忍者月影抄 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
3.04
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本棚登録 : 59
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309407463

感想・レビュー・書評

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  • 紀伊吉宗と尾張宗春の確執を部隊に、お抱え忍者(江戸は伊賀、尾張は甲賀)と柳生両派が総勢28名も入り乱れる話なのだが、標的の愛妾7名も入れると、とかく登場人物が多すぎて1つ1つの忍法がサラリとしか書かれていず、核となる人物がいない。逆に言えば、ひとそれぞれで気に入った忍法対決もあるんでしょうけど、私の場合は、一瞬に触れたものを炎と変える赤不動と、強烈な冷気で肉体に触れたものを凍らせる薄氷のところかな。

  • 忍法帖シリーズ第5作、簡単なあらすじは…

    享保年間8代将軍吉宗の治世下、お江戸日本橋の晒し場に全裸の女性3人が晒されるという事件が起こる。この3人はかつて吉宗の寵愛を受けた女達であり、その背中には「公方様御側妾棚ざらえ」と彫られており、享保の改革を推し進め贅沢を禁じた8代将軍吉宗への痛烈なる皮肉である。

    このような所業ができるのは御三家尾張藩当主、徳川中納言宗春であるが証拠はない。かくて吉宗は公儀お庭番伊賀忍者7名と江戸柳生高弟7名に、いまだ存命の元愛妾達の抹殺を命ずる。これを阻み吉宗へ政治的痛手を負わさんとする吉春は、尾張藩の御土井下組の甲賀忍者7名と尾張柳生の高弟7名で彼女らの殺害を妨害し江戸市中に晒すことを画策する。

    因縁の対決甲賀卍谷vs伊賀鍔隠れです!さらに江戸柳生vs尾張柳生の因縁も絡んでバトルです。忍法帖の正統派です、面白くないわけがない!しっかり楽しめました。吉宗(暴れん坊将軍)と大岡忠相(大岡越前)の絡みもあったりして面白い。

    次々に討ち果ててラストに漂う虚無感も定石通り、忍者って切ないもんです。

    今回特にお気に召した忍法は甲賀忍者の檀宗綱(だんむねつな)が操る忍法夢若衆、これは術をかけた相手の眠りの呼吸と己の呼吸を一致させることで相手の夢の中に忍び込むことができる。女ならば意のままに操り(つまり思うがままなんでもあり)、男ならば殺す。夢で殺されても実害はないものの精神的にはかなりツライ。それが毎晩繰り返されたら…術をかけるには相手と顔見知りになる必要があるが、直接顔を合わさずとも、相手の顔見知りの夢に現れ、夢の中でターゲットと顔見知りになることで接点を持たずして術中に落とす。スゴイ忍法だ!

    この忍法、妄想膨らませてくれて凄過ぎる。

  • 珍しく、ストーリーが設定負けしている。

  • 再読

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    伝統の卍谷vs鍔隠、江戸柳生vs尾張柳生の因縁の対決。忍者vs剣法もあり。大混戦で面白いです。満腹。

  • 未読

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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