いちばんやさしい地球変動の話

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309252582

作品紹介・あらすじ

この地球に暮らしているからには知っておきたい最低限の知識を、地球科学の最新の知見に基づいてわかりやすく解説。その仕組みと体系的な理解が得られます。

感想・レビュー・書評

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    http://public-errata.appspot.com/errata/book/978-4-309-25258-2/

  • タイトルのわりにそんなにやさしくない。他に一冊入門篇を読んでからのほうが良さそう。

  •  マグマ学者が語る地球科学。図が豊富で良い。意欲的な中高生なら読めそうな感じ。時が来たら子供に薦めたいかも。地球と生命の歴史,日本列島の形成,地震と火山。プレートテクトニクスが重要な鍵。
     海洋地殻と大陸地殻は組成が異なる。玄武岩質の海に対して,大陸は安山岩質で二酸化珪素に富み,軽い。両者はマントルに浮いているから,軽い大陸地殻は海洋地殻より厚みがあって,そのため標高が高くなる。
     海洋地殻は,プレートの裂け目(海嶺)から,マントルが上昇してきて冷え固まってできる。大陸地殻は,その海洋地殻が,沈み込み帯でマントルに落ち込むときにできる。海洋プレートから絞り出された水が,マントルを溶かしてマグマとなり,それが上昇して冷え固まることで大陸地殻ができる。
     38億年前から始まったこのプレートテクトニクスが,大規模な地球変動をもたらしてきた。日本は,11あるプレートのうち4つがひしめき合う世界でも稀な場所。地震や火山の活動が激しいのも無理ないな。
     もちろん地球のすべてが分かったわけではないが,かなりのことが分かってて,興味深い。

  • 「いちばんやさしい」というタイトルに反して,本格的な解説が続き,なかなかついていくのが大変.
    どんなことを調べるにしても,直接的な方法が極めて困難なのがこの分野の特徴になっている.その中でも,直接見ることができない地球の内部をどうやって調べるかという話は,いろいろな実験の手法の巧妙さや推論のうまさに感心した.
    しかし,この学問に一般の人が期待する地震や火山,津波の研究は,その被害を防ぐまでの精度にまではなかなか遠そうだ.地球の変動のタイムスケールの長さを考えればそれも当たり前だが.
    p.201からの火山からの距離と温泉の泉質の話しは面白かった.ここでも理解するのはなかなか難しいけど.

  •  読んで良かった。「華竜の宮」を読む前に読んでおくと、良かったのになぁ。
     なんつって思いましたが、逆なのです。「華竜の宮」を読んでたから地学に
     興味を持ったのです。メモ: 海水の総重量=1.8 エクサトン。

  • この本を読むまで、プレートテクトニクスが完全にわかっていない、ということを知らなかった。
    世界の始まりがわからないように、地球の始まりも完全にはわかっていないんだな~。
    なんと!

    思っていたよりも自分が地球の表層・プレートからマントル・コアや内部のことって意外と知ら無いことが良くわかった。反省。
    もうちょっと自然科学の、特に地球のことも読んでみようと思ったかな。

    いちばんやさしいと銘打っているだけあって、かなり本としては読みやすい。
    でも、端折っている部分も多くて、この著者の『自明の理』の知識が私にはわからず。
    「説明の内容はわかるけど、何でそれでそうなる!??」
    と思ったことがいっぱいあった。
    勉強不足かな。

    ただ、著者が、すっごくマグマや地中のことが大好きなのは良くわかった。
    読みやすい文体だけど、理解しやすい文章かどうかはどうかな。

    でも内容が面白かったので◎

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著者プロフィール

1954年、大阪府に生まれる。日本の火山学の第一人者。理学博士。専門はマグマ学。1978年、京都大学理学部を卒業。1983年、東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了。京都大学総合人間学部教授、同大学大学院理学研究科教授、東京大学海洋研究所教授、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球内部ダイナミクス・プログラムディレクター、神戸大学大学院理学研究科教授を経て、2016年、同大学海洋底探査センター教授となる。2003年に日本地質学会賞、11年に日本火山学会賞、12年に米国地球物理学連合(AGU)N.Lボーエン賞を受賞。著書には『地球の中心で何が起こっているか』『富士山大噴火と阿蘇山大爆発』(以上、幻冬舎新書)、『地震と噴火は必ず起こる』(新潮選書)、『なぜ地球だけに陸と海があるのか』『和食はなぜおいしい』(以上、岩波書店)などがある。

「2019年 『火山大国日本 この国は生き残れるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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