睡眠薬 その一錠が病気をつくる

  • 河出書房新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309287058

感想・レビュー・書評

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  • 2022.12.8
    ◯速読時間 15分
    ◯目的 睡眠薬ってどうなのだろう?
    (整体院待ち時間で読む)
    ◯内容
    睡眠薬の使い方、怖さ、睡眠の質、改善方法などが書かれている。

    睡眠薬と睡眠導入剤と睡眠改善薬
    BZ系 バルビツール系
    朝日を浴びてから14時間後に眠くなる
    睡眠は個人差が大きい
    日本人は睡眠薬に恐怖感がある
    日本人は平均的に睡眠時間が短い
    厚生労働省 睡眠指針12箇条
    睡眠薬を使うことと不安感
    睡眠負債
    年齢とともに変わる睡眠のなかみ
    起きる時間は遅らせない

    ◯感想
    睡眠薬を使うのは私もなんだか怖い。
    鼻風邪を引いたときに、眠くなる成分が入っていますという薬をもらって、鼻水鼻詰まりに効くよりも、眠くてだるくて眠り続けてしまったから、その手のは効きやすいみたいで。
    「眠れていない」「寝た気がしない」のは勘違いか?
    寝起きの感覚や満足感であって実際の睡眠そのものは実は問題視することではないのか?
    と思えてきたりする。
    「朝日を浴びてから14時間後に眠くなる」これは当たってる!
    この頃、だいたいそんな時間帯に眠くなる。
    ただし、そのままそこで眠っても、数時間後にふっと目覚めてしまう…˘˘̥( ᵒ̴̶̷̥́ _ᵒ̴̶̷̣̥̀ )
    年齢的にこれはもうそういうものかなぁと。睡眠にこだわりすぎないほうがいいのでしょう。
    もしかしたら「あなた、充分眠れていますよ、なーんにも問題ないですよ」と言われたりするのかも。

  • 15冊目『薬を使わない薬剤師が教える 睡眠薬 その一錠が病気をつくる』(宇多川久美子 著、2018年12月、河出書房新社)睡眠薬大国の日本。BZ系睡眠薬の消費量は世界2位、アジアではダントツの一位となっている。高齢者が多く、さらに慢性的な睡眠不足が蔓延している日本では、睡眠に関して何らかの問題を抱えている人は多い。だからといって安易に睡眠薬に手を出すべきではない。まずは生活習慣を正す事が大切であると著者は述べている。 「不眠や睡眠障害の大半は、自分でつくる生活習慣病です。」

  • 多剤処方より単剤処方にすべき。焦らずゆっくり減薬。眠くなるのは朝の光を浴びて約14時間後。寝不足でも、朝は決まった時間に起床する。自分だけの入眠儀式を作る。

  • 睡眠薬の種類や副作用等の解説がわかりやすかった。これまでもあまり服用しない方がいい薬なんだろうと漠然と思っていたが、その怖さの理由が理論的に説明されていた。抗ヒスタミン薬の紹介をされていたので早速買ってきたが、この種類の薬の副作用の有無には言及されていなかったので、それも知りたかった。
    10年前くらいから睡眠導入剤を常用はしていないけれど、眠れなくて翌日の昼間は眠くなると困る日のみ使っている。それを抗ヒスタミン薬に置き換えられたらその方がいいのかなと思った。

  • 何科を受診してももらえる「とりあえず処方される睡眠薬」、不眠大国日本は、睡眠薬大国でもある。ベンゾジアゼピン(BZ)系睡眠薬の消費量はベルギーと共に世界でも突出。この神経伝達物質といいますか、向精神薬は脳の中枢に作用する強力な睡眠効果と呼吸停止、呼吸抑制などの強力な副作用を。鬱や認知症を招くリスクも。肥満だけでなく睡眠障害も生活習慣病と著者は説きます。眠くなるのは朝の光を浴びて約14時間後。朝の光を浴びて入眠時間のコントロールで、減薬・断薬をすすめていらっしゃいます。


  • 安易に睡眠薬を飲んではいけない。市販のドリエル等とは段違いの副作用があるため。
    睡眠薬がどのように脳に働きかけて睡眠を催させるのかよくわかった。
    マイスリーなどは睡眠導入薬だが、睡眠薬であり、向精神薬である。
    お笑い芸人の交通事故のニュースを例にしていたのは、副作用の説明の好例。

  • わざわざ病院で睡眠薬を処方してもらおうと思ったことも、睡眠薬に特別興味を持ったこともない。でも、図書館で健康特集かなんかでこの本が並べられていたのを見て、興味をもって手に取ってみた。
    最初はアンチ医学的な本かと思ったけれど、中をパラパラ読んでみるときちんと現代の医学、薬学の見地に則って書かれた本らしいとわかったので借りて読んでみた。

