マンガ 沖縄・琉球の歴史

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309231181

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  • 上里隆史|note
    https://note.com/mangaryukyu/

    マンガ 沖縄・琉球の歴史 :上里 隆史|河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309231181/

  • 借りたもの。
    琉球・沖縄の歴史をマンガで解説したもの。ゆる~いマンガで要点のみまとめているので、サクサク読みやすい。
    よく考えたら、日本史の中で沖縄が取り上げられるのは、戦国時代の島津氏の侵攻と明治期の琉球処分くらいではなかろうか?そのため、この本はないちゃー(本州の人)にとって入門的な一冊。沖縄が元々、「琉球」という別の「国」であった事を理解するためにも。

    読んでいて思うのは、資源と産業が少ない小国が大国に翻弄され続けること、その難しい舵取りに外交(もてなし、民俗舞踊?の遠征公演)をもってなんとかやっていたが、航海技術と軍事技術の向上した列強の中で、抑圧されてしまうという現実を垣間見てしまう。
    そもそも、近代以降、両属という体制は世界情勢的にも受け入れがたいであろうと思う。植民地と覇権をめぐって争いをしていた欧米諸国……

    国としての基礎の成立(中央集権化、宗教観の体系化など)年代が、中国や日本と比べ遅かったと思う。
    自国内での産業が(農業も工芸資源も)少ない中で、どうしても海上貿易の中間マージンや原材料を輸入し加工技術によって財を成していったように感じる。
    徹底した封建社会の悪影響か、庶民文化の発達が見受けられない…
    特に近代以降の何とも不遇な琉球・沖縄の歴史には、外交の失敗や戦争に敗北した事での無力感が蔓延していくように感じる。沖縄の当時の現代化を図り「偉大な政治家」と言われる蔡温は17世紀の人だし……
    日本の統治も(当時の世界情勢もあって)極端だったし、米国統治もツメが甘い……
    その後(特に戦後)は市民運動ばかりが際立ち、何だか表面的な「なんでも反対!」感が否めない…それを成すためにどういう手順で交渉・代替案を提示し改善していくかという内側から辣腕を振るう人物が見えてこない。

    17~20世紀まで、戦争を忌諱または対抗手段が無いために、何もしないでいて制圧されたという苦い経験を繰り返してしまったように感じるのは。

    元は中国とも日本とも違う国であるため、そのアイデンティティーが根本的に異なる事を改めて実感する。その中で伊波普猷が「日琉同祖論」を唱え、(当時軍事大国だった)日本との繋がりを図ることでの沖縄人の地位向上を目指している。…その試みは多少、成就したのだろうか?
    沖縄の独特な文化はないちゃーも認めるところ。本州との繋がりは物理的にも難しい(陸路が無い)ためか、日本に編入されながらも異国感があり、それが良さとして受け止められている気がする。

    余談:
    琉球尚氏に対抗した阿麻和利(あまわり)が逆賊として悪しざまに書かれていた事が解せぬ…しょせん勝てば官軍であるけれど……
    阿麻和利も地域の人々の支持が高く、圧政を強いる尚氏に対抗した、という面があるので。

  • 南西諸島は鬼が住む異界と考えられていました 70年代には紫、コンディション・グリーン等のバンドが出てロック全盛期を迎えます 朝貢国の中でも琉球は特に優遇されていて 当時、秀頼潜伏説は状況的に「あり得る」話だったのです 島流しにされたニート士族 石垣島の朝鮮語通訳 昆布と富山の薬売り まーさんっ!※「美味しい」の意味 夏至の日には門から朝日の光がグスクに入ってくる 糸満市にある上里・山城グスク

  • 2022年8月読了。

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著者プロフィール

琉球歴史研究家。浦添市立図書館長を経て、内閣府地域活性化伝道師。NHKドラマ「テンペスト」時代考証や、NHK「ブラタモリ」案内人などメディアでも活躍。著書に『知れば知るほどおもしろい琉球王朝』等。

「2022年 『マンガ 沖縄・琉球の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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