税金の世界史

  • 河出書房新社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309228303

感想・レビュー・書評

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  • 大抵の税金は戦費のため。

    われわれが姓名を名乗るようになったのも徴税のため。
    ヨーロッパでは13世紀まで平民は姓を持たなかった。
    人頭税の徴収の際ら人々を区別するのに便利だから。

    人類初の公式の税制。
    「エスレトゥ」=古代の10分の1税

    「ラッファー曲線」=最適な税率に設定することにより政府は最大の税収を得られるということを示す曲線。
    高すぎる税率は経済活動を抑制し、むしろ税収を減らす恐れがあるため、その場合減税によって最適な税率まで下げる。

    南北戦争の原因は奴隷解放のためではない。
    南部を離脱させないため。
    南部の連邦税収の75%を支払っていた。

  • 国(為政者)=税なので、税にフォーカスして歴史や今後の展望を追うのは、筋の良い観点と言える。今日の税制は国民国家の存立そのもの(所得税の導入がナポレオン戦争時だったりする)だし、IT化とグローバル化が進んだ現在、従来の法律では税徴収が困難になり(資産の定義、所得が発生するポイント、納税する対象等々が不明)、ひいては国家の役割さえ危うくなりかねない事態もその一環。たとえばロボットによる自動化が普遍的になればロボット税(またはAI税とか)を取るべきなど、どこから税を集めるかは人類のあり方と同義なんだなと改めて感じさせられた。原題は「Daylight robbery(白昼の強盗≒ぼったくり)」で、ユーモア感あるこのタイトルが(当たり前ながら)内容に即している。税の歴史の記述は基本的に欧米の事例のみで、パターンの説明に関して充足しているとはいえ、すぐ"世界史"という言葉を充てるのは日本人の悪癖。

  • 結構文章が硬くて読むのに苦労した

  • 面白かった。現代日本の税制含め税金の知識に乏しい私でもわかりやすい内容でした。
    文明の黎明からこっち税のない社会はなかったし、基本いたちごっこを延々続けてきたしこれからも続けていくだろう、という話の流れでメソポタミアから現代、また未来の税制の話と続け、著者の提唱するユートピアの税制の話で終わる。
    提唱されているサブスクリプション型税制というのは面白いな。前半で紹介されていた古代ギリシャの自主的な納税の進化版というかIT時代が生き返らせた古代の叡智みがある。わからんけど。


    イギリスの著者だからかイギリスの話が一番ボリュームあり、ついでアメリカとフランスの話が多かったかな。イギリスは全時代触れててイギリスの歴史の勉強になる。アメリカは南北戦争の話に詳しかった。フランスもいくつかの時代に触れてる感じだったけど個人的にフランス革命の印象強かった。韓国と日本は複数回名前出てきたくらいであまり触れられてなかった。日本の国債赤字に触れるならもうちょいつっこんでくれよ〜と思った。日本の名前出たあとに国債をどこが買っているかでまた性質が違うよねって話をしていたので…

    345

  • 全ての政治家に読んで欲しい。戦争によって増税が行われ、現在のような高負担国家になってしまった実状がよくわかった。社会主義的民主主義により、高負担高福祉が良いかのような錯覚に陥っていたが、資産インフレを起こす事により、資産家と国家に搾取されるのは庶民であり、小さい政府の方が健全な発展を遂げるのではないかと改めて感じた。

  •  いや〜勉強になりました。世界史というのは税金を理解しなければ本当のことはわかりませんね。たとえばアメリカの独立戦争ですが、今まで私は、イギリスがアメリカを搾取して厳しい税金を取り立てていたと思い込んでいました。でも実際は、イギリス政府は財政赤字に苦しみ、イギリス人はアメリカに渡った人よりも重税に苦しんでいたのでした。
     南北戦争も奴隷解放がメインテーマではなく、北部にとってドル箱の南部を独立させたくなかったから、北部が挑発して起こした戦争でした。
     国家としての行動の背景には必ず財政事情があるということですよね。

  • 年代を追っていく構成で、中世まではそこまで興味を持てず、南北戦争からブロックチェーンは楽しめた。

  • インフレや仮想通貨の捉え方は見解が分かれるところか。

  • 全てを網羅する訳ではなく、英米仏の税制とそれによる影響をトピック的に取り上げ、古代から近代の改革例、現代のグローバル化、デジタルやIT、仮想通貨等に対する現代政府の税制の不備と、未来への提言。
    著者は金融ライター兼コメディアンだそう。面白いのはそれ故か。

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著者プロフィール

イギリスの金融コラムニスト兼コメディアン。マンチェスター大学卒業。「マネー・ウィーク」誌で投資のコラムを連載。「ガーディアン」や「インデペンデント」にも定期的に寄稿。テレビやラジオにもよく出演する。

「2021年 『税金の世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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