べけんや (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309407562

感想・レビュー・書評

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  • いいですねえ。黒門町。読んでいてとても楽しくなりました。

  • たとえば、第3章「師匠の食事」。なんて「美しい」朝食なのだろう。名人・八代目桂文楽の「芸」から受けるー 端正、緻密、モダン、色気 ー といった印象のすべてが、毎朝「黒門町」の長屋で繰り返される、さながら「儀式」のようなその食事風景からも同じように感じられたのは驚きである反面、また当然のような気もした。まさにその「人」こそが「芸」そのものであり、そういう生き方が許された時代、いわば「巨匠の時代」の芸術家なのだろう(その点で、「修業中の弟子の目からみた師匠」という切り口は同じでも、立川談春の『赤めだか』とは決定的にちがっているように思われる)。その意味で、この『べけんや』に綴られた桂文楽というひとのことばや振る舞いは、その芸をより深く理解する上で役に立つことはあっても、けっして邪魔になるということはないように思う。

    また、「伝説」ともいえる「勉強し直してまいります」というよく知られる台詞がとっさに口をついて出た文句ではないと知るとき、文楽というひとの「引き際」に対する美意識に感心するとともに、その、自身をみつめるまなざしの峻厳さには凄みすら感じる。師匠の死後、著者(柳家小満ん)が五代目小さんの元に引き取られることになった経緯なども静かに感動的なエピソード。

  • 再読。最初に呼んだときはまだ著者の小満んという噺家を知らなかった。それが、時々テレビできれいな高座を見かけていたあの噺家だと気づいたのは最近のこと。
    2013年最初に行く落語会は小満んさん。するんとしたお身体を拝見するのも楽しみのひとつです。

  • 文楽師匠への愛が溢れているけれど、きちんと客観もあり、賛美に終始しない読みやすい本。

    文楽師匠のイメージが変わって、読んでよかったなあと思いました。

  • 名人と言われた桂文楽。
    その生き様と名言が垣間見える本。
    十八番の「大仏餅」を話している最中、絶句してしまったエピソードはあまりに有名。
    彼のように、潔く真摯に謙虚に生きていけたらと、そう思います。

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