病理学により明かされていく死体は一見して怖い感じに思えるのに、貴重な情報の塊であり時には聖遺物の「モノ」となるものもあり、死後好き勝手にいじられまくる過程を読んでいると何かもう、ただの無機物のカタマリとしか思えなくなってくるような。全編面白かったけど、昔の人が病気と戦うために、苦心して新鮮な死体を手に入れたり、畸形の人の扱われ方が時代により異なったり、社会の様子がとりわけ興味深かったです。

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