ヰタマキニカリス 1 (河出文庫 177A BIBLIA TARUHOLOGICA)

著者 :
  • 河出書房新社
3.66
  • (10)
  • (6)
  • (21)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 97
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309401508

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一千一秒物語、黄漠奇聞 星を造る人、チョコレット、月光騎手、ほか。稲垣足穂作品のなかでも、お気に入りが詰まった一冊です。

  • 稲垣足穂の掌編の数々。挿絵のようにあっけなく昨夜見た夢をそのまま文章にしたようなストーリーもオチもない話。ただ作者の妄想が、止めどない思いつきの世界がどこまでも広がっていく。めくったページをただぼんやりと読みタルホの世界観に浸る本であって作者の意図を読み取ろうとか教訓を学ぼうとしても何も見つからない。それでも後を引くこの感覚。チョコレートの中に飛び込んだロビングッドフェロウの話「チョコレット」など子供に読んで聞かせたくなる、いつか見た夢の一つのようだ。

  • 4版(1990-05-14)

  • 初めましての作家さん。
    恩田陸・長野まゆみ絶賛というのでワクワクしてました。
    何がスゴイって処女作「一千一秒物語」
    ほんの数行のお話なのに脳内で紙芝居みたいな独特の絵が動くのよ。
    そして使っている言葉が、昭和レトロというべきか、
    何とも心がソワソワするの。
    長野さんの初期作品との共通点に嬉しくなりました。
    普通の短編の方は苦手なものもあったけど
    独特の世界観は楽しくて、浮かれてました。

  • 黄漠異聞/星を造る人/チョコレット/星を売る店/「星遣いの術」について/七話集/或る小路の話/セピア色の村/緑色の円筒/煌めける城/白鳩の記/「タルホと虚空」/星澄む里/天体嗜好症/月光騎手/海の彼方/巻末エッセイ:野田秀樹

  • ★ 街角で月と出会った ★

    大人な童話です
    都会的で洒落た
    おとぎ話
    月や星と話をしましょう

    子どもでいつづけなくても
    ちゃんと大人になっても
    夢を見続けることはできるのです

    あるいは
    大人の中の子どもが目覚めることができるのです
    いや むしろ…
    大人だけが持っている
    子どものカケラだけが
    このたくさんのお話に反応するのかもしれません



    ぼくの持ってるのは初版本と、河出文庫版で、ちくま文庫版の中身はよく知らないのですが、違うわけではないでしょう。
    たぶん。
    こんな玉手箱がこんな値段で手に入るなんて、ぜったいお徳。

  • 耽美過ぎて私にはちょっと難しかったなあ。次は少年愛の美学を読んでみたいと思います。

  • 有名作「一千一秒物語」を収録してあります。童話系統の話と飛行機系統の話、そして「薄板界」の話などなどかなりヴァラエティに富む内容。「弥勒」以前の少年足穂が活躍しているという印象を受けたのですが…その中でも最後の「海の彼方」が好きですね。「ヰタ・マキニカリス」というタイトルの作品はありません。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

稲垣足穂(1900・12・26~1977・10・25) 小説家。大阪市船場生まれ。幼少期に兵庫・明石に移り、神戸で育つ。関西学院中学部卒業後、上京。飛行家、画家を志すが、佐藤春夫の知己を得て小説作品を発表。1923年、『一千一秒物語』を著す。新感覚派の一人として迎えらたが、30年代以降は不遇を託つ。戦後、『弥勒』『ヰタ・マキニカリス』『A感覚とV感覚』などを発表し、注目を集める。50年に結婚、京都に移り、同人誌『作家』を主戦場に自作の改稿とエッセイを中心に旺盛に活動し始める。69年、『少年愛の美学』で第1回日本文学大賞受賞、『稲垣足穂大全』全6巻が刊行されるなど「タルホ・ブーム」が起こる。

「2020年 『稲垣足穂詩文集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

稲垣足穂の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×