    どうしても眠れないときに、ドラッグストアで買える抗ヒスタミン薬を使ったことはあった。それほど頻繁でも長期間でもなかったけれど。
    そういう使い方は大丈夫だったのか、少し心配だったので、この本で処方薬よりは抗ヒスタミン薬の方が安全らしいと分かってよかった。
    でも薬に頼るよりも意識的に運動して、夜になると自然に眠くなる方がいい。

    睡眠は誰にとっても重要なテーマだし、この本はあっさり読めてとても役に立つ。

    「睡眠は生活習慣の一部であり、健康の保持・増進において重要な位置づけにあります。睡眠不足やシフトワークなどの「睡眠習慣」、また睡眠時無呼吸や不眠症などの「睡眠障害」が睡眠の質を低下させ、生活習慣病の罹患リスクを高め、症状を悪化させてしまいます。

    例えば、慢性的な睡眠不足は、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも影響を及ぼし、寝不足によって食欲を抑えるホルモンであるレプチンが減少し、食欲を増すホルモンのグレリンの分泌が高まるとされています。」p.69

    「寝不足になると自律神経の中でも緊張系の交感神経が優位になるため、血管が収縮して血圧が高くなります。さらに、血糖値を上げるコルチゾールなどのホルモン分泌が高まる一方で、耐糖能(血液中のブドウ糖を代謝する能力)が低下することもわかっています。血糖値を下げるホルモンであるインスリンの利きが悪くなるインスリン抵抗性となるため血糖値は上昇。上がった血糖値を下げるために、すい臓はインスリンを部に津市続けて疲弊するという糖尿病の図式が考えられるわけです。」p.71

    「睡眠薬の長期の服用を避けるために、基本的には単剤処方が選ばれるべきです。作用時間の異なる睡眠薬を合わせて処方する多剤処方は、効果より副作用の方が勝るといわれ、副作用を複雑にする大きな原因にもなります。」p.102

    「BZ系や非BZ系の睡眠薬は、中枢神経に働きかける向精神薬です。」p.103

    「依存には、「精神依存」と「身体依存」があります。精神依存とは、薬に対する「渇望」が核となり、薬を飲むことによる快感を、再び味わいたいという欲求や衝動が生じることです。

    これに対し、身体依存には、薬を飲むうちに体が慣れてしまい、増量しないと効果が薄くなる「耐性」や、休薬しようとするとさまざまな不調が出現する「離脱(禁断症状)」があります。睡眠薬では、主として身体依存が問題になります。」p.107

    トリプトファン 必須アミノ酸の一つ
    体内に入ると脳内の神経伝達物質である「セロトニン」に変化する。眠りのホルモンであるメラトニンはセロトニンから合成される。
    よって、トリプトファンを摂取するとセロトニンおよびメラトニンが増える。
    トリプトファンは体内で作ることができないので、トリプトファンを多く含んだ食品から摂取する必要がある。
    また、トリプトファンを脳に送るためには炭水化物が必要になる。

    トリプトファンを多く含む食品
    肉、赤身魚、卵、大豆、牛乳、アーモンドやクルミなどのナッツ類、チーズやヨーグルトなどの乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品。

    快眠食材 メラトニンを含む食品
    ケール、オーツ麦、トウモロコシ、生姜、春菊、穀物、豆類、根菜類。

    ビタミンB2 自律神経を調整して睡眠リズムを整える
    アサリ、イワシ、レバー、納豆、豆腐。

  • 特に得るものは無かった.睡眠薬を飲まなくて済むなら飲まない方がいいことは誰しもわかっている訳だが,そこから一歩先に進んだ内容は無かったと思う.

  • 睡眠薬の服用の危険性が書かれています。
    ストレスとか病気の抑うつ症状で眠れない方はいらっしゃると思いますがこうした薬をてを出すことで原疾患症状が悪化したり複雑になることも考えられます。
    ここに記載される副作用はまだまだ甘い方です。これは私の持論ですが、睡眠薬には依存性はある、副作用もでて離脱症状もあり、原疾患も抱えていると自分の不快感はどこからきているのかわからなくなることもあるのです。この本を読むと安易に服用してはならないとわかると思います。

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著者プロフィール

明治薬科大卒。一般社団法人国際感食協会理事、薬剤師・栄養学博士(米AHCN大学)、NPO法人統合医学健康増進会理事。医療の現場に身を置きながら薬漬けの治療法に疑問を感じ「薬を使わない薬剤師」をめざす。

「2023年 『「第三の脂肪」撃退!糖尿病を不治の病にしない最強の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